なめらかな社会とその敵を読む為の知識

なめらかな社会とその敵を読んでいるのだけど。色々と知っておくと、良いことのまとめ。

カール・シュミットの「敵と味方の区別」は、彼の政治理論の中心を成す考え方で、彼の著書『政治の概念』で詳しく説明されています。シュミットは、政治の本質を「敵」と「味方」の区別にあるとし、この敵対関係を存在論的なものと見なしました。政治的な「敵」とは、単なる個人的な敵意を超え、国家や集団の実存的な脅威とされるものです。彼のこの理論は、ナチス政権下での政治実践との関連で批判されることもありますが、現代の政治的極端主義や分断、アイデンティティ政治の文脈で再評価されています。

スタンリー・ミルグラムは「服従の実験」で有名な心理学者ですが、「6次の隔たり」の概念は彼の「小世界実験」から生まれました。この実験では、アメリカ国内のランダムに選ばれた人々に特定の人物へ手紙を送るよう依頼し、手紙が届くまでの「中間者」の数を調べました。結果として、「6度の分離」として知られるこの概念は、人間関係の密接さとネットワークのダイナミクスを理解するための基本枠組みとなりました。

シグモイド関数は、機械学習や神経科学で重要な非線形関数で、出力が0から1の間で変化するS字型のカーブを生成します。この関数は微分可能で、特に古典的なニューラルネットワークの活性化関数として利用されますが、勾配消失問題のために現代では他の関数が好まれます。

ステップ関数は、入力値に基づいて0か1のいずれかの値を返す関数で、階段状に値が変化することからこの名前がつけられました。離散的なシステムや条件付きの決定モデルに適していますが、微分不可能な点が多く、最適化手法に適用しにくいという欠点があります。そのため、ステップ関数の連続近似としてシグモイド関数やReLU関数などが使われることがあります。