わたりどり通信

形式にこだわらずなんでも書きます。 飽き性なので短編小説が好き。  猫とジェンツーペン…

わたりどり通信

形式にこだわらずなんでも書きます。 飽き性なので短編小説が好き。  猫とジェンツーペンギンをこよなく愛す。

マガジン

記事一覧

(詩)脱出したい

  君が時々仕掛けるゲーム   大嫌いでたまんないけど   賞品がいつも   「ご機嫌になる君」だから   参加しないわけにいかない

(詩)月曜日の不協和音

  今日は朝から暗く   雲の中に青空が見えた   傘を持たない時に限って   天気予報は的中し     土砂降りの雨に打たれ   火傷しそうになる   友人のくだ…

(短編小説)昼下がりの男たち 

   6月の土曜日の昼前のことだった。  妻が突然「お腹が痛い」と訴え、ダイニングテーブルに掴まりながらしゃがみこみ、唸り声を漏らすと、しまいに蹲ってしまった。救…

(短編小説)河童の子

「やれやれ。コーチに頼んでなんとか練習抜けてきたよ。大事な話ってなんだい。母さんまで揃ってさ。明日から遠征だから手短に頼むよ」  周平は三ヶ月ぶりに実家に戻って…

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おねだり

     カーネーション買うから ママお金ちょうだい

愛情表現

 君を安心させたくて イケメンを辞退したのさ

書いてみりゃわかるさ

こんにちは。細々と創作活動しているわたりどり通信でございます。 Note では主に小説と詩のようなものを投稿しています。 一度でも読んだことあるよ、という方、ありがと…

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あの人のこと/20字小説

 愛するのはたやすいが 共に生きるのは難しい

9

On Your Mark /20字小説

 探しにゆくより 始めることにした 幸せな日々

3

ここで/20字小説

 はぐれ狼 静寂で目が覚めても 群には戻らない

6

もう一度/20字小説

   夢でいいから会いたい 次こそ殴ってやるんだ

5

ジャズマスター/20字小説

 無敵さと無力感のはざま ナンバーガール爆音

6

名声泥棒/20字小説

 目利きはないけど鼻は利く連中に気を付けろ

6

おとしもの/20字小説

誰かの涙 拾ったけれど 届けた方がいいかしら

5

グットバイ/20字小説

   君が去る時まで 側にいられるなら それでいい

3

こわれもの/20小説

例えるなら君は「卵を抱えてるような」人だ

2
(詩)脱出したい

(詩)脱出したい

  君が時々仕掛けるゲーム

  大嫌いでたまんないけど

  賞品がいつも

  「ご機嫌になる君」だから

  参加しないわけにいかない

(詩)月曜日の不協和音

(詩)月曜日の不協和音

  今日は朝から暗く
  雲の中に青空が見えた

  傘を持たない時に限って
  天気予報は的中し
 
  土砂降りの雨に打たれ
  火傷しそうになる

  友人のくだらない話に
  おかしくもないのに笑って

  君を抱きしめたいのに
  飽きた仕草でいじわるして
 
  つまらないはずの映画を観ながら
  涙を流したりしたのさ

(短編小説)昼下がりの男たち 

(短編小説)昼下がりの男たち 

 
 6月の土曜日の昼前のことだった。
 妻が突然「お腹が痛い」と訴え、ダイニングテーブルに掴まりながらしゃがみこみ、唸り声を漏らすと、しまいに蹲ってしまった。救急車は近所に迷惑掛けるから嫌だと言うので、僕の車で一番近い総合病院に連れていった。
 痛みが強いので救急で診てもらった。血液検査のあとにCTも撮ったりと、検査結果が分かるまで3時間以上掛かった。痛みの原因は胆管に石が詰まっていた胆嚢炎だっ

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(短編小説)河童の子

(短編小説)河童の子

「やれやれ。コーチに頼んでなんとか練習抜けてきたよ。大事な話ってなんだい。母さんまで揃ってさ。明日から遠征だから手短に頼むよ」
 周平は三ヶ月ぶりに実家に戻ってきた。父親からどうしても話したいことがあると呼び出されたのだ。温和な父親は寡黙な人で、滅多に連絡など寄越してこない。その父親から『なるべく早く帰ってきてほしい』と繰り返しメールが届けば、何事かと思う。
 しかし中々戻れなかった。なぜなら周平

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おねだり

おねだり

 
 
 カーネーション買うから ママお金ちょうだい

愛情表現

愛情表現

 君を安心させたくて イケメンを辞退したのさ

書いてみりゃわかるさ

書いてみりゃわかるさ

こんにちは。細々と創作活動しているわたりどり通信でございます。
Note では主に小説と詩のようなものを投稿しています。
一度でも読んだことあるよ、という方、ありがとうございます。
スキもしたよ、という方、愛しております。

公募生活も今年で5年目になりました。
結果の出るもの出ないもの、まちまちです。 
三年前から毎年応募してしている小説現代新人賞は
二度一次通過したものの、どちらも二次で落選。

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