浄土複合スクール

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浄土複合スクール関連の情報を発信します。 浄土複合→https://jodofukugoh.com 浄土複合スクール→https://jodofukugoh.com/school/

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    連続講座:ニコラ・ブリオー再入門(対面/オンライン)

    お支払いいただき、受講お申し込み完了となります。ご記入のメールアドレスにご連絡差し上げます(学生料金でお申し込みの方には、学生証をご提示いただきます)。*各レクチャー後、2週間視聴可能なアーカイブをご利用いただけます。*台風10号の接近が予想されるため、8/31に予定していた初回を9/7(土)に延期させていただきます。引き続き、会場、オンラインともに受講の受付を行なっています。(8/29追記)--浄土複合スクールでは、この度ニコラ・ブリオー『ラディカント』(フィルムアート社)の翻訳者で美学者の武田宙也さんによる連続講座を開講します。『関係性の美学』(水声社)が翻訳され、9月からはブリオーがディレクターを務める光州ビエンナーレが開催となる今、ブリオーの著作と共に、現代アートの動向とその変遷を学ぶ上での絶好の機会となるでしょう。ぜひご参加ください。浄土複合スクール連続講座ニコラ・ブリオー再入門 関係性から人新世へ講師:武田宙也2024年 9/7, 9/14, 9/28土曜日 19:30-21:00[概要]「関係性の美学」で知られるニコラ・ブリオー(1965〜)は、日本においては長らく「名のみ有名」な論者の一人でした。つまり、現代美術の議論でよく名前は挙がるけれども、どういう人なのか実はあまり知られてこなかった、ということです。実際、彼が提唱した「関係性の美学」についても、(多くの場合、ブリオーを批判する論者たちの議論を通じて)その概要が断片的に知られる程度でした。こうした状況の背景には、日本語でアクセスできるブリオーの著作が長らく存在しなかったという事情があります。その意味で、昨年末に刊行された日本語版『関係性の美学』は、まさに待望の一冊と言うことができるでしょう。本レクチャーでは、本書の出版を記念して、ブリオーの美学の多様な側面にあらためて光を当ててみたいと思います。具体的には、『関係性の美学』(1998)、『ラディカント──グローバリゼーションの美学に向けて』(2009)、『包摂──資本新世の美学』(2021)といった節目ごとの著作を取り上げ、「「関係性の美学」の人」というだけでない彼の姿を浮かび上がらすことができたらと思います。各回のテーマ8/31:『関係性の美学』──現代のコミュニケーションのあり方をめぐって9/14:『ラディカント』──グローバリゼーション時代の芸術作品9/28:『包摂』──人新世の美学[講師プロフィール]武田宙也|たけだ・ひろなり京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は哲学、美学。主な著書に『フーコーの美学──生と芸術のあいだで』(人文書院)、『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』(共著、水声社)、主な訳書に、ニコラ・ブリオー『ラディカント──グローバリゼーションの美学に向けて』(フィルムアート社、2022年)などがある。
    ¥4,000 〜 ¥6,000
    浄土複合の本棚
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    連続講座「ニコラ・ブリオー再入門」+『Jodo Journal 5』セット

