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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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2023年12月の記事一覧

炎上のラストエンペラー

炎上のラストエンペラー

「ヴィルヘルム二世」という人がいました。
1859年に生まれ、1941年に死去した。

「ドイツ帝国」の第三代皇帝にして、
最後の皇帝!
第一次世界大戦が起こった原因の一人、
元凶だ、ともよく言われている。

…もちろん世界大戦は、
色んな状況と要因が複雑に組み合わさって
最終的に起こったことですので、
彼一人の責任ではない、とは思います。

しかし、彼が世界の至るところで
「炎上」をさせなければ

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ソールズベリー ~日英同盟の頃の首相~

ソールズベリー ~日英同盟の頃の首相~

19世紀のイギリスは「大英帝国無双」、
世界各地に植民地を広げていました。

本国~エジプト~インドに、南アフリカ。
カイロ、カルカッタ(現コルカタ)と
南アフリカのケープタウン!
頭文字を取って「3C政策」。
世界的な政策を推進していたのです。

…しかしこれに「追いつけ追い越せ」の
新興国がいた。アメリカ合衆国とドイツ。

アメリカは19世紀半ばに南北戦争が終結し、
19世紀末には西のフロンテ

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龍馬亡き後の陸奥 ~実は波乱万丈~

龍馬亡き後の陸奥 ~実は波乱万丈~

陸奥宗光は「むつむねみつ」と読みます。
「かみそり大臣」とも呼ばれた
切れ者の外務大臣として名が残る人物!

日本史の教科書風に言えば、

という実績がある人です。

…しかしですね、この人、
「坂本龍馬の同志(兼パシリ)」として
知られていることも多い。

坂本龍馬は、まあ、超有名人です。
彼がつくった亀山社中・海援隊に加わり、
龍馬とともに行動した。
「(刀を)二本差さなくても
食っていけるの

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鬼人事ゴンベエ、協調し勝ちを制す

鬼人事ゴンベエ、協調し勝ちを制す

山本権兵衛、ごんべえ、という人がいます。

1852年に生まれて、1933年に死去した。
ペリーの黒船来航の前年に生まれて、
満州事変の二年後に死去した。
幕末~明治~大正~昭和初期を
生き抜いた人。

…この人、今一つ、知名度が低い。

なぜならば、二回も総理大臣を
務めたにもかかわらず、
「シーメンス事件」「虎ノ門事件」という
事件の責任を取る形で
自分の内閣を早々に終わらせたから。

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「光栄ある孤立」の盛衰 ~パックス・ブリタニカの外交~

「光栄ある孤立」の盛衰 ~パックス・ブリタニカの外交~

19世紀のイギリスの外交、その変遷!
そこは「歴史の教訓」の宝庫とも言えます。

世に名高い「大英帝国」。
グレートブリテンの栄光、すなわち
「パックス・ブリタニカ」
と呼ばれる世界が出来上がっていきました。

…21世紀に生きる私たちは、
20世紀の「第一次世界大戦」によって
この世界秩序が崩壊し、
「第二次世界大戦」後には多くの国が独立、
世界が変わったことを知っています。

ただ、だからこそ

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14歳でケンブリッジ、24歳で首相

14歳でケンブリッジ、24歳で首相

「いやいや、そんな人、マンガじゃあるまいし、
いるわけないじゃないですか!
『主人公補正』にもほどがあるのでは?」

…そう思いましたか?

