- 運営しているクリエイター
#読書感想文
25年前に見えていた資本主義の未来|「文化資本の経営」|きのう、なに読んだ?
『文化資本の経営』は1999年に世に出た本だ。著者の福原義春さんは、1997年まで10年間、資生堂の社長をつとめ、その後も同社の会長、名誉会長であった。本書は絶版になっていたが、このたび復刻出版された。(私も推薦の言葉を寄せた。)
25年前の経営者が書いた本にいま、私たちが注目すべき理由はなにか?
25年前に提言されていたパーパス、ESG、人的資本いま本書に注目すべき理由、それは、パーパス、E
身体、心、考え、言葉 | 「編めば編むほどわたしはわたしになっていった」(三國万里子) | きのう、なに読んだ?
三國真理子さんは人気のニットデザイナーだ。編み物の本を出版したり「気仙沼ニッティング」の商品デザインを手掛けている。その三國さんのエッセイ集「編めば編むほどわたしはわたしになっていった」の内容は、ニットとほとんど関係ない。新潟で育った子供の頃のエピソード、家族のこと、そして最近の暮らしのことまでがつづられているが、自伝とも違う。
三國さんは、記憶にある場面をショートフィルムのように読み手に見せて
人生100年時代の社会に対する創意工夫 ("The New Long Life" 『LIFE SHIFT 2』リンダ・グラットン) | きのう、なに読んだ?
リンダ・グラットン&アンドリュー・スコットの新著「The New Long Life」を読みました。2016年に出版された「ライフ・シフト」(The 100-Year Life) の続編です。
「人生100年時代」というフレーズは、もはや目新しくもないほど、頻繁に耳にするようになりました。その発端となったのが、リンダさんたちの前著「ライフ・シフト」でした。リンダさんは2017年には安倍首相の諮問
この状況は私たちに何を問うているのか(「夜と霧」) | きのう、なに読んだ?
緊急事態宣言が出るのか出ないのかヤキモキしていた2020年3月末から4月上旬にかけて、「夜と霧」を読んだ。
ちゃんと読むのは初めてだ。これまで、本書の内容についてきく機会は数多くあったが、何となく手にとらずにいた。新型コロナウイルスの影響で外出を自粛するようになり、初めて自分ごととして読もうという心構えができたのだろう。
本書の前半では、収容所の過酷な様子、収容された人々が身体的・精神的に追い
リーダーの行動は練習から(「0秒で動け」) | きのう、なに読んだ?
中竹竜二さん(日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター)と「ティール・ジャーニー・キャンパス」というイベントで一緒に登壇させて頂いた。そこで印象に残った中竹さんのことばに
「しっかりした会社は、『練習』と『試合』の区別がしっかりついている」
というものがある。スポーツとビジネスは違うと言うけれど、結構似てますよ、とスカッとおっしゃっていた。
伊藤羊一さんの「0秒で動け」は、1年以上