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第4章 スキマ時間を活用する勉強法−机に向かう時間を減らす(4)時間の価値を最大限高める方法

外出先で次の予定まで20分の時間があるとき、私は落ち着いて座れる場所を探します。近くにカフェがある場合は、カフェに入ることもしばしばあります。

次の予定まで「20分もある」と考えるか、「20分しかない」と考えるかで、大きな差が生まれます。

以前の記事でも言及したとおり、「塵も積もれば山」となります。

たとえば、外出先で次の予定まで20分の時間がある機会が年に10回あるだけでも、200分の時間が生まれます。この時間を有効活用するか、適当に時間を潰して浪費するかは、その人の意識にかかっています。

教育学者の齋藤孝さんは『15分あれば喫茶店に入りなさい。』(幻冬舎、2010年)の中で次のように述べています。なお、齋藤さんの言う喫茶店には、コーヒーチェーンやファミレスも含まれます。

待ち合わせの場所に一人だけ早く着いてしまったとき、もし15分の余分な時間があったら、あなたはどうしますか。

多くの人は携帯でメールを打ったり、本屋やCDショップに入ったり、コンビニで立ち読みしたり、といったことで時間を潰すのではないでしょうか。

15分の余裕があったら、私は必ず喫茶店に入ります。場合によっては10分でも入ってしまいます。
喫茶店に一歩入った途端に、意識が変わります。仕事モードのスイッチが入ります。

ワタシにとって喫茶店は、のんびりくつろぐ場所ではありません。もちろん書斎でも仕事をしますが、全仕事量の半分以上は喫茶店でやっています。

なぜ喫茶店なのか。(中略)ひとつ挙げるとするなら、どんな仕事も、とりかかるときが一番面倒くさいからです。(中略)ものぐさな人間なのに、仕事はたくさんしたい。このギャップを埋めるための場が喫茶店です。(中略)

喫茶店を自分の書斎にすれば、10分、15分のこまぎれ時間もムダにすることなくきっちり、自分のために充てられます。(中略)

各界の第一線で活躍する人ほど、隙間時間の使い方が上手です。

人間には誰にも同じ24時間が与えられていますが、なにかを成し遂げる人は、めいっぱいその時間を有効活用しています。外出するときには仕事をいくつか持ち歩き、10分、15分あれば喫茶店に飛び込む。そうして喫茶店利用を続けていけば、時間の密度が確実に増すでしょう。

齋藤孝『15分あれば喫茶店に入りなさい。』幻冬舎、2010年。

また、社会学者の桜井政成さんも『コミュニティの幸福論――助け合うことの社会学』(明石書店、2020年)の中で、齋藤孝さんと同様に、喫茶店で仕事をするのを好むことを次のように述べています。

私もよく行く喫茶店がいくつかあります。そう言うと優雅な趣味のように聞こえるかもしれませんが、家でも、また、シーンとした研究室でも仕事ができないめんどくさい性分のために、コーヒーを頼んでMacを開き、長時間居座る、嫌な客なのです。「仕事のしやすさ」を基準に選んでいるので、交流は期待していない(というかむしろ拒んでいる)のですが、それでも長く通っているとマスターや店員さんと仲良くなります。チェーン店では店員さんは定期的に入れ替わってしまうので、それはたしかに寂しく感じますね。

桜井政成『コミュニティの幸福論――助け合うことの社会学』明石書店、2020年。


私も自宅や研究室で仕事をするのは苦手です。周りに人がいて、適度な雑音がある方が仕事に集中できます。

私の場合は情報収集などインプットの作業の多くは電車に乗って行い(場合によっては電車の中でアウトプットの作業を行うこともあります。詳細は後述します)、書き物などのアウトプットの作業はカフェで行うという具合に、状況に応じて場所を使い分けています。

いつでもどこでも書き物をするために、ノートパソコンは必須アイテムです。リュックサックとして使えるビジネスバッグに、ノートパソコンと電源コンセントをしのばせています。

