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記事一覧

(詩)月曜日の不協和音

(詩)月曜日の不協和音

  今日は朝から暗く
  雲の中に青空が見えた

  傘を持たない時に限って
  天気予報は的中し
 
  土砂降りの雨に打たれ
  火傷しそうになる

  友人のくだらない話に
  おかしくもないのに笑って

  君を抱きしめたいのに
  飽きた仕草でいじわるして
 
  つまらないはずの映画を観ながら
  涙を流したりしたのさ

(詩)地球まるごと

(詩)地球まるごと

 
 なにしてるでもないのに
 
 時々疲れきってしまう

 どうしようもないほど

 女であることが
 
 しんどくなる

 鬱でもない

 症候群でもない

 女である自分が

 耐え難いほどつらいのだ

 抱えてるのは

 スーパー帰りのエコバック

 家族に必要なあれこれ

 私の生活と

 私の人生が

 中に入っている
 
 重いはずだ

 ここに

 地球を持って歩いているのだから

(詩) 潮騒

(詩) 潮騒

   ずいぶん遠くまで来たねと

   あなたが言う
 
   時計の針の天辺を

   夜間飛行が越える
 
   むらさきに染まる部屋
  
   あなたの瞳の中の私は
 
   窮屈そうに髪をなぞる
 
   ほどけた腕
 
   不確かな距離
 
   ふくろうの羽ばたき 

   あなたは自分の影に寄り掛かり

   ぽかりと煙草をふかす

   窓は果てしない絵画

   静かなざわめ

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(詩)ごめんなさい

(詩)ごめんなさい

  君が明日
  帰ってしまうと言うもので
  僕は少しイライラしてた
  せっかくの月夜なのに
  ギターも弾かず
  散歩にも行かなかったのは
  君に対する
  つまらない八つ当たりだ
  君はキッチンで
  ほうれん草とマッシュルームのパイを焼く
  猫みたいに
  小刻みな仕草で
  僕が冷たくするから
  君は
  オーブンの前から
  一歩も動けない
  でもやがて
  君から何か話

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(詩)どのように?

(詩)どのように?

  つまり君には
  
  こういう貼り紙が
 
  付いてるわけだ
 
  「寂しがり屋だけど 懐かないで」
 
  全くもって

  ややこしいぜ

(詩)ボーイ

(詩)ボーイ

 
 ボーイ
 俯きながらとぼとぼ歩いて
 君ひとりが背負うには
 夕陽が大きすぎるだろう
 そんなに腐るな
 きっと味方はいる
 見つけるんじゃなく作るんだ
 
 ボーイ
 長い手紙を書いたよ
 明日あたり届くと思う
 読みたくなければ捨ててもいいけど
 道に落ちてた君のタマシイ
 同封しておいたから
 一度シールははがしてくれ
 
 ボーイ
 今は無気力に感じても
 大人になりゃもっと複雑さ

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(詩) 休日

(詩) 休日

君と
イルカショー
一番前で見て
歓迎のスプラッシュ浴びる
びしょ濡れになったから
シャツが乾くまで
お茶屋さんの店先で
わらび餅食べて
長い日暮れを
過ごしてる

(詩) たゆまぬ希望

(詩) たゆまぬ希望

 もし世界の終わりが明日だとしても
 私は今日林檎の種子を蒔くだろう
 とあるように
 もし地球上でたったひとりになっても
 僕は物語を書くだろう

       

(詩) パーセンテージ

(詩) パーセンテージ

 
 僕は
 
 普通の人間だけど
 
 平均的ではないのだ

(詩)青い鳥 小鳥

(詩)青い鳥 小鳥

  
 青い鳥 小鳥
 どうして鳴くの?
 「私の幸せはどこかしら」
 そんなこと聞かれたら
 僕は困ってしまう
 
 青い鳥 小鳥 
 それなら探しに行ってごらん
 君の羽は羽ばたくためにある
 思い切り広げてごらん
 ほうら自由に飛べるのさ
 
 青い鳥 小鳥
 けれど時々雨が降る
 暗い森や大きい鳥が
 待ち受けてる
 振り向かないで急ぐんだ
 でも気をつけて
 でも無茶はしないで
 
 青

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 (詩)中毒

 (詩)中毒

 
 いよいよだな
 怒ってる顔にも
 うっとりする
 もう
 末期症状だね

 (詩) 新しい欲望

 (詩) 新しい欲望

 
 君と出会って
 知ってしまったのさ
 新しい欲望
 もう手に負えない
 なんとかしてくれ

 (詩) ふたつ

 (詩) ふたつ

  
 ばあちゃんの命日だから
 大判焼きを買ってきた
 どっちが好きだったか
 忘れたから
 つぶあんひとつ
 こしあんひとつ

写真はみんなのギャラリー
momonotane さんより
お借りしました
ありがとうございました

 印象

 印象

 無口なだけなんだ
 不気味な人と思われないように
 毎日シャツに
 アイロン掛ける