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夜の炭水化物はOK?NG?ダイエットヒエラルキーについて

「ダイエットのためには夜に炭水化物を摂らないようにしましょう!」
とよく聞きますよね。
これって正しいのでしょうか?正しいとしたら、何故なのでしょうか?

今回は、ダイエットにおける優先順位を【ダイエットヒエラルキー】としてお話していこうと思います。


●「夜の炭水化物」は確かに太る原因の一つになる

まず結論ですが、「夜の炭水化物」は確かに太る原因になります。

炭水化物、特に糖質を摂取すると、糖質はグリコーゲンとなり肝臓や筋肉に蓄えられます。
グリコーゲンは身体を動かすエネルギー、いわゆるガソリンのような働きをします。

夜って、基本的に動かないですよね。
朝は食べたら一日動くのでエネルギーを消費しますが、夜食べたらほとんどの人はあとは寝るだけです。

ガソリンを補給しても、使わなければ意味がありません。
人間の場合、使わないのにガソリンを補給してしまうことがデメリットになり得るのです。

車にガソリンを積んでいてもあまりデメリットにはなりませんが、小売店が在庫を抱えることはデメリットになりますよね。
そんな感じで、消費する予定がないのにエネルギーを補給すると余剰在庫が生まれ、それが体脂肪の減少を妨げたり、体脂肪の増加を招いたりするわけです。


●ダイエットには優先順位がある

では「朝は消費するから大丈夫!」といって、白米を3合食べたりしてもいいでしょうか?清涼飲料水をガブ飲みしても良いのでしょうか?

なんとなくダメだということはわかると思います。
「食べる時間」は確かに一つの要素ではありますが、その他にも「食べる量」「食べる内容」などいろいろ考えることはありそうです。

それを表したのが「ダイエットヒエラルキー」

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ダイエットヒエラルキーは、数々の研究や筆者の経験からダイエットにおける優先順位を定義したものです。
下にいくほど大事で、上にいくほど優先順位が低くなっています。

ではなぜこのような結論になったのか、一つずつ見ていこうと思います。


●カロリー収支

カロリー収支は一番大事。

基本的にダイエットは
消費カロリー>摂取カロリー
になれば必ず痩せます。

逆に、
消費カロリー<摂取カロリー
で痩せることは絶対にありません。

いくら食事の時間に気をつけようと、いくらPFCバランスが整っていようと、消費カロリーと摂取カロリーの収支が全て

これは誰がどう見ても事実ですし、「カロリーを無視していい!」なんて言うトレーナーがもしいたらその人は詐欺師か教祖です


●PFCバランス

次に大事なのが、PFCバランス。
PFCバランスとは、三大栄養素であるタンパク質・脂質・炭水化物が摂取カロリーのうちどれくらいの割合を占めているかを示すもの。

1gあたりのカロリー
タンパク質…4kcal
脂質…9kcal
炭水化物…4kcal

消費カロリーが摂取カロリーを上回っていても、その全てが炭水化物だったり脂質だったりPFCバランスが崩壊すると様々なデメリットがあります。
(心疾患リスクの増大、免疫力の低下、頭が働かなくなる、筋肉減少による代謝の低下など)

基本的には、カロリーベースでタンパク質20%・脂質30%・炭水化物50%が理想といわれています(正確には、人や食生活にもよります)。

詳しくは【ダイエット入門シリーズ】でPFCの大切さ、ダイエットに最適なPFCバランスを解説しています。


●食事内容

3番目に大事なのが、食事内容。

例えば、カロリーとPFCバランスさえ守っていればどんなものを食べてもいいのでしょうか?
極端な話、マクロ栄養素の範囲内だからといって砂糖150gとプロテイン200g、オリーブオイル50gを毎日摂取していたら健康なのでしょうか?

