インスリン

【napo_fitness】栄養学入門① インスリンとは。あなたも糖尿病予備群かも?体重コントロールの鍵を握るホルモン

久々にダイエットの話です。

カロリー、つまりマクロ栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)の量をコントロールすることが大事だということは、ダイエット入門でお話しました。

では、量さえ守っていればどんなものを食べてもいいのでしょうか?
極端な話、マクロ栄養素の範囲内だからといって砂糖150gとプロテイン200g、オリーブオイル50gを毎日摂取していたら健康なのでしょうか?

直感的に、「そうじゃない」ということはなんとなくわかるかと思います。
では、何がどうダメなのか説明できますか?

それを説明するためには、栄養についてもっと学ぶ必要があります。

これを学ぶことで、

 ・痩せやすい食品、太りやすい食品の違いがわかるようになる
 ・日常の食事において、より健康的な選択をすることができる
 ・悪い情報に惑わされず、自分で調べながらダイエットができる

状態になることを目標とします。


●まず手始めにインスリンの話をします

インスリンとは、「血糖値を下げるホルモン」です。
「血糖値を上げるホルモン」はアドレナリンや甲状腺ホルモンなどいろいろあるのですが、「血糖値を下げるホルモン」はインスリンのみです。

…や、栄養素の話ちゃうんかい!w

これには訳があって、糖質の話をするにあたって「インスリン」や「血糖値」の話を避けては通れません
インスリンを制し、血糖値を制する者こそがダイエットを制すると言っても過言ではありません。

なので、タンパク質、炭水化物、脂質の話をする前にインスリンと血糖値の解説をさせてください。


●インスリンの働き

インスリンには、血液中の栄養素を筋肉や肝臓、脂肪細胞に運ぶことで血糖値を下げる作用があります。

具体的には、以下のようなプロセスが身体の中で起きています。

食事をする

栄養素を身体が分解する

分解された栄養素が血液に流れ込んでくる

血糖値が上がる

インスリンが分泌される

インスリンが血液中の栄養素を身体に行き渡らせる

血糖値が下がる

1.インスリンは筋肉の合成を促進する

インスリンは糖(炭水化物)だけでなくアミノ酸(タンパク質)も運んでくれるため、筋肉をつけるためにはいかにインスリンを分泌させるかが鍵になってきます。
インスリンが働かなければ、トレーニング後にプロテインを飲んだとしてもタンパク質を筋肉に運ぶことができず、筋肉は成長しません。

2.インスリンは体脂肪の合成を促進する

しかし困ったことに、インスリンは体脂肪の合成も促進してしまうのです。
インスリンは脂肪を合成する「リポタンパクリパーゼ(LPL)」という酵素の働きを助けると同時に、脂肪を分解する「ホルモン感受性リパーゼ(HSL)」という酵素の働きを邪魔してしまいます。

●インスリンヒエラルキーとは

ここまで読んでくれた人は、ある疑問が湧いてくることでしょう。

「インスリンが分泌されると、筋肉も体脂肪も増えてしまう…
ってことは結局インスリンって身体に良いの?悪いの?」

大丈夫、インスリンもあなたの身体に意地悪したいわけではありません。
インスリンが効果を発揮する対象には、「筋肉>肝臓>脂肪」という優先順位が存在します。
これを「インスリンヒエラルキー」と呼びます。

筋肉が多い人が太りづらいのは、これが理由でもあります。
インスリンが筋肉に優先的に効いてくれるため、脂肪に効く割合が相対的に低くなるのです。

「血糖値が上がると良くない!」と言いますが、これは血糖値が急激に上がると、インスリンが忙しくなってしまい、筋肉に優先して栄養を行き渡らせる余裕がなく、脂肪にも栄養を与えてしまう、という状況なのです。

↑これめっちゃ大事!!!!!!!!!!

