ナハトムジーク

お皿の中を極彩色の鳥が飛ぶ
幾何学模様が紫色の中を踊る
お辞儀をしているバレリーナ
吸い込まれそうな薔薇の花  

くねった道を飛び回っている若草
誰に尋ねられても行き先を教えられない
1人で行く時と同じようで
気付けば全く違う道だった

躑躅色の光を 掌から零して ずっと歩き続ける ずっと歩き続ける

染められることを初めて知った
髪の先から爪の先まで
体の中を流れる気まで
染められることを初めて知った
影 匂い 形 空気 色

葉の上に転がった 雫の中に見える空を
2匹の鳩が飛んで行く 飛んで行く

慣れない私は戸惑う
何処に居たらいいの
目を閉じた
振り子の音
重なり

さようならを今 さようならを今一口
さようならを今 さようならを今一口
躑躅色の光を 胸の中にしまって
さようならを今 さようならを今一口

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