    お支払いいただき、受講お申し込み完了となります。ご記入のメールアドレスにご連絡差し上げます(学生料金でお申し込みの方には、学生証をご提示いただきます)。『Jodo Journal 5』はお申し込みの際のご住所に郵送いたします。*各レクチャー後、2週間視聴可能なアーカイブをご利用いただけます。*台風10号の接近が予想されるため、8/31に予定していた初回を9/7(土)に延期させていただきます。引き続き、会場、オンラインともに受講の受付を行なっています。(8/29追記)--浄土複合スクールでは、この度ニコラ・ブリオー『ラディカント』(フィルムアート社)の翻訳者で美学者の武田宙也さんによる連続講座を開講します。『関係性の美学』(水声社)が翻訳され、9月からはブリオーがディレクターを務める光州ビエンナーレが開催となる今、ブリオーの著作と共に、現代アートの動向とその変遷を学ぶ上での絶好の機会となるでしょう。ぜひご参加ください。浄土複合スクール連続講座ニコラ・ブリオー再入門 関係性から人新世へ講師:武田宙也2024年 9/7, 9/14, 9/28土曜日 19:30-21:00[概要]「関係性の美学」で知られるニコラ・ブリオー(1965〜)は、日本においては長らく「名のみ有名」な論者の一人でした。つまり、現代美術の議論でよく名前は挙がるけれども、どういう人なのか実はあまり知られてこなかった、ということです。実際、彼が提唱した「関係性の美学」についても、(多くの場合、ブリオーを批判する論者たちの議論を通じて)その概要が断片的に知られる程度でした。こうした状況の背景には、日本語でアクセスできるブリオーの著作が長らく存在しなかったという事情があります。その意味で、昨年末に刊行された日本語版『関係性の美学』は、まさに待望の一冊と言うことができるでしょう。本レクチャーでは、本書の出版を記念して、ブリオーの美学の多様な側面にあらためて光を当ててみたいと思います。具体的には、『関係性の美学』(1998)、『ラディカント──グローバリゼーションの美学に向けて』(2009)、『包摂──資本新世の美学』(2021)といった節目ごとの著作を取り上げ、「「関係性の美学」の人」というだけでない彼の姿を浮かび上がらすことができたらと思います。各回のテーマ8/31:『関係性の美学』──現代のコミュニケーションのあり方をめぐって9/14:『ラディカント』──グローバリゼーション時代の芸術作品9/28:『包摂』──人新世の美学[講師プロフィール]武田宙也|たけだ・ひろなり京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は哲学、美学。主な著書に『フーコーの美学──生と芸術のあいだで』(人文書院)、『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』(共著、水声社)、主な訳書に、ニコラ・ブリオー『ラディカント──グローバリゼーションの美学に向けて』(フィルムアート社、2022年)などがある。
    ¥4,800 〜 ¥6,800
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    書物創作工房(2024年10月-2025年1月)

    お支払いいただき、受講お申し込み完了となります。ご記入のメールアドレスにご連絡差し上げます(学生料金でお申し込みの方には、学生証をご提示いただきます)。--インディペンデント・プレスの書物や手製本作品を制作してきた講師とともに、各自が作りたい本を自由なかたちで制作していきます。テクスト作品、画集、写真集、アンソロジーなど、コンテンツ自由。さまざまな形態の本の紹介や編集・組版の基本レクチャーを行いながら、編集からデザイン・製本まで、それぞれの制作をサポートします。In Designなどを用いたDTPによる印刷物から手作りによる少部数の書物まで、内容にふさわしい本の制作を目指します。—書物創作工房講師:間奈美子(空中線書局)2024年10月-2025年1月土曜日 19:00-21:00浄土複合スクール(京都府京都市左京区鹿ケ谷法然院西町30−1)2024年 10/12、10/19、11/2、11/16、11/30、12/7、12/21、2025年 1/11土曜日 19:00-21:00 [進行予定]1講 コンテンツヒアリング | 手製本作品紹介 (10/12)2講 コンテンツプラン | 書物史概観 (10/19)3講 原稿作成・編集 | 書容設計の基本 (11/2)4講 原稿作成・編集 | 編集デザインの基本 (11/16)5講 書容制作・本文組版 | 本文組版の基本 (11/30)6講 書容制作・本文組版 (12/7)7講 プリント・製本 (12/21)8講 プリント・製本 (1/11)*上記講座内で、同エリアのリソグラフ印刷スタジオ「hand saw press Kyoto」を見学します。+文学フリマ出品(1/19)午睡書架での展示(1/20~1月末)*受講に関する注意事項・書物の内容については、およそのプランをご準備ください。・DTPでの制作を希望される場合は、wordやInDesignなど、組版が可能なPC環境をご用意ください。・製本は、手製本、注文製本、いずれでも構いません。・2025年1月19日開催の「文学フリマ京都」への出品を予定し、5部以上の制作を目指します。・文学フリマの翌日より、午睡書架にて「書物創作工房2025」展を1月末まで予定しています。・材料費は各自ご負担となります。また各自の講座外での作業が必要となります。・対面での受講を基本とし、出席できない回については、ご希望の場合、後ほど録画を共有いたします。
    ¥38,000 〜 ¥50,000
    浄土複合の本棚

記事一覧

2023年に公開された受講者による文章一覧

浄土複合ライティング・スクールでは、今年も一年、受講者がライティングに取り組んできました。特に今年度から一年間の基礎コースの修了者を対象として、継続的に文章の執…

展覧会レビュー「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」(京都国立近代美術館)

陶芸をめぐるかたちの攻防  松村大地 皿と壺は同じ形をしている。ろくろの上で回る土の上端を絞れば壺に、開いてゆけば皿になると言えるだろう。陶芸制作の要であるろく…

