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【取材記事】

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note用に執筆した取材記事です。 スポーツ、まちづくりなどテーマは幅広く。 人に響く、人を動かす記事を書いていきます。
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記事一覧

コロナ禍と音楽| 「弦楽器の新たな地平を拓きたい」 ヴァイオリニスト・吉田篤貴の試練と描く未来

コロナ禍と音楽| 「弦楽器の新たな地平を拓きたい」 ヴァイオリニスト・吉田篤貴の試練と描く未来



先月(6月)、東京・渋谷の地下駐車場。その奥まった場所にある音楽ホールで、ミュージシャン2人による演奏会が開かれた。

しかし本来いるはずの「観客」は1人もいない。あったのはカメラやビデオ、PCなどの配信機材。これらを使い、「カメラの向こうにいる観客」に音楽を届ける。

新型コロナウイルスの影響で、多くの演奏する場が失われる中、徐々に広がりを見せている「配信ライブ」の試みがこの日、行われたのだ

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《夢に賭ける者》「陸上を一生の仕事にしたい」 32歳陸上指導者の挑戦と描く夢

《夢に賭ける者》「陸上を一生の仕事にしたい」 32歳陸上指導者の挑戦と描く夢

社会に出て10年近く。

自分の全てを賭けて夢の実現に挑む。

いつしかそんな同世代が周りに増えていた。それはきっと偶然じゃなくて必然なんだと、最近気が付いた。彼・彼女らの目は例外なく輝きに満ちていて、話していて心地いい。そんな『夢に賭ける者』にスポットを当てた記事を書きたい。そんな思いを抱くようになった。

で、始めることにした。彼(彼女)らにスポットをあてた企画を。

人生を賭けられる夢や目標

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未解決の真実を求めて⑥『事件は未だ解決せず』 遺族の訴え

未解決の真実を求めて⑥『事件は未だ解決せず』 遺族の訴え

《熊谷死亡ひき逃げ事件》
2009年9月30日、埼玉県熊谷市の市道で、当時小学4年生だった小関孝徳くんがひき逃げされて亡くなった事件。時効直前のことし9月、時効が延長された。遺族は引き続き解決に向け活動を続けている。
(過去記事・第1回 第2回 第3回 第4回 第5回)

現場にて時効延長が決まり、最後の記事を書いてから長らくこの事件のことから離れていた。色々なものに追われていたし、時効延長で最悪

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未解決の真実を求めて⑤時効延長 異例の捜査継続へ 熊谷ひき逃げ事件

未解決の真実を求めて⑤時効延長 異例の捜査継続へ 熊谷ひき逃げ事件

《連載記事です》
第1回 第2回 第3回 第4回 第6回

時効延長が、決まった。
知らせを聞いた時、私は飛び上がった。
代里子さんの声が届いたのだー
そう感じた瞬間だった。

時効は10年延長 異例の決定罪名の変更による時効の延長ー

「裏技」とも言える極めて異例なこの判断が今回とられた社会的影響やその是非については今は論じない。

重要なのは遺族の努力が、この異例の判断を引き寄せたとい

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【時効目前】未解決の真実を求めて④ 10万台のナンバーに込められた想い 熊谷ひき逃げ事件

【時効目前】未解決の真実を求めて④ 10万台のナンバーに込められた想い 熊谷ひき逃げ事件

《連載記事です》
第1回 第2回 第3回 第5回

1人の遺族の「長すぎる」戦いこの事件を初めて取材した日のことを思い出している。

8年前の、冬の夕方だった。当時埼玉県で事件記者をしていた私は、2年前に起きた未解決事件の取材で埼玉県北部にある熊谷市を訪れた。

取材対象の女性は現場道路近くに立って、車のナンバーを控え続けていた。代里子さんだった。現場を通る車がとこから来て、どの方角へ向かうのか

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「未解決」の真実を求めて ① 迫る時効 熊谷ひき逃げ事件

「未解決」の真実を求めて ① 迫る時効 熊谷ひき逃げ事件

※ここで書く内容は全て事実を踏まえたものです。ご遺族の許可を得て掲載しています
連載記事です・第2回 第3回 第4回 第5回

書かなければー

そう思い続けながら、日々の仕事や生活に追われて時間ばかり経ってしまった。結果的にとても貴重な時間を無駄にしてしまった。

書かなければ、と思うことがあまりに多く、複雑で、どう書けばちゃんと伝えられるのか、そもそもここで書いていいものなのか、頭と心

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「未解決」の真実を求めて② 奪われたもの 熊谷ひき逃げ事件

