レオライナー

首都圏私立大学の専任教員。博士(経営学)。観光、まちづくり、コミュニティを経営的観点か…

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首都圏私立大学の専任教員。博士(経営学)。観光、まちづくり、コミュニティを経営的観点から研究しています。プロ野球の支持球団は西武(1979年〜)。https://twitter.com/seibuleoliner?t=tp5LR914ZbXR6qNWt7u2Sw&s=09

最近の記事

本日先行発売開始!『公益事業経営論(上)』

本日、KDPより『公益事業経営論(上)』を先行発売開始しました。 本書は、公益事業を経営学的な観点から考察した公益事業の入門書です。本書では、公益事業がどのような仕組みによって営まれ、今後も永続的に公益事業のサービスを提供するために、いかなる課題があるのかを理解することで、持続可能な公益事業を創るための理論と実際を体得することができます。 本シリーズは、上巻(理論編)・中巻(各論1)・下巻(各論2)の3巻構成としました(中巻と下巻は、2023年度中に発刊予定)。本書は、経

    • 本日先行発売開始『大学教授を目指したキャリア術と学問の進め方: 大学専任教員になる方法から、授業と研究の進め方、 科研費の獲り方まで、すべてを語ります』

      本日『大学教授を目指したキャリア術と学問の進め方: 大学専任教員になる方法から、授業と研究の進め方、 科研費の獲り方まで、すべてを語ります』(4 月1日発行)がKindleより先行発売開始となりました。 https://www.amazon.co.jp/dp/B0BXQ7ZNQW/ref=mp_s_a_1_9?crid=2GSAGAXS44NDA&keywords=%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%95%99%E6%8E%88%E3%81%AB%E3%81%AA%

      • 第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(5)採択された科研費計画調書を取り寄せる

        採択される科研費計画調書を書くためには、実際に採択された計画調書を取り寄せて書き方を真似てみることから始めるのがよいと思います。 以下では、実際に提出し採択された私の計画調書をお示しし、ポイントをごく簡潔にお話ししたいと思います。

        有料
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        • 第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(4)フィールドワークを行う

          科研費は、研究者から提出された計画調書に記された研究計画に対して支払われる国の補助金です。 科研費計画調書の「本文」の中の「(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」の項目で具体的な年度ごとの研究計画を記載するのですが、ここでは「学術的問い」に対応していることを審査員に理解して頂けるようなクリアな文章で研究計画を記載します。 研究計画の具体的内容としては、フィールドワーク(フィールド調査)の実施計画を書くことになります。 フィールドワークとは、研究

        本日先行発売開始!『公益事業経営論(上)』

        • 本日先行発売開始『大学教授を目指したキャリア術と学問の進め方: 大学専任教員になる方法から、授業と研究の進め方、 科研費の獲り方まで、すべてを語ります』

        • 第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(5)採択…

        • 第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(4)フィールドワークを行う

          第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(3)応募する学問分野・テーマの先行研究をレビューする

          科研費計画調書で記入が必要な「学術的問い」を設定するためには、普段から仮説検証の習慣をつけることともに、普段からご自身の専門分野の先行研究をなるべく多く入手し読む作業を習慣化することが必要です。 研究とは、先行研究にない新たな知見を付け加える営みであり、「学術的問い」の設定は研究のスタートラインとなります。 先行研究に足りないところ(未解明の問題)を見つけることが、「学術上の問い」を設定する上で必須です。 このように、「学術上の問い」を設定するために、先行研究をレビュー

          第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(3)応募する学問分野・テーマの先行研究をレビューする

          第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(3)科研費に採択される「学術的問い」の立て方

          科研費を獲得するためには、科研費システムから計画調書を提出しなければなりません。しかし、計画調書を書くのは論文1本分と同じくらいの労力を要するというのが、採択経験者がほぼ口を揃えることです。 2022年度計画調書では、大きく「概要」「本文」「応募者の研究遂行能力及び研究環境」および「人権の保護及び法令等の遵守への対応」をそれぞれ記入することになります。 「本文」はさらに、以下の5項目に細分化されています。 [1]本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」

          第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(3)科研費に採択される「学術的問い」の立て方

          第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(2)科研費に採択されるための業績の作り方

          科研費に採択される計画調書を書くために必要な項目として、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」において「これまでの研究活動」を記入する欄があります。 「これまでの研究活動」には、研究代表者(研究分担者がいる場合は研究分担者)の研究論文リストを記載します。 ここで注意すべき点は、研究計画に関連のある論文かつなるべく新しい論文のタイトルを記載するということです。 研究分担者がいない場合は15点程度、研究分担者が2 人の場合は研究代表者7〜8点、研究分担者各3〜4点程度の研究論

          第6章 科研費を獲得する−科研費はコンペである(2)科研費に採択されるための業績の作り方

          第6章 科研費を獲得するー科研費の審査はコンペである(1)「マーケット」を意識する

          大学専任教員の仕事の2本柱は、教育(主に授業)と研究です。これに、大学行政の仕事である「校務」が加わります。非常勤講師には校務の義務がなく、授業のみを担当しますので、その分専任教員よりも報酬は安くなります。 昨今の大学は、少子化に伴い受験料収入や学費収入の伸びは年々期待しづらくなっており、外部資金獲得に力を入れています。 代表的な外部資金として、文部科学省科学研究費補助金(科研費)があります。研究を担う大学専任教員や各種研究機関の研究員などから提出された「計画調書」(自身

