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読書記録

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気が向いたときだけ書く読書記録。たまに映画も。
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アハロン・アッペルフェルドを思う

アハロン・アッペルフェルドを思う

 ここ数ヶ月、国際ニュースを見るたびにアハロン・アッペルフェルドの作品群を思い出す。八歳の時ひとりでウクライナの収容所から逃げ出して二年以上を森で生き抜き、赤軍に入った後脱走、十五歳の時パレスチナに渡ってからヘブライ語を学び始めてヘブライ語で書く作家になった人。
 
 もし彼が生きてたら、今の状況を見てどう言うのか…と思うものの、イタコじゃないから彼が考えるだろうことが私に分かるわけが無い。勝手な

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佐藤友陽一『動物園を考える』(東京大学出版会)感想メモと、日本平動物園の写真。

佐藤友陽一『動物園を考える』(東京大学出版会)感想メモと、日本平動物園の写真。

 多摩動物公園に行ったあと図書館で借りてきた本を読み進め中。著者は日本平動物園に勤務していた人。
 動物園は動物が飼い殺しにされてるから可哀想、という気持ちは動物園に行くほど動物が好きな人ならほとんど誰でも抱くはずのもの。
 その「可哀想」を、動物園に行くたびに心の奥の見えないところに押しこめないといけないのは結構な心理的負担だと私は感じる。なのに年間パスを買ってしまった。
「可哀想」だけで終わら

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読書日記ログ(2023年11月)古本屋奇談収集家、ハングル講座、血の池蓮、佐野洋子、川本喜八郎

読書日記ログ(2023年11月)古本屋奇談収集家、ハングル講座、血の池蓮、佐野洋子、川本喜八郎

2023/11/23

 伝承料理研究家の奥村彪生さんの追悼記事より。まともなこと言う人だなあ…。知らなかった人だけど、図書館で探して読んでみよう。

2023/12/21

 윤성근著『헌책방 기담 수집가(古本屋奇談収集家)』読み進め中。
「本を探す代わりに、その本を探す理由を話してもらう」という方針の古本屋である著者が集めた「本と、それを探す人」の実話たち。

 1冊目のエピソードは1963

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読書日記ログ(2023年10月)韓国猫エッセイ、To the Edge of  Sorrow、ささめごと、清宮質文、など

読書日記ログ(2023年10月)韓国猫エッセイ、To the Edge of Sorrow、ささめごと、清宮質文、など

 マストドン(羊の時刻(荻サカエ) (@hitsujinojikoku@mstdn.nijist.info) - nijist.info(β))のログの中から、読書関係のつぶやきを抜き出してコピペ。

2023/10/06

 韓国語の辞書を日韓・韓日両方入ってるポケット版からもっと大きい韓日オンリーのやつに買い換えたら勉強の楽しさが爆発的に上がった。

「アミの塩辛を四等分した分け前のひとりぶん

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読書日記ログ(2023年8月)アッペルフェルド、植田正治、メイドインアビス、香山哲、など

読書日記ログ(2023年8月)アッペルフェルド、植田正治、メイドインアビス、香山哲、など

 マストドン(羊の時刻(荻サカエ) (@hitsujinojikoku@mstdn.nijist.info) - nijist.info(β))に時々書く読書関係のつぶやきを、あとで読み返しやすいようにこっちにコピペ。

2023/08/25

 巻末にインタビューがついてるとは知らなかったから嬉しかった。
 アッペルフェルド、邦訳は2冊しか出てないけど少なすぎると思う。せめて『The Iron

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読書日記ログ(2023年9月)馬場のぼる、ボルヘス、ハングル講座テキスト

読書日記ログ(2023年9月)馬場のぼる、ボルヘス、ハングル講座テキスト

 読んだ本の短い感想や、前に読んだ本のちょっとした思い出話なんかは最近はmastodon(羊の時刻(荻サカエ) (@hitsujinojikoku@mstdn.nijist.info) - nijist.info(β))に書くことが多いのだけど、それだとあとで読み返したいとき探すのが大変なのでこっちにコピペして残すことにした。

 仙台文学館で馬場のぼる展を見たとき、大きなサイズで壁画みたいに展示

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映画『パラダイス・ナウ』のこと。

映画『パラダイス・ナウ』のこと。

 最近のニュースを観ていると、昔観た映画『パラダイス・ナウ』のことを頻繁に思い出す。
 ずっと前に一度観たきりだからこまごまとしたことは覚えていないのだけれど。
 ヨルダン川西岸で貧しく切羽詰まった生活を強いられている若者ふたりが、組織にイスラエルでの自爆テロを命じられて胴体に爆弾を括りつけられ、実行に移るのだけどアクシデントに見舞われてなかなか自爆できず...、というストーリーだった。
 未来も

