某インスタント豚骨ラーメン
いつもこの時間帯になると目を充血させながらnoteを執筆する。どんな状態であれこの活動の灯火を消しては、今の僕の存在は消滅しかけるからだ。少しの焦り。少しの誘惑。少しの焦り。少しの誘惑。を繰り返してこの時間帯を過ごす。今日も起きて直ぐに母からLINEで「ちょっと今から部屋のトイレ見に行くよ。」と連絡が来た。僕が今主な活動場所として利用しているのは、本来両親の職業柄(教会の会長、夫人)来賓者を招く事が多いのでその為用に作られた来賓者専用部屋なのだ。だから部屋の中にトイレもあるし、ある程度の装飾が施されている。(まあ、作られたのは今から約40年前とかだからバブル全盛期の哀愁も感じられる。)なのであまり汚したりとか、傷を付けたりとかしてはいけない。そんな部屋を自分の部屋が汚過ぎて住めないという理由で使う僕は本当に哀れだ。そして汚してはいけないという理由で部屋での飲食も禁止されているが、僕はバンバン飲食をしている。何故ならこの空間は家族の主要活動場所から2つの廊下を渡らないと来れない孤島の様な場所に位置し、この家の中で一番安心出来る場所でもあるからだ。だから此処で食べるご飯はセロトニンモクで食べる食卓の窓際よりも何倍も美味い。美味すぎる。この前もSuicaの残高で買った天一のカップ麺もこの場所で食べてめっちゃ美味しかったから、今まで嫌いだった豚骨味のラーメンにも手を出してみようとして、僕、父対策で母がラーメンを隠している押入れの中から某インスタント豚骨ラーメン(地元がバレそうなので隠します。)を取り出してとんでもないスピードで調理をして、来賓用部屋に持ち込んで食べた。初めても某インスタント豚骨ラーメン。「美味い。」僕は父に似てかなりの偏食なので食べた事が無い食材も見た目、臭い、雰囲気、オーラなどで食べるか、食べないかを選択する癖があり、某インスタント豚骨ラーメンもその特性通り1回も食べずに食べないという選択をして来た。(まあ、地元の豚骨ラーメン屋がクソ不味かったのと、母が北海道出身なので昔から味噌ラーメンばかり食べていたというのもデカい。)けど今回は滅茶苦茶美味かった。豚骨の少し臭みのある匂いも全く感じなかったし、麺も細く啜りごたえがあった。良かった。でも今からこの部屋にやってくる母にはこの事はバレていけない。僕は母からの連絡を見た後直ぐにゴミ箱の中にあった某インスタント豚骨ラーメンの袋と専用粉袋の2点を取り出して、何処に隠すかを考えた。「トイレに流す、
いやトイレに流して詰まった時この部屋で某インスタント豚骨ラーメンを食べていた事がバレて怒られる。枕の下に隠す、いや枕の下に隠したら日頃シコって処理されたティッシュ達が散乱しているから臭いが掛け合わさりとんでもない事になる。どうしよう。」そして「そうだ!机の上にある月1で学校から届く書類が入っていた茶封筒の中に入れよう!」となり直ぐにその茶封筒の中に入れた。そして直ぐ母が部屋に突入。辺りを見渡しながらある程度のゴミの散乱に対して僕に叱責しながらトイレまで向かって行くその瞬間。「なんか某インスタント豚骨ラーメンの匂いしない?」横見をしながら余裕感を出してスマブラのVIP対戦をしていた僕の指先は母のその発言後上手く動かす事が出来ず、僕が使っていたコンボが命のカズヤは呆気なく3タテされた。そして母は少し散乱した(何回散乱って使うねん)僕の机を漁り、茶封筒の中にある某インスタント豚骨ラーメンの袋と専用粉袋の2点を回収し、僕は身動きを失った。
後1年程しか無いこの部屋での生活。
この部屋で起きたどんな事象も
羨ましがる僕が何れ現れるのだろう。
漸く11月を感じた。