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wakimizu
2019年2月15日 00:36
1.遊びじゃないもん全部でも幻星降る夜があったけど桜吹雪が舞ったけど全部本気の幻シャンデリアが揺れた日もカスピ海が凪いだ日も朝目が覚めたのも2.赤い山が一斉に散った。私は貴方のことを必死で思い出そうとしていた。顔もぼやけて輪郭も定かで無い記憶をなんとか辿ると、真夏の匂いがした。途方もない量の懐かしさに意識が混濁し始めて地面に伏せると、目の前が暗転
2019年2月11日 18:33
太陽を映して炎を作ったことのある小さな鏡の欠片電気の通った砂鉄髑髏の粉鮫の内臓毒にも薬にもならないものを入れゴブレット一杯の海水を飲み干せガジュマルの木を切り倒せ揚羽蝶になる前に刺せ頭から喰らえ仮面を付けろ笹の葉を枯らせ垂乳根の綱を千切れ鞠を蹴り潰せ海と山と里の雨と雪と川の飼い馴らした毒を以て苦しむ人々を安らかに平安あれ平
2019年1月26日 00:11
腰紐紮て星降る街を 行けば錦の帯光る唐紅に裾燃やし 夜道を照らせば君恋し北風で夜の孔雀になった頭巾が南目指して飛んでゆく春をただ待ち侘びて月明かり未だ見ぬ花を照らして見えた袂緋に朱に燃えはためけど 凍える指を暖めはせず帰路は月星光灯さず 氷の闇にヒーター恋し
2018年12月31日 03:16
萬・仟・佰・拾参・衣擦れの音に桜や藤を見て拾弐・未だ来ない時代の色を夢想する拾壱・今日が月あしたは日よともどかしく拾・浮き足立ち砂を掃いて絵をえがく玖・青高くから降る色と戯れて捌・今日の地の温もりに任せ溶けてゆく漆・山茶花も椿も判らぬようになり陸・太陽の短さに凍え窓の側伍・橙に灰色の街が負けてゆく肆・ビルの間に間に閃光は行き渡り参・目に焼き付いて
2018年7月18日 23:08
青嵐草叢の足元どこまでも遠くの青に 近付けなくて睡蓮の葉の上を歩いてみたくて子供になっても歩けなくって入道雲遠く私は海の底怖いものなど何もない今浴衣姿「私が夏になる」と言う何もない 夕凪だけを 纏って行くそう言って電話は切れた 暮れかかる川辺の日青鷺飛んで入り赤とんぼまだ飛ばない日暮に伸びてくる影を夕立が攫って途方も無い夏の夜の始まり誘蛾灯の音
2018年7月8日 23:43
何時迄も踊っている訪れた夜は遠い南の風を纏いダチュラの花が異様に芳しい貴方の居る方へ歩みだしても闇は足を何処かへ攫ってしまう何時迄も踊っている散乱したバッグの中身散々観たDVDが再生機器は無いはずなのに寂れた小屋の壁に映る踊る陽炎 日傘 鬼灯踊る陽炎 日傘 鬼灯踊る陽炎 日傘 鬼灯踊る陽炎 日傘 鬼灯アルカイックスマイルどんでん返しを期待している明日はきっ
2018年6月18日 23:37
クチナシの薫る雨が降ってきたらどうしましょう私はもう目を背けることしかできなくていつの間にこんなものを得たのですか少しも欲しくなかった海水を求めてしまうのはどうしても私の性であるので海水をいつでも下さいどうしても私に必要なので体からどうしても鱗が取れないそんな夢ばかり見るのです海からどうしても上がって往けないそんな夢ばかり見るのです砕けている波を手で拾って片口鰯の群れも豹
2018年6月6日 21:19
雨の空に魚を泳がせたい そう言った君の横顔に傘から落ちた雫が光る 泣いているのは僕の方五月雨の 音は優しく 低気圧濡れた手に レインコートは へばりつき紫陽花の 色をした心 スケルトン雨粒と同じ数だけ君想い紫陽花ゼリーを懐かしんでもお昼は自分で考えなくっちゃ私が想いを空に託して 雨と一緒にあなたの上空へ あり得ないようでできるかもしれない そんなことを考える6月雲の上
2018年5月3日 01:57
鐘の音お経パイプオルガン始まりたぐりよせ つながって くちづけて うばわれたよいのなか とおあさに ナガジューひらめき 誘からくれないも やみのなか さらったなみで 消滅鈴長黒髪豊かに水面染め 何を探すか四方八方へ畝る 珊瑚の枝へ 海草へ 底へ向かい絡まる手足の痺れ 先から先まで 研ぎ澄まされる 麻痺する 研ぎ澄まされる 麻痺する霊玉遠き向こうへ 不知火は寂しかろう
2018年4月24日 19:03
お皿の中を極彩色の鳥が飛ぶ幾何学模様が紫色の中を踊るお辞儀をしているバレリーナ吸い込まれそうな薔薇の花 くねった道を飛び回っている若草誰に尋ねられても行き先を教えられない1人で行く時と同じようで気付けば全く違う道だった躑躅色の光を 掌から零して ずっと歩き続ける ずっと歩き続ける染められることを初めて知った髪の先から爪の先まで体の中を流れる気まで染められることを初め
2018年4月23日 13:30
腹の中から捻って出した 殺しのできないアイラブユーが 私の心を引き裂いても 私の命を奪ってくれないだって私は星屑の欠片 早くお空で光りたいのに 私の心は引き裂かれても 私の命は奪われない闇雲に放つ殺人光線 壊れたガラスが寂しげに
2018年3月22日 19:44
一雨毎の暖かさに 私の足がふと止まる耳の中を掻き毟るような 私の好きな音 春浅き遠い霞を吸い込めば宵の薄紅鮮やかに しとやかなりて肌闇の中 白冴えて浮き立つ心地 水鳥の羽ばたきのような 私の好きな音 菜を茹でた 仄く緑に染まる湯を 飲み干して今 我も春なり薄桃山吹風来り
2018年2月2日 01:03
窓の向こうが仄白く カーテンを超えて透けている瓦屋根 電線 小川 白鳥 長い橋 尖塔 曇天を飛ぶ飛行機が鳴る達磨が転ぶ地面が割れる 赤と黄色の折り鶴が 薄墨色の低い空何処を目指して飛んで行く 何処を目指して飛んで行く消したテレビの画面には 黒く広がる向こう側阿弥陀如来とエンジェルが お腹空かせて待っている私の作る料理には いつも少しの愛と毒何時迄も想うのを止めろ意味
2017年9月28日 20:11
闇来りて家路を急ぐ鳥の大群それはヒッチコックの映画で観たときより余裕が無く、只々必死に上空を過ぎて行った。赤色沈む寂しさに暮れて渦巻いた雲に隠れながら少しずつ輝き始める、青い星月の夜がやって来た。永遠に明けない宇宙の夜。今晩は。それでも私達は生活を送らなくてはならない。やりたいことをやる。恋もする。何かを諦めたり、やめたりはしない。いつかまた戻ってきて欲しい。どうか戻ってきて欲しい