灰色に世は暮れ、明けてまた色為すことを


萬・

仟・

佰・

拾参・衣擦れの音に桜や藤を見て

拾弐・未だ来ない時代の色を夢想する

拾壱・今日が月あしたは日よともどかしく

拾・浮き足立ち砂を掃いて絵をえがく

玖・青高くから降る色と戯れて

捌・今日の地の温もりに任せ溶けてゆく

漆・山茶花も椿も判らぬようになり

陸・太陽の短さに凍え窓の側

伍・橙に灰色の街が負けてゆく

肆・ビルの間に間に閃光は行き渡り

参・目に焼き付いて脳青白く眩む

弐・見上げればペテルギュースと目が合って

壱・煙裂くレーザービームを眺む夜


かくて世界はいつまた灰色に戻ろうとも眼差す何者かによって鮮やかに薫ることを許されるのである

しかし今私はただ......


零・鐘が鳴るのを待ち侘びて月明かり

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