東京二期会(8/13オペラシティ)、ミシェル・プラッソン指揮東京フィル、大村博美と小森輝彦のソロ、石丸由佳のオルガン。フォーレのレクイエムの最後に両手を握り祈るように頭を下げた姿勢に、来日を強く希望した90歳の老巨匠の作品への敬愛の全てが集約されていた。アンコールはラシーヌ賛歌。
二期会「コジ・ファン・トゥッテ」(9/5新国立劇場)。ペリー演出は現代のスタジオを舞台に、歌手たちが楽譜通りの歌から徐々に離れて、モーツァルトの音楽に導かれて自分たちの人生そのものを歌い出す趣向。官能的な恋の喜劇をアルミンク指揮新日本フィルのしなやかで上質な響きが包み込んだ。
二期会「蝶々夫人」(7/18東京文化/宮本亞門演出/高田賢三衣裳/エッティンガー指揮東京フィル)。第1幕二重唱が真実の愛だということを全ての基点とした演出。ピンカートンは死ぬまで自らの愚行を後悔し、成長した息子が母の愛の軌跡を理解する過程として物語を描く。強い説得力と美しい昇華。
JBpressの連載「林田直樹の劇場から覗く世界」更新。 「レイディマクベス」(ジュード・クリスチャン作、ウィル・タケット演出、天海祐希、アダム・クーパー他)と、二期会「ドン・カルロ」(ロッテ・デ・ベア演出)について、振り返りました。 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78211