【読書メモ】(その5) 世界の複雑さを単純化する膜や核ではなく、その背景にある網として認知することで、なめらかな社会が実現される。 なめらかな社会の実現のためのアイデアとして、経済における伝播投資貨幣PICSYの導入や、伝播委任投票システムから成る分人民主主義の実装が挙げられる。
【読書メモ】(その4) 世界は本来複雑。 人間の認知の限界により単純化されたものとして認知。 インターネット等によって、複雑な世界を複雑なまま、なめらかなものとして認知。 世界を単純化する認知は、膜で囲い込むことで内と外を区別し、核で制御するという、生命活動そのものに起源がある。
【読書メモ】(その3) ネットはオープンな特性を持ち資源の囲い込みを嫌いあらゆるものをシェアしようとする。 一方、現実社会では囲い込みに満ちあふれている。(「膜」の現象) また、ネットの自立分散性は中央集権的な制御を排除するが現実は中央集権的な組織に満ちている。(「核」の現象)
【読書メモ】(その2) 複雑なまま理解できずにいると対応することもできない。 従って意識は世界を単純なものとしてみなし認知コストを下げるための装置として生み出された。 だがインターネットやコンピュータの登場で認知や対策の能力が上がれば徐々に世界を複雑なまま扱えるようになってくる。
【読書メモ】(その1) 本書の問題提起はこの複雑な世界を複雑なまま生きることが如何にして可能となるかということである。 世界は複雑なので何が原因で何が結果かということも単純に理解できるものではない。 しかし、人間の認知には限界があるため複雑な世界を複雑なまま受け入れるのは難しい。