直感的に、「なんとなくそうじゃない」ということはわかるかと思います。

脂質にもいろいろな種類の脂質があり、質の良し悪しがあります。
炭水化物も、タンパク質も同じ。

詳しくは【栄養学入門シリーズ】で三大栄養素の良し悪し、健康な食材の選び方などを紹介しています。

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●食事回数

次に大事なのが、食事回数。
というかここからは大事というより「より効率良くダイエットするなら」という次元の話になってきますが…

食事をすると、私達の内臓は栄養を消化します。
一度で大量に食べてしまうと、消化に負担がかかり、栄養がうまく吸収できないことがあります。

具体的には、筋肉や肝臓に行くはずのグリコーゲンが体脂肪にいってしまったり。
これは「インスリン」というホルモンの働きによるもので、ドカ食いは肥満や糖尿病の原因になります
→インスリンについて

あるいは、小腸で消化されるはずのタンパク質を消化しきれなかったり。
タンパク質の摂取は一度に20-40g程度が最も効率がいいことがわかっています。

例えば一日に150gのタンパク質を摂取するとした場合、
50gを3回よりも、30gを5回摂取するほうが筋肥大に効果的ということです。

以上の理由から、食事はできるだけ小分けにして回数を増やしたほうがいいことが示唆されています。
本気でボディメイクをする人は、3回よりも4回、5回と摂る人が多いです。

もちろん、カロリーやPFCバランスを保った上での話です。
食事の回数を増やしたせいで摂取カロリーも増えてしまえば、当然太るので注意。

ちなみに、昔の力士はとにかく身体を大きくするために一日2食がっつり食べて稽古するのが一般的でした。
科学的な正解がわかってきた近年でも同じことをやっているかはわかりませんが…

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●食事時間

その次に大事なのが、というかここまできたら大事というか追加的な要素になりますが、食事時間も一定の効果はあります。

この記事の最初に言った通り、活動量が減る夜に炭水化物を摂取すると、エネルギーとして使われず体脂肪として蓄えられる割合が高くなります

逆に、朝の時間はインスリン感受性が高く、炭水化物をエネルギーに替えやすい時間帯といわれています。
巷の栄養士が「朝ごはんを食べよう!」と言っているのはこういう理由もあるからです。

一方、タンパク質は夜に摂ったほうがいいこともあります。
睡眠時間中の筋合成を阻害しないためです。

タンパク質は小腸で分解され、アミノ酸になります。
分解されたアミノ酸は血液に運ばれて全身に行き渡り、筋肉の材料になります。

血中アミノ酸濃度は食後数時間で元に戻ってしまうため、例えば20時に食事をしたとしたら、寝る前には血中アミノ酸濃度が低い状態になっているのです。
これを防ぐために、例えば寝る前の24時にプロテインを飲むなどして血中アミノ酸濃度が低い時間を減らすことも筋肥大において大事になります。

最近流行りのインターミッテント・ファスティング(16時間断食して8時間で食事をするダイエット方法)も一定の効果はありそうです。
ただし、断食そのものよりも、断食によって結果的にカロリー収支が改善したなどの副次的効果のほうが大きいのではないかと個人的には思っています。

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●必要条件と十分条件

これらのヒエラルキーがなぜ存在するかというと、それぞれが必要条件と十分条件の関係にあるからです。

必要条件と十分条件とは、2つの要素間の条件や含意関係を表した概念です。

ナンノコッチャ…

わかりやすいように、「カロリー収支」と「PFCバランス」で考えてみます。

「カロリー収支」がマイナスであれば、「PFCバランス」が崩れても痩せることはできるでしょう。
しかし、いくら「PFCバランス」が整っていても、「カロリー収支」がプラスになってしまったら痩せることはできません。

よって、
「カロリー収支」は、「PFCバランス」の必要条件
「PFCバランス」は、「カロリー収支」の十分条件
ということができます。

「カロリー収支」と「PFCバランス」だけでなく、他の項目についても同様の関係があります。

本来であれば必要条件と十分条件は「野菜」と「にんじん」、「都道府県」と「北海道」のような形で使うのですが、理論上こういう関係になっているという理解のために説明しました。

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●まとめ

優先度が高い順に
・カロリー収支
・PFCバランス
・食事内容
・食事回数
・食事時間

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