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【Open Letter】寛生とテルの往復書簡

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2019年11月の記事一覧

【Open Letter】寛生からテルへ、3通目。(2019/11/18)

【Open Letter】寛生からテルへ、3通目。(2019/11/18)

拝啓 テル様

冬の訪れがどうしても厳しいから、挫けちゃいそうだから、北半球の人類は、ハロウィン→クリスマス→正月と季節イベントを立て続けに仕込んで、ワイガヤすることで体内温度を維持する生物種なのだという仮説を流布する季節ですが、お元気ですか。

そして、冷気に挫けた僕が言います。「逆に、湯冷めしそうだからみんなで銭湯行くのは止めようか」と。しかしそんな発言自体が、むしろ心持ちの寒々しい発想で、逆

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【Open Letter】テルから寛生へ、2通目。(2019/11/12)

【Open Letter】テルから寛生へ、2通目。(2019/11/12)

拝啓 寛生様

季節は唐突に昨日を殺し、山手線の向こう側を明日と名付けて体温を奪おうとします。つまりウィンターイズビーイングカム、冬が来られる。私は徹底的に冬を敵視している、そういうふりをしたり少なくともポーズを取っているのだから、貴方もその辺の事情を汲んで一緒に香港でそういう趣旨のデモをしてくれたらいいなと思っています。

お返事ありがとうございます、とでも言うと思ったかこのタピオカ排泄ルーティ

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【Open Letter】寛生からテルへ、2通目。(2019/11/9)

【Open Letter】寛生からテルへ、2通目。(2019/11/9)

拝啓 テル様

秋空に泳ぐ鱗雲を見上げた愛猫は、舌舐めずりでしょうか。またはあまりに空が高いから、改札口の向こう側に恋人の背中を見届けるような寂寥の眼差しでしょうか。貴方の返信は、そんな孤高な秋空のようで、僕の想定の標高を軽く超えてくれる素晴らしいものでした。往復書簡の有り難さと温もりで冬を迎えられそうです。

あの怪奇な夜、渋谷の街に繰り出したマウンテンゴリラは、喧騒の道玄坂を登り切ったあたり、

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【Open Letter】テルから寛生へ。(2019/11/2)

拝啓 ヒロキ様

あれほどまでに愛しかった平成を踏み抜いて令和を得たというにもかかわらず一向に成長しない、変わらない、変わろうとしない、いや変わろうとするふりだけはするがそんなつもりは毛頭ない、僕をどうか優しくティッシュで包んで棄ててはくれませんか。

貴方の云う水溜まりとは私の記憶では西原小学校に音楽の教諭として赴任されていた水田まり先生を指していることなどまるっとお見通しなのですが、私が彼女に

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【Open Letter】寛生からテルへ。(2019/10/31)

拝啓 テル様

土砂降りを眺める度に『天気の子』を想い、降り止まぬ雨粒は「若者たちの怒りの涙かもしれないなぁ」と思案する秋霖の折ですが、テルは直径2メートル超の水たまりを前にしていかがお過ごしですか。

今宵はハロウィンだそうです。「ジョーカー」のメイクで小躍りする若者をリーチマイケル面のサラリーマンがタックルするのでしょうか。テレビ局は今年もスクランブル交差点で煽動的な中継をするのでしょうか。「

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