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高橋和夫先生の本とAharon Appelfeld のエッセイ読み返し。

高橋和夫先生の本とAharon Appelfeld のエッセイ読み返し。

 放送大学に入学して、いろいろ講義をお試し視聴しているなかで高橋和夫先生の講義を観て、いっぺんにファンになってしまって買った本。読書ノートを見ると買ったのは今年の3月。
 まさかこんなに急に事態が悪化するなんて、この本を読んでるときには思いもしなかった。
 悲惨な映像ばかり観ていても心が麻痺するだけだから、ニュースの動画はあまり見ないようにして、BBCの記事を読むだけにして、それと並行してこの本を

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『禅 心をかたちに』図録購入。

『禅 心をかたちに』図録購入。

 七年前に見た展覧会の図録をようやく購入。表紙が折れてるからか安かった。
 あの日はほかにもいくつかハシゴしたあとで、それらの図録でバッグがすでに限界突破してたから(特に『クラーナハ展』の図録が豪華でゴツくて大変だった)泣く泣く購入を見送って、周文の「十牛図」(かわいい)のポストカードだけ買って帰ったんだった。
 でもあの展示ほんと面白かったな...と折に触れ思い出してたので、やっと買えて嬉しい。

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「人間のクズだからです。」(62ページ例文)

「人間のクズだからです。」(62ページ例文)

 NHKラジオ『まいにちハングル講座』のテキスト(8月号)、例文がどれも強烈で読むのが楽しい。

「人間のクズだからです。」(p.62)
「すべてばれてしまったわ」(p.78)
「長く生きられません」(p.54)
「責任取って!」(p.59)
 
 追い討ちをかけるみたいに疑問形も載ってた。

「人間のクズですよね?(인간쓰레기죠?)」

 NHK語学講座のアプリも久しぶりに入れてみた。
 杉田敏

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映画『ヒトラーのための虐殺会議』感想。(ネタバレあり)

映画『ヒトラーのための虐殺会議』感想。(ネタバレあり)

 邦題がださいのが気に入らない(原題のまま『ヴァンゼー会議』でいいと思う)けど、これって『謀議』のリメイクなのかな、と思って視聴。
『謀議』(2001)は佐野洋子のエッセイ『役に立たない日々』で紹介されていたのを見て以来ずっと観たいと思いながら叶っていない、BBCのテレビ映画。以下抜粋。

“私が今まで見た戦争映画? でいちばん恐ろしかったのが、『謀議』という映画だった戦場など一シーンも出てこない

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映画感想『奇跡の人』

映画感想『奇跡の人』

 べつにヘレン・ケラーのファンでもなんでもないけど、サムネ画像が白黒でかっこよかったので試しに再生。つまらなかったら途中でやめればいいつもりで。
 結果、最後まで見入ってしまった。
 この映画は、「偉人の伝記は“退屈そう”と思われがち」ということを見越して作られたのかもしれない。
 偉人の伝記がなぜつまらなさそうに思われるのかをしっかり考えて、その逆を実践したのかも。

 私が思うに、
偉人伝が退

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買った本の記録(2023年6月11日)

買った本の記録(2023年6月11日)

 ウー・ウェン『北京の台所、東京の台所』と、『杉浦日向子ベスト・エッセイ』どちらもちくま文庫。

 ウー・ウェンさんのレシピは粉からこねさせられるから使ったことは無いのだけど、ぱらっと立ち読みしてみて文章が好きだなと思って購入。みすず書房の『中国くいしんぼう辞典』とか『味の台湾』とか、漢字の国の料理の話ってぜんぜん知らない料理でも字面だけで美味しく読めて楽しい。

 杉浦日向子のちくま文庫はだいた

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赤い頭のエン/韓国ネコマンガ読書。

赤い頭のエン/韓国ネコマンガ読書。

 近頃ごくごくマイペースで韓国語を勉強している。

 ネコについてのエッセイつき写真集を買って辞書を引きながら読んだり、ネコとの生活について描いている漫画をインスタでフォローして読んだり。興味のあることを入口にすれば嫌にならずに頑張れるかなと思う。

 インスタの猫マンガは書籍よりも現地のスラング? 流行り言葉? らしき単語や言い回しがちょくちょく出てきて、辞書を引いても分からないことも多い。
 

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