ケンブリッジ大学と言えば、英国の名門大学!
そこに14歳で入れるわけがない。
その後24歳で首相というのもありえない。

…それがですね、いるんですよ。歴史上で。
フィクションでは、ない。

実は14歳でケンブリッジ大学入学、
という人は、最近にも一人いるそ

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摂政ダイヤモンドが見たもの

摂政ダイヤモンドが見たもの

ダイヤモンドは永遠の輝き…とは言いますが、
世に名高いダイヤは数奇な運命を
辿ることが多い。

ダイヤモンドは、とても硬いものです。
揺るぎない。
何者にも侵されない!
周りの者たちが諸行無常の変転を経る中で、
その輝きをずっと保ち続けます。

不易と流行。
変わらないものと、変わっていくもの…。

そんな歴史の一ページを、
「摂政ダイヤモンド」と呼ばれる一つの
ダイヤに託して紹介してみたいと思い

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あすたび

あすたび

茨城県の水戸市の、とある旅行会社を紹介します。

アーストラベル水戸株式会社。
代表取締役は、尾崎精彦(おざききよひこ)さん。

尾崎さんは、代々続くこの会社を
跡取り息子として承継した…わけではありません。
「第三者承継」として、引き継いだ方です。

元々は「個人事業主」として
アーストラベルに関わっていた方。
そこに「会社を承継しないか」という話が
持ち上がってきました。

周りには経営者の仲

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ネイボッブと「カレー」の起源

ネイボッブと「カレー」の起源

日本のカレーの起源は、イギリスから。
インド直輸入、インドから直接ではない。

インドで食べられていた
「スパイシーな香辛料を使った料理」が、
インドを植民地化していった
「大英帝国」イギリスにもたらされ、
「カレー(カリ)」となって、

それが明治維新期の日本に
イギリス人、欧米から紹介されて、
「カレー」という料理として
日本全国へと広まっていった…。

ワンクッション、挟まっている。
イギリ

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日本史で言えば関ヶ原 ~インドのパーニーパット~

日本史で言えば関ヶ原 ~インドのパーニーパット~

「天下分け目の合戦」の場所!
…と言えば、関ヶ原(せきがはら)が
思い浮かぶのではないでしょうか?

岐阜県。昔の国名で言えば美濃(みの)。
東日本と西日本の境。
ここで1600年に「関ヶ原の戦い」が
行われたのは有名な話。

ただ、1600年だけではない。

672年の古代日本、
「壬申の乱(じんしんのらん)」では、
大海人皇子が関ヶ原の「不破道」を閉塞します。
これにより敵である大友皇子は

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よく知っている歴史から比較 ~江戸幕府とムガル帝国~

よく知っている歴史から比較 ~江戸幕府とムガル帝国~

「実用地歴提案会ヒストジオ」とうたって
記事を書いたりしている私ですので、
本記事では「実用」できる
地理や歴史を提案してみます。

「よく知っている歴史から
他の歴史にあてはめて比較する」方法です。
要は、自分の中で比較的なじみのある歴史を、
他の似たようなものにあてはめていく方法。

まさに、その通り!

歴史も地理も一つとして
「完全に」同じものはありません。
どこかは違う。絶対に違う。

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世界遺産フマユーン廟 ~ムガル帝国第二代皇帝の軌跡~

世界遺産フマユーン廟 ~ムガル帝国第二代皇帝の軌跡~

インドのデリーに「フマユーン廟」があります。
有名な「タージ・マハル」にも影響を
与えたと言われる墓廟です。
フマユーン、という人のお墓!

…彼は、どういう人なのでしょう?

フマユーン(フマーユーンとも)は、
北インドのムガル帝国の第二代皇帝です。

そうですね。
ムガル帝国は1526年から1858年、
主に北インドで約三百年ほど栄えた帝国です。
日本史で言えば、戦国時代~江戸時代。
この帝国

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貴族院の怪物 ~水野直(みずのなおし)~

貴族院の怪物 ~水野直(みずのなおし)~

水野家は、江戸時代の名家です。

何しろ徳川家康の母方の実家なのです。
家康の母親「於大の方」は
水野家から、松平家に嫁いできた。
織田家の尾張と、徳川家の三河。
その間の地域で勢力を伸ばした家。

織田信長と徳川(松平)家康の
同盟を仲立ちしたのは、
水野家の「水野信元」という男でした。

(大河ドラマ『どうする家康』では
寺島進さんが好演していましたね)

織田家と今川家、尾張と遠江との間、三

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戦国最強のフリーター、水野勝成

戦国最強のフリーター、水野勝成

前田慶次を越える「倫魁不羈」(りんかいふき)。
あまりに凄すぎて、誰も縛れない!
そんな『三国志の呂布』的な豪傑が
戦国時代の日本にいました。いたんですよ。
フィクションではなく、実在の人物。

水野勝成(みずのかつなり)という武将です。

徳川家康のいとこ。
ただ、家康が将の中の将、
「天下人」になったのに対し、
この人は「一武将」として
最強を目指した感じがあります。

1564年に生まれる。

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