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作品評|佐々木健《授乳室のためのドローイング》

授乳室という庭 羽渕徹 キクイモ、アヤメ、ホトトギス、マツバギク、ヒメツルソバ。さらに奥に進むと、アサガオ、ウメ、ナンテン、サルビア、ハナビシソウ、ツバキ、レン…

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クロスレビュー「ダンスダンスレボリューションズ」(京都芸術センター)2/2

矢印はダンスを踊らない 文:各務文歌 京都の街の中心を流れる鴨川は、両岸に整備された遊歩道や平地を持つ水辺として、人々の憩いの場になっている。景色を楽しみながら…

4

クロスレビュー「ダンスダンスレボリューションズ」(京都芸術センター)1/2

踊る言葉、場が呼び起こすダンス 文:神田恵理 スワンはディディが好き、ディディもスワンのことがきっと好き。それでもふたりは不意にワープしたり、ループしたり、ない…

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Review:「すべて未知の世界へーGUTAI 分化と統合」(大阪中之島美術館、国立国際美術館)

切り裂いてなお、戸惑う──白髪富士子と具体 文:懶い 早くも1955年に制作されていた田中敦子の《作品(ベル)》で大阪中之島美術館の展示は幕を開ける。来場者がスイッ…

新年のご挨拶&「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」展レビュー寄稿のお知らせ

2023年、明けましておめでとうございます。 浄土複合は今年5年目を迎えます。 このnoteでは引き続き浄土複合ライティング・スクール関連の文章やお知らせを発信していけれ…

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 3/3

セルフィ以降のアンディ ── 《ギャングの葬式》と匿名映え 文:中島亮二 ひかえめな鍵盤の小気味よいリズムに複数の声が反響する。高木正勝による楽曲「Andy」(*1)は…

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 2/3

引き延ばされる同一性、ドッペルゲンガーとしての「影」 文:よるの木木 黒地に赤、青地に紺、黒地に黄色、右手に葉っぱのような形が浮かぶ、「ANDY WARHOL KYOTO」展で横…

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 1/3

フラットな顔変換——アンディ・ウォーホル《三つのマリリン》 文:中村昌平 まるで観光地やアミューズメントパークで目にする顔はめパネルのような絵だ。「アンディ・ウ…

クロスレビュー「展覧会 岡本太郎」(大阪中之島美術館)

ダンシング with/as タロウ・オカモト(文:中村昌平) 太刀のように絵筆をたずさえ、そこからぐぅっと右脚に重心をかけ、撫で斬りにするように描く。手首をひねるような…

オンラインレクチャー「ゲルハルト・リヒター展ができるまで」を開催します

9/17(土)19:00- 桝田倫広さん(東京国立近代美術館主任研究員)によるオンラインレクチャー「ゲルハルト・リヒター展ができるまで」を開催します。パンデミックやウクライ…

ロームシアター京都のウェブメディア「Spin-Off」での掲載テキストをまとめました(2021.9-2022.8)

浄土複合ライティング・スクールでは、ロームシアターのウェブメディアSpin-Offにて、修了生がレビューやレポートを執筆・発表するプログラムを継続中です。昨年から一年間…

クロスレビュー「京芸 transmit program 2022」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)

展示空間を散歩する(文:八坂百恵) 巨大な土塊が縦に長い部屋の真ん中に陣取って我々を迎えた。土塊の周辺には土がばらばらと散らばっており、作品の展示領域を広げてい…

夢と記憶の迷宮——森村泰昌 「ワタシの迷宮劇場」展レビュー

吉田理紗 5つの門からひとつを選ぶ。門の横幅は人がひとり、やっと通れるほどしかない。「だぶらかしの門」から、足を踏み入れる。展示室全体は無数の水色のカーテンで仕…

サイドストーリーから見る「ミニマル/コンセプチュアル」展

八坂百恵 「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」展では、造形やコンセプト等から語られる抽象的なメインテーマに対して、…

2023年に公開された受講者による文章一覧

2023年に公開された受講者による文章一覧

浄土複合ライティング・スクールでは、今年も一年、受講者がライティングに取り組んできました。特に今年度から一年間の基礎コースの修了者を対象として、継続的に文章の執筆と発表を行っていく「実践コース」を開講しました。実践コースの受講者を中心に、外部メディアとも連携しながら、選抜した文章を公開しています。

今年2023年に外部メディアで公開された批評や記事を以下にまとめておきます。

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AMeeTで

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展覧会レビュー「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」(京都国立近代美術館)

展覧会レビュー「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」(京都国立近代美術館)