以前は肩掛けタイプのビジネスバッグを使用していましたが、リュックサックタイプに変えたことで、身体の疲れがかなり軽くなりました。ノートパソコンを常時持ち歩くのに、リュックサックタイプのビジネスバッグは欠かせません。

そして、作業できそうな場所があれば、すぐにノートパソコンを開きます。作業できそうな場所としては、机と電源があるのが理想ですが、たとえそれらがなかったとしても、最低限椅子さえあれば、膝の上にノートパソコンを置いて作業することができます。

私も作業のしやすさを重視して、いくつか行きつけのカフェを決めています。電源があることが必要で、あとは荷物を置くスペースの有無や、お店の込み具合などを勘案して選んでいます。

特に出講先の授業終了時刻は夕方のため、本務校に出勤することが難しいこともあり、行きつけのカフェが特に重宝します。

東京周辺では、電源を備えたカフェはかなり増えたと感じます。コンビニのイートインにもかなりの割合でありますし、最近は「テレキューブ」と呼ばれる個室型ブースが鉄道駅に次々と設置されるようになりました。

そうした豊富な選択肢の中から、リーズナブルな料金で作業に没頭できるお気に入りのカフェはそんなに多くはありません。人それぞれカフェの雰囲気などの相性もあると思います。私の場合は、2〜3箇所を交互に利用しています。

長い時間を確保できるときは意外と集中できないこともありますが、次の予定まで短い時間しかないときには集中力が高まります。制限時間内でメドをつけなければならないという意識が働くからです。

これは個人の作業だけでなく、会議にもいえます。時間制限を設けずに会議を始めると、1時間でも、2時間でも、無為に過ぎていきますが、30分と時間を区切れば、会議のメンバーにその制限時間内で会議を終わらせるよう意識が共有され、会議時間は確実に短くなります(会議時間を短くするには、議長となるリーダーが事前に議案を作成し、事前にメンバーに提示し意見をメールで募るなどの仕込み作業が重要です。会議時間を短くする秘訣は別の機会に改めて触れたいと思います)。

ともかく、個人作業においても、予め終了時刻を定め、相性の合うカフェで行うと作業効率が高まります。

あとは、電車の移動時間もうまく活用することでアウトプットの作業の場所に変えることができます。前の方で電車の移動時間は主にインプットの作業に充てていると述べましたが、電源および座席の背面テーブルが付いた特急列車では、ノートパソコンを開いてアウトプットの作業を行います。

よく利用するのが、東武野田線の特急「アーバンパークライナー」です。職場の江戸川大学最寄りの流山おおたかの森駅から乗車することができます。

私は柏駅から乗ることもありますが、特急券無しで乗車できる運河駅から乗ることもあります。

柏発大宮行きの特急は、運河駅までの乗車には特急券が必要ですが、運河から大宮までは乗車券のみで利用できます。

柏から大宮までの所要時間は約50分です。特急券を購入すれば座席は保証されますので、安心です。今日も柏駅から大宮駅までの時間に、ノートパソコンを背面テーブルに置き、電源コンセントを差し込んで、授業資料作成に勤しみました。

また、明日は東海道新幹線で名古屋へ出掛けるのですが、料金の安い旅行商品「ぷらっとこだま」のグリーン車プランを購入しました。

東京駅-名古屋駅の「ぷらっとこだま」の通常期料金は、普通車8,600円、グリーン車9,600円です。のぞみ普通車指定席の正規料金11,300円よりも、2,700円も割安です(グリーン車は1,700円割安)。

時間に余裕のあるときは、「ぷらっとこだま」で旅費の節約と作業時間の確保を両立させることが可能です。

時間の価値は、インプットまたはアウトプットの作業への充て方次第でいかようにも高めることができます。次の予定までの空き時間や移動時間を有効活用できる自分なりの方法を確立するようにしたいですね。

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