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(詩)ボーイ

 
 ボーイ
 俯きながらとぼとぼ歩いて
 君ひとりが背負うには
 夕陽が大きすぎるだろう
 そんなに腐るな
 きっと味方はいる
 見つけるんじゃなく作るんだ
 
 ボーイ
 長い手紙を書いたよ
 明日あたり届くと思う
 読みたくなければ捨ててもいいけど
 道に落ちてた君のタマシイ
 同封しておいたから
 一度シールははがしてくれ
 
 ボーイ
 今は無気力に感じても
 大人になりゃもっと複雑さ
 やがて訪れる
 愛と愛が闘う時
 きっと君は戸惑うだろう
 そして知るんだ
 強いものが勝つわけでもないってことをね
 
 ボーイ
 手紙が届いたら
 その夜に旅立つんだ
 荷物なんかいらない
 本当にほしいものが見つかるまで
 両手は空けておけ
 思いきり掴めるように
 
 この町に愛されなかった
 それだけのこと
 長い坂道を下りて
 いらないルールに手を振ろう
 静寂の足音に新しいリズム
 そしてもう帰るとこはない
 そしてもう帰ることもない

 





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