「未解決」の真実を求めて② 奪われたもの 熊谷ひき逃げ事件

※ここで書く内容は全て事実を踏まえたものです。ご遺族の許可を得て掲載しています。《追記》2019年9月にこの件はご遺族の活動の末に「時効延長」になりました。それまでの経緯は後々の記事に書かれています。
第1回 第3回 第4回 第5回

前回の記事の掲載からまた1週間あまりが過ぎ、時効までのリミットがまた近づいた。

事件は今も現在進行形で動いている。
先日11日も、熊谷市内で情報提供を求めるチラシ

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未解決の真実を求めて③「時効」は誰のため? 熊谷ひき逃げ事件

未解決の真実を求めて③「時効」は誰のため? 熊谷ひき逃げ事件

※ここで書く内容は全て事実を踏まえたものです。ご遺族の許可を得て掲載しています。《追記》2019年9月にこの件はご遺族の活動の末に「時効延長」になりました。経緯は後々の記事に書かれています。
※連載記事です。第1回 第2回 第4回 第5回

時効まで残り1か月

やり切れない思いを、抱いている。
時効までついに1か月を切った。いよいよここまで来てしまったかという思いだ。連載3回目の今日は、事件を

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陸上女子 土井杏南  「作り上げた走り」で再び輝く(前編)【陸上】

陸上女子 土井杏南  「作り上げた走り」で再び輝く(前編)【陸上】

かつての「天才少女」が低迷期を脱し、再び輝きを取り戻そうとしている。陸上女子短距離、土井杏南。7年前、戦後史上最年少となる16歳で五輪出場を果たし、将来を嘱望されたかつての「天才少女」はしかし、この数年は低迷。表舞台から遠ざかっていた。その土井が今シーズン、再び表舞台で躍動。きょう(11日)から始まるIAAF世界リレー大会で数年ぶりの日本代表復帰を果たす。しかし低迷期、土井は陸上選手としてのアイデ

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陸上女子 土井杏南 「作り上げた走り」で再び輝く(後編)【陸上】

陸上女子 土井杏南 「作り上げた走り」で再び輝く(後編)【陸上】

かつての「天才少女」が低迷期を脱し、再び輝きを取り戻そうとしている。陸上女子短距離、土井杏南。7年前、戦後史上最年少となる16歳で五輪出場を果たし、将来を嘱望されたかつての「天才少女」はしかし、この数年は低迷。表舞台から遠ざかっていた。その土井が今シーズン、再び表舞台で躍動している。昨日(11日)の世界リレー大会では数年ぶりの日本代表にも復帰。しかし低迷期、土井は陸上選手としてのアイデンティティの

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相次ぐ夏場のプール事故は減らせるか

相次ぐ夏場のプール事故は減らせるか

相次ぐプールでの死亡事故この時期になると毎年のようにプール事故が起きます。先日も東京のとしまえんのプール事故で8歳の女児が亡くなりました。

私は記者になってから、幾つかのプール事故について取材する機会を得ました。事故をどう防ぐかについて焦点をあてたリポートも、何回も作って来ました。だからこのニュースに接した時、「またか…」と暗い気持ちになりました。

そして昨日も、熊本のプール事故で女児が亡くな

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地域の活力維持に「地域電力」というアプローチ【地域の未来】

地域の活力維持に「地域電力」というアプローチ【地域の未来】

【どんな記事?】
人口減少や少子高齢化による地域コミュニティの弱体化が叫ばれて久しい。地域社会の「担い手不足」をどう解消し、地域をどう維持していくか。多くの地域が直面している課題ではないだろうか。人口減少が深刻な問題となる中で、この課題に対し「地域電力」という民間の力を活用した仕組みでアプローチする試みが、岐阜県美濃加茂市で始まる。「民間事業の力で地域を維持する」この試みは、今後の地域のモデルケー

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「防災教育を広めたい!」あるデザイン会社社長の夢とは?

「防災教育を広めたい!」あるデザイン会社社長の夢とは?

す今回取り上げるのは、一人の男の「夢」について。そしてその実現に向け彼がしている「挑戦」について。彼の名前は岡本ナオト(写真左の笑顔の男性)。職業は、デザイン会社の社長。夢の中身は、

防災教育を広めたい!

そしてその夢の実現のために彼がいま挑戦しているのが「クラウドファンディング」だ。「防災教育の推進」という社会的な課題の挑戦している人の手助けをしたい。この記事はそういう思いで書いた。一人でも

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