陶芸をめぐるかたちの攻防 

松村大地

皿と壺は同じ形をしている。ろくろの上で回る土の上端を絞れば壺に、開いてゆけば皿になると言えるだろう。陶芸制作の要であるろくろは、必然的に円筒の形を作り出す。その形は、器物としての「用」を陶芸作品にもたらしている。

「走泥社再考」展は、1948年に京都を中心に若手陶芸家たちによって結成された走泥社の半世紀にわたる活動のうち、その前半期25年の活動の全貌を紹

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作品評|佐々木健《授乳室のためのドローイング》

作品評|佐々木健《授乳室のためのドローイング》

授乳室という庭

羽渕徹

キクイモ、アヤメ、ホトトギス、マツバギク、ヒメツルソバ。さらに奥に進むと、アサガオ、ウメ、ナンテン、サルビア、ハナビシソウ、ツバキ、レンギョウ、ハナトラノオ、アガパンサス、センダンと、多様な植物が壁面に直接描かれている──佐々木健の《授乳室のためのドローイング》(豊田市美術館 授乳室、2023年)である。授乳室は、使用中でなければ誰でも入室自由だ。

佐々木と同じく、ウ

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クロスレビュー「ダンスダンスレボリューションズ」(京都芸術センター)2/2

クロスレビュー「ダンスダンスレボリューションズ」(京都芸術センター)2/2

矢印はダンスを踊らない
文:各務文歌

京都の街の中心を流れる鴨川は、両岸に整備された遊歩道や平地を持つ水辺として、人々の憩いの場になっている。景色を楽しみながら歩く人、楽器を演奏する若者たち、疾走する自転車、手を繋ぎ散歩するカップル……穏やかな川べりに人は集い、日々ささやかなドラマが繰り広げられている。

今作「ダンスダンスレボリューションズ」の主な舞台として登場する「いつもの場所」も川のほとり

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クロスレビュー「ダンスダンスレボリューションズ」(京都芸術センター)1/2

クロスレビュー「ダンスダンスレボリューションズ」(京都芸術センター)1/2

踊る言葉、場が呼び起こすダンス
文:神田恵理

スワンはディディが好き、ディディもスワンのことがきっと好き。それでもふたりは不意にワープしたり、ループしたり、ない過去や不確定なこれからを考えたり……空間も時間も超越するほどすれ違いながらも、言葉とダンスで不器用なコミュニケーションを続ける——。『ダンスダンスレボリューションズ』がどのような公演であったのかをできるだけ正確に描写するために、公演前に二

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Review:「すべて未知の世界へーGUTAI 分化と統合」(大阪中之島美術館、国立国際美術館)

Review:「すべて未知の世界へーGUTAI 分化と統合」(大阪中之島美術館、国立国際美術館)

切り裂いてなお、戸惑う──白髪富士子と具体
文:懶い

早くも1955年に制作されていた田中敦子の《作品(ベル)》で大阪中之島美術館の展示は幕を開ける。来場者がスイッチを押しているあいだ、高らかなベルが鳴り響く。同年の第1回具体美術展でも展示され、1階、2階にまたがる会場を音で駆け巡ったこの作品の持つ性質を、白髪富士子はメンバー間の相互批評において次のように的確に言い当てている。

「やかましいベ

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新年のご挨拶&「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」展レビュー寄稿のお知らせ

新年のご挨拶&「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」展レビュー寄稿のお知らせ

2023年、明けましておめでとうございます。
浄土複合は今年5年目を迎えます。
このnoteでは引き続き浄土複合ライティング・スクール関連の文章やお知らせを発信していければと思います。今年はより活発に更新したいですね…

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さて大阪のアートを伝えるウェブサイト「PaparC」に、「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」展(大阪中之島美術館、国立国際美術館)のレビューを寄稿しました。田

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クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 3/3

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 3/3

セルフィ以降のアンディ ── 《ギャングの葬式》と匿名映え
文:中島亮二

ひかえめな鍵盤の小気味よいリズムに複数の声が反響する。高木正勝による楽曲「Andy」(*1)は、大衆に埋もれながら楽天的に居振るまう狂言廻しを思い起こさせる。いわゆる「自撮り」が一般化して久しい私たちにとって、セルフポートレイトを多く残したアンディ・ウォーホルはずいぶんと身近な存在と認識されるのだろう。その意味において、私

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クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 2/3

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 2/3

引き延ばされる同一性、ドッペルゲンガーとしての「影」
文:よるの木木

黒地に赤、青地に紺、黒地に黄色、右手に葉っぱのような形が浮かぶ、「ANDY WARHOL KYOTO」展で横並びに展示された三作は、どれも「影」と題される。著名人から商品ロゴや事件まで、何を示すのか一見わかりやすいアンディ・ウォーホルの作品のなかでは、ぱっと見なんだかわからない「影」シリーズは異色に見える。

