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【毒親連載私小説】ほどけない糸

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#モラハラ

【毒親連載小説#74】成人後も続く毒親からの呪縛⑨

【毒親連載小説#74】成人後も続く毒親からの呪縛⑨

私が海外で生活を
始めてからのこと。

当時、私は
中国で生活をしていた。

年末に帰国すると、
そして父は私にいつも
こんな見下した口調で
こう言うのだった。

「お前はなんだって
 中国みたいな国に行ったんだ」

年に一度、
帰省し久しぶりに
顔を合わせても
こんな冷水を浴びせるような
言葉しかなかった。

また両親は私に
「お年玉はないのか」と
お金をせびったり、
私を気遣う言葉はおろか、

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【毒親連載小説#73】成人後も続く毒親からの呪縛⑧

【毒親連載小説#73】成人後も続く毒親からの呪縛⑧

私はいつからか父から
「車で送ってやる」と言われると
内心、ドキッとし緊張していた。

それが繰り返されると
私は父に対してだんだんと
嫌悪感を覚えていた。

また、
父の車に乗るのが
嫌でたまらない理由は
他にもあった。

それは、
父の運転はもともと荒く、
私と一緒に車に乗っていると
いつも何かトラブルを起こす。

雪道を無理に運転して
一度は事故に巻き込まれた
こともあった。

父はタクシー

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【毒親連載小説 #32】国家とわたし 3

【毒親連載小説 #32】国家とわたし 3

日本人のような韓国人。
韓国人のような日本人。

日本人のようで日本人でない。
韓国人のようで韓国人でない。

そして、
私には家にも外にも
どこにも居場所がない…。

大多数の中に属したくても
属せないマイノリティの苦悩。

私は、家庭からも社会からも
完全に見捨てられてしまった
落伍者のような強い劣等感しか
持つことができなかった。

その後、
私は朝鮮学校で民族教育を
受けることになったので

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【毒親連載小説 #28】気づけない父のモラハラ 3

【毒親連載小説 #28】気づけない父のモラハラ 3

それはこうだった。

ある時、母が台所で
料理をしていた時のこと。

父は私たちの前でわざと母に
聞こえるか聞こえないかの声で

「おいお前、また
 パチンコにでも行ってるんじゃないか?」
「またそんなにお酒ばっかり飲んでいるのか?」
「あれ、そのお酒いつ買ったの?」

こう、チクッと一瞬、
針を刺すかのような嫌味や皮肉。

また、他にも食事中などに
母がなにか発言をするたびに、
揚げ足を取る発言

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【毒親連載小説 #27】気づけない父のモラハラ2

【毒親連載小説 #27】気づけない父のモラハラ2

父は昔も今も、
家庭内の問題が起きた時、
本人とは決して向き合わず、
とにかく逃げ回る。

この時も直接、
母と話し合うということから
ずっと目をそらしていた。

そして、父は母には何も言わず、
周辺にいる私たちにこそこそと
陰口のように本人の問題について
話しを始めるのだった。

それと同時に、
父は自分を正当化する「洗脳」を
私たちに始める。
私はこの今も昔も変わらぬ
父の卑怯な行動が
吐き気

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【毒親連載小説 #24】父とわたし 5

【毒親連載小説 #24】父とわたし 5

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何よりもこの事実を認めた瞬間
私という人間はたった数万円の
お金も払ってもらえぬ
価値のない人間であることを
認めるような気がした。

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【毒親連載小説 #23】父とわたし 4

【毒親連載小説 #23】父とわたし 4

私はこの頃、自分の進路を
親や兄弟、誰にも相談できず、
ひとり悶々と悩んでいた。

私が通っていたのは
民族学校だったので、
高校卒業後、
日本社会で就職をするのか?

それはどのような方法でするのか?

それとも、
日本の大学へ進学するのか?
いや、そもそも、私は
何をしたいのだろうか?

私はどうしたらよいのか
全くわからずにいた。

両親は学歴もなかったし、
毎日のように夫婦喧嘩ばかりして

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