          第6章 科研費を獲得するー科研費の審査はコンペである(1)「マーケット」を意識する

          第5章 「好きなことを仕事に」上級編−アカデミックポストを獲得する(3)大学専任教員を目指した就職活動

          大学院博士後期課程3年次には、修了後の進路を決めるため、博士論文の執筆と並行して「就職活動」を進めることになります。 大学専任教員を目指した就職活動は多くの場合、"研究者・研究支援者・技術者等の研究人材のキャリア形成・能力開発を情報面から支援する研究人材のためのポータルサイト"J-RECINを通じて公募情報を探すことから始まります。 J-RECINでは、「キーワード」「研究分野」「職種」「複数条件」のタブから公募情報を検索することが可能です。 たとえば、観光学分野の教員

          第5章 「好きなことを仕事に」上級編−アカデミックポストを獲得する(3)大学専任教員を目指した就職活動

          第5章 「好きなことを仕事に」上級編−アカデミックポストを獲得する(2)博士号をめぐる諸事情

          かつて文系の博士後期課程では、在学中に博士論文を執筆させないのが普通でした。文系の院生は博士後期課程に3年間在学の後に「単位取得退学」(博士後期課程に3年以上在籍し、修了に必要な単位数を満たした上での退学のことを指します。「単位取得後退学」「単位取得満期退学」または「満期退学」などとも呼ばれます)し、ただちに大学の助手や専任講師となった後、助教授→教授と昇進していきました。 文系の博士学位は従来、単位取得退学した大学教授が、研究の集大成として取りまとめた書籍を博士請求論文と

          第5章 「好きなことを仕事に」上級編−アカデミックポストを獲得する(2)博士号をめぐる諸事情

          第5章 「好きなことを仕事に」上級編−アカデミックポストを獲得する(1)大学院に進学して修士論文・博士論文を書く

          これまで、大学教員を目指す上で役立つ勉強法について説明してきました。 ここからは、大学教員になるための具体的テクニックのお話しを進めたいと思います。 大学教員になるための資格というものは、実はありません。「日本植物学の父」と呼ばれ、『日本植物図鑑』など数多くの業績を残した牧野富太郎(1862-1957)は高知県に生まれ、1912年から1939年まで東京帝国大学の講師を務めます。 その間、1927年に東京帝国大学(現在の東京大学)で理学博士の学位を得ています。博士論文は『

          第5章 「好きなことを仕事に」上級編−アカデミックポストを獲得する(1)大学院に進学して修士論文・博士論文を書く

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(5)耳から学習−録音とオーディオブックを活用する

          前回まで、机に向かわずとも、電車やカフェを活用すれば勉強時間を作り出せることをご紹介しました。 また、分単位のコマギレ時間も「塵も積もれば山となる」こともお話ししました。 今回はまだ「眠っている」スキマ時間の活用方法についてご説明したいと思います。 私の自宅は、最寄り駅から徒歩約10分の場所にあります。また職場も、大学最寄りの東武野田線豊四季駅から徒歩約12分ほどかかります。 自宅と自宅最寄り駅の往復で約20分、豊四季駅と江戸川大学の往復で約24分、合計約44分の時間

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(5)耳から学習−録音とオーディオブックを活用する

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(4)時間の価値を最大限高める方法

          外出先で次の予定まで20分の時間があるとき、私は落ち着いて座れる場所を探します。近くにカフェがある場合は、カフェに入ることもしばしばあります。 次の予定まで「20分もある」と考えるか、「20分しかない」と考えるかで、大きな差が生まれます。 以前の記事でも言及したとおり、「塵も積もれば山」となります。 たとえば、外出先で次の予定まで20分の時間がある機会が年に10回あるだけでも、200分の時間が生まれます。この時間を有効活用するか、適当に時間を潰して浪費するかは、その人の

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(4)時間の価値を最大限高める方法

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(3)電子書籍Kindleなら辞書いらず

          大学教員や研究者を目指す上で、文献収集を欠くことはできません。 論文執筆のための研究書や論文、報告書、新聞・雑誌記事、さらには授業資料作成のための教科書類など、気がつけば部屋の中は本や資料だらけになってしまいがちです。 私が大学院修士課程にいた頃は、パソコンやインターネットが大きく普及し始める頃でしたが、書籍や論文の電子化は今ほどには充実してはいませんでした。 現在では、J-STAGE(1998年プロジェクト開始)やcinii(2004年サービス開始)、Google S

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(3)電子書籍Kindleなら辞書いらず

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(2)社会科学では新聞講読も大切な勉強法

          社会科学は社会を研究対象とする科学ですから、社会情勢を深く理解することが社会科学の学習の基本となります。 経済や経営も社会活動の一つですが、とりわけ、経営学を学ぶ場合は、「日本経済新聞」(日経)の購読をオススメします。 日経は他の一般紙よりも、経済や企業の記事が豊富で、日経の記事から新たな研究の着想が得られることも少なくありません。 経済や企業に関する最新の報道記事はもちろん、経済学や経営学に関するシリーズ連載のコーナーが常設されているのも、日経の大きな特徴です。 そ

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(2)社会科学では新聞講読も大切な勉強法

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(2)電車を「書斎」に(続)

          前回記事「第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(1)電車を「書斎」に」で、通勤・通学の電車での時間は貴重な勉強時間であること、久恒啓一さんの「通勤時間の使い方で、一生が決まる!」という考え方をご紹介しました。 今回は電車を「書斎」として効果的に活用するための秘訣をご紹介いたします。 久恒さんは必ず座れる始発駅に引っ越しをし、下車駅までの車内での時間を勉強に充てておられました。 私の場合、前任校時代は、小田急線に乗り換えるために、池袋駅から新宿駅まで

          第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(2)電車を「書斎」に(続)