逆に日常的に運動していない人は、インスリンが「なんだこの筋肉、栄養要らないやんけ!」と言って筋肉に栄養を届けず、肝臓や脂肪ばかりに栄養を届けるようになってしまいます。
いわばインスリンヒエラルキーが逆転した状態といえます。

では、インスリンを効きやすくするためにはどうすればいいのでしょうか。


●インスリン感受性とは

インスリンの作用が高まっている状態を「インスリン感受性」が高いといいます。

インスリン感受性を高める方法はいくつかあります。

 ・運動をする
 ・適切な量と質の食事(特に炭水化物)を摂る
 ・サプリメントを飲む

運動後はインスリンが筋肉に働きやすい状態になっています。
体育会系の人たちが練習後におにぎりやバナナを食べるのは、インスリン感受性が高いときに栄養補給をするべきだと経験的に知っているからなのです。

バルクアップ中のボディビルダーは、トレーニング後にプロテインだけでなく、マルトデキストリン等の吸収が早い糖質を摂ってインスリンを分泌させ、筋グリコーゲンの回復と筋合成を促します。


●インスリンと糖尿病の関係性

インスリンが働かないと「糖尿病」の危険性が高まります。

糖尿病とは?
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などを起こすことがあります(糖尿病の急性合併症)。

糖尿病の人は、インスリンがうまく働いてくれない状態のため、外部からインスリンを注射したりします。
(※スポーツ選手がやるとドーピング違反になったりもします)

では、インスリンが働かないとはどのような状態なのでしょうか。


1.インスリン抵抗性が高い
こちらはインスリンの”質”の問題です。

インスリン感受性が低いことを、インスリン抵抗性が高いと言ったりもします。
インスリンが分泌されているにも関わらず、うまく働いてくれない、つまり血液中の栄養がうまく身体に行き渡らない状態です。

上述の方法の反対、つまり

 ・運動をしない
 ・常識から外れた量と質の食事(特に炭水化物)を摂る
 ・栄養状態が悪い

以上の状態が続くとインスリン抵抗性が高まってきます。

2.インスリンが正常に分泌されない
こちらはインスリンの”量”の問題です。

インスリンは膵臓で作られます。
糖質の過剰摂取によりインスリンが大量に分泌される状態が長く続くと、膵臓が過労状態になり、インスリンを作る働きが弱くなってしまいます。
インスリンが不足していると糖が身体に運ばれず、血液中にあふれてしまいます。


●インスリンの働きを高めるサプリメント

サプリメントでもインスリン感受性を高めることができます。

・炭水化物をいっぱい食べたいけど太りたくない人
・ボディメイクのために、効率的に栄養を身体に行き渡らせたい人

なんかは参考にしてみてください。

1.αリポ酸
筆者の2019年No.4サプリ。
インスリン感受性といったらαリポ酸みたいなところがあります。

αリポ酸は、脳の視床下部においてAMPKの活性を低下させ、筋肉細胞ではAMPKの活性を上昇させます。
前者においては食欲を抑える作用、後者においてはインスリン感受性を高める作用が期待できます。

2.アルギニン
アルギニンといえばNO2系サプリの代表で、トレーニーにも非常に人気のサプリです。

血流を促す作用ばかりが注目されがちですが、
・アルギニンのプラスイオンが直接的に「脱分極」を起こし、インスリンが分泌される
・アディポネクチンを増加させ、インスリン感受性を高める

といった効果も期待できます。

摂取するのであれば、アルギニンの前駆体であるL-シトルリン、特にエビデンスレベルが高いシトルリンマレートがおすすめです。

3.亜鉛
ミネラルはホルモンの材料になったりしますが、まさに亜鉛はインスリンの材料となります。
つまり、亜鉛が不足するとインスリンが作れなくなってしまいます。
インスリンは二つのペプチドから作られており、亜鉛はその二つの鎖を繋げる役割を担っています。

亜鉛は単体ではなく、ZMAとして摂取することをおすすめします。

4.シナモン
スパイスの一種でもあるシナモン。
シナモンエキスがインスリンレセプター(受容体)の数を増やしたり、ケイヒアルデヒトがGLUT4の動きを活性化する働きがあります。

シナモンは古くから漢方薬として用いられており、抗酸化作用血流改善効果も期待できるため、筆者はコーヒーやオートミールと一緒に毎朝摂取しています。


●まとめ

・インスリンとは栄養を運び、血糖値を下げるホルモン
・血糖値を急激に上げるのは危険
・インスリンが働かないと栄養不足や肥満、糖尿病に繋がる
・インスリンを働かせるためには正しい食事と運動


●終わりに

これから栄養素の話をするにあたって大事なインスリンの話をしました。
最低でも、まとめの部分だけでも覚えておいてください!

インスリンと上手く付き合うことが、体重をコントロールするための鍵になってきます。
次回以降はいよいよマクロ栄養素、タンパク質・炭水化物・脂質の中身についてお話していきます。



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