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(詩)キリド

(詩)キリド

 
 テレビをつけたら
 女性歌手が
 カバー曲を歌っていた
 まあまあヒットしたけど
 つまんない歌

 ワイドショーでも
 どうでもいいことを
 毎日議論してる
 いつも同じ展開
 つまんない話題

 ネットでは
 誰が悪いだの
 誰が可哀想だの
 正しさを主張し合って
 みんな怒ってる
 
 世の中はつまんないことに
 振り回されてる
 つまんないことが
 世の中を動かしてる

 それぞれの

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詩/小雨

詩/小雨

 
  彼は人の気持ちが分からない
  無意識のうちに人を傷つける
  そのことにすら
  彼は気付いていない

  彼は世界に興味がない
  なんのニュースも関心がない
  その都度の目的を果たせば
  もうなにもすることがない
  もうやりたいこともない

  彼はまるでにわか雨
  刹那の生き物
  誰かをひととき不快にして
  誰かをひととき喜ばす
  そして止まらずに去ってゆく

  僕

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詩/歓喜へ

詩/歓喜へ

  あなたを見ていたい

  あなたを見ていると ドキドキするから
 
   あなたを見ていると わくわくするから

   あなたを見ているだけで
 
  本物の涙と 本物の笑顔が溢れてくるから
 
  あなたを見ていたい
 
  あなたを見ていると 希望が生まれるから
 
  あなたを見ていると 夢を信じられるから
 
  あなたを見ているだけで
 
  本物の強さと 本物の奇跡

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(詩)あと少し

(詩)あと少し

 なかなかプロにはなれないよ
 いっぱい書いても認知度がないしね
 
 それでもまだやるつもり?
 ライバルはごまんといるよ

 腕だって痛いしさ
 最近はトラブルが絶えなくて
 集中できる時間の確保も難しい
 どうせ誰も読まないぜ

 みんな君より優れてる
 君より人気があって
 君より面白い
 なのにまだやるの?
 
 君にとっては素敵でも
 この世になくてもいいもの
 それが君の書いてる物語

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(詩)そんなとき僕なら

(詩)そんなとき僕なら

 どうして生まれてきたかなんて
 そんなこと知るもんか

 そんな質問で厭世家ぶって
 僕を責めたりするな
 そんな同情で逃げる理由探して
 いっぱしぶるな
 
 どうして生まれてきたかなんて
 人間しか考えない
 捨てられた仔犬も
 踏みつけられてる雑草も
 在るように在るだけ
 そんな傲慢さはない

 自己愛が強いんだろ
 まだ未熟なのさ
 どうしての答えなんかないと知っていて
 誰かのせいに

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(詩)月曜日の不協和音

(詩)月曜日の不協和音

  今日は朝から暗く
  雲の中に青空が見えた

  傘を持たない時に限って
  天気予報は的中し
 
  土砂降りの雨に打たれ
  火傷しそうになる

  友人のくだらない話に
  おかしくもないのに笑って

  君を抱きしめたいのに
  飽きた仕草でいじわるして
 
  つまらないはずの映画を観ながら
  涙を流したりしたのさ

(詩)地球まるごと

(詩)地球まるごと

 
 なにしてるでもないのに
 
 時々疲れきってしまう

 どうしようもないほど

 女であることが
 
 しんどくなる

 鬱でもない

 症候群でもない

 女である自分が

 耐え難いほどつらいのだ

 抱えてるのは

 スーパー帰りのエコバック

 家族に必要なあれこれ

 私の生活と

 私の人生が

 中に入っている
 
 重いはずだ

 ここに

 地球を持って歩いているのだから

(詩) 潮騒

(詩) 潮騒

   ずいぶん遠くまで来たねと

   あなたが言う
 
   時計の針の天辺を

   夜間飛行が越える
 
   むらさきに染まる部屋
  
   あなたの瞳の中の私は
 
   窮屈そうに髪をなぞる
 
   ほどけた腕
 
   不確かな距離
 
   ふくろうの羽ばたき 

   あなたは自分の影に寄り掛かり

   ぽかりと煙草をふかす

   窓は果てしない絵画

   静かなざわめ

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(詩)ごめんなさい

(詩)ごめんなさい

  君が明日
  帰ってしまうと言うもので
  僕は少しイライラしてた
  せっかくの月夜なのに
  ギターも弾かず
  散歩にも行かなかったのは
  君に対する
  つまらない八つ当たりだ
  君はキッチンで
  ほうれん草とマッシュルームのパイを焼く
  猫みたいに
  小刻みな仕草で
  僕が冷たくするから
  君は
  オーブンの前から
  一歩も動けない
  でもやがて
  君から何か話

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(詩)どのように?

(詩)どのように?

  つまり君には
  
  こういう貼り紙が
 
  付いてるわけだ
 
  「寂しがり屋だけど 懐かないで」
 
  全くもって

  ややこしいぜ

(詩)ボーイ

(詩)ボーイ

 
 ボーイ
 俯きながらとぼとぼ歩いて
 君ひとりが背負うには
 夕陽が大きすぎるだろう
 そんなに腐るな
 きっと味方はいる
 見つけるんじゃなく作るんだ
 
 ボーイ
 長い手紙を書いたよ
 明日あたり届くと思う
 読みたくなければ捨ててもいいけど
 道に落ちてた君のタマシイ
 同封しておいたから
 一度シールははがしてくれ
 
 ボーイ
 今は無気力に感じても
 大人になりゃもっと複雑さ

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(詩) 休日

(詩) 休日

君と
イルカショー
一番前で見て
歓迎のスプラッシュ浴びる
びしょ濡れになったから
シャツが乾くまで
お茶屋さんの店先で
わらび餅食べて
長い日暮れを
過ごしてる

(詩) たゆまぬ希望

(詩) たゆまぬ希望

 もし世界の終わりが明日だとしても
 私は今日林檎の種子を蒔くだろう
 とあるように
 もし地球上でたったひとりになっても
 僕は物語を書くだろう

       

(詩) パーセンテージ

(詩) パーセンテージ

 
 僕は
 
 普通の人間だけど
 
 平均的ではないのだ