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幕間002:適切な努め【ユーメと命がけの夢想家】
前回目次◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「結構悩んでるみたい?」
「まあ、悩むよ」
恋なんて傷つくだけの代物だ。
少なくとも今の僕にハッピーエンドな恋物語なんて書く気力は湧かない。
「だから、相手は猫にするってわけ」
「なんだよ、どうせ僕は逃げ腰ですよ」
「というより、恋愛というものに、想像以上の怯えを抱く自分自身に戸惑ってる、って感じ?」
ユーメの言う通りなのであった。
000:雨の日の朝食【ユーメと命がけの夢想家】
目次◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
寒いな、と、思うのだった。
そのあとで、自動車が水たまりを過ぎる音を耳にする。いや、逆か。この音を無意識のうちに聞くからこそ、世界は寒くつめたく冷ややかで、どうしようもないことを知るのだ。
うっすく目を開けてみると、再生を終えた動画のリンク欄があった。布団の脇に、仕事道具として手に入れたノートパソコン。それと半身をベッドから投げ出すような格好で