光の角度や場所に

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クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 1/3

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 1/3

フラットな顔変換——アンディ・ウォーホル《三つのマリリン》
文:中村昌平

まるで観光地やアミューズメントパークで目にする顔はめパネルのような絵だ。「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」展の顔ともいうべきこの作品がそんなふうに見えてしまうのは、スマートフォンカメラのシャッター音がパシャパシャと鳴り響くこの会場の雰囲気がどこかの観光スポットを想わせるという、ただそ

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クロスレビュー「展覧会 岡本太郎」(大阪中之島美術館)

クロスレビュー「展覧会 岡本太郎」(大阪中之島美術館)

ダンシング with/as タロウ・オカモト(文:中村昌平)

太刀のように絵筆をたずさえ、そこからぐぅっと右脚に重心をかけ、撫で斬りにするように描く。手首をひねるような動きとともに絵筆を離し、体勢を起こし、ぎょろぎょろとした目つきでキャンバス全体を見回す。

展覧会場の一角に設置されたビデオに映し出されていた、制作中の岡本太郎の姿である。どの作品に取り組んでいるのかは定かでなかったものの、この映

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オンラインレクチャー「ゲルハルト・リヒター展ができるまで」を開催します

オンラインレクチャー「ゲルハルト・リヒター展ができるまで」を開催します

9/17(土)19:00- 桝田倫広さん(東京国立近代美術館主任研究員)によるオンラインレクチャー「ゲルハルト・リヒター展ができるまで」を開催します。パンデミックやウクライナ情勢のさなかに展示はいかにつくられたのでしょうか。リヒター展を深く知る機会となるでしょう。ご参加をお待ちしています。

ゲルハルト・リヒター展ができるまで 講師:桝田 倫広
日 時 2022年9月17日(土) 19:00-21

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ロームシアター京都のウェブメディア「Spin-Off」での掲載テキストをまとめました(2021.9-2022.8)

ロームシアター京都のウェブメディア「Spin-Off」での掲載テキストをまとめました(2021.9-2022.8)

浄土複合ライティング・スクールでは、ロームシアターのウェブメディアSpin-Offにて、修了生がレビューやレポートを執筆・発表するプログラムを継続中です。昨年から一年間で6本の文章が公開されています。以下でこれまでの掲載テキストをまとめました。いずれも力作となっていますので、この機会にぜひご一読いただければ幸いです。

「Sound Around 001」公演評 楽器としての身体|文:足利大輔

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クロスレビュー「京芸 transmit program 2022」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)

クロスレビュー「京芸 transmit program 2022」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)

展示空間を散歩する(文:八坂百恵)

巨大な土塊が縦に長い部屋の真ん中に陣取って我々を迎えた。土塊の周辺には土がばらばらと散らばっており、作品の展示領域を広げている。我々は展示領域を侵犯しながら土を踏んで通る以外なく、するとカーペットに絡みついた土をさらに擦りつけることになる。ここで我々は、美術館でお行儀よく作品と対峙する態度から解放され、散歩をするように土塊の周りを歩き、作品を眺めることになる。

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夢と記憶の迷宮——森村泰昌 「ワタシの迷宮劇場」展レビュー

夢と記憶の迷宮——森村泰昌 「ワタシの迷宮劇場」展レビュー

吉田理紗

5つの門からひとつを選ぶ。門の横幅は人がひとり、やっと通れるほどしかない。「だぶらかしの門」から、足を踏み入れる。展示室全体は無数の水色のカーテンで仕切られ、ポラロイド作品が掛かっている。どこからか物語の朗読と電車が走る音が聞こえてきて、その音の正体を探しにゆくが、道に迷ってしまう。通常、美術館で展覧会を見るときは、鑑賞の順路が設けられ、鑑賞者は企画側の意図に沿って視線も動きも誘導され

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サイドストーリーから見る「ミニマル/コンセプチュアル」展

サイドストーリーから見る「ミニマル/コンセプチュアル」展

八坂百恵

「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」展では、造形やコンセプト等から語られる抽象的なメインテーマに対して、「労働」や「生活」といった、より身近で具体的なテーマが各所に浮かび上がる。さらに展示構成により、それらをひとつの流れとして読むことができる。本レビューでは、これをサイドストーリーと呼ぶ。

本展はあくまでもフィッシャー・ギャラリーで

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