onaï kōtarō

言語活動家、「誤記」 https://goki.her.jp

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  • 詩丼系

    静岡県・遠州地域・浜松市における詩歌活動の周辺

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    つくったZINEについて(静岡県浜松市)

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    詩歌と野記

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    デジタルハリネズミ

最近の記事

言語活動家

言語活動家を肩書きとして名乗ることにした。2024年4月20日以前、私は言語芸術家を名乗っていた。 私は言語芸術家だったのか?2024年2月24日に副代表としてポエデイを主催し、同年3月31日にみそのの詩歌賞公開選考会を開催した。それらのとき、言語芸術家の肩書きを名乗っていた私はまったく言語芸術家としての活動をしていなかったという事実に気づいた。それらでは、私は言語芸術作品を創造せず、社会のなかにおける詩歌の立ち位置を模索したり他人の詩歌作品を薦めたり評価したりしていた。

    • 公園と詩歌の関係について

      もとのインタビュー記事から表題の件についての文章のみを抜粋し、わかりやすく主旨を加筆しました。 公園と詩歌については、①中心から外された核心性、②弱い膜の場、③遊牧性の3つで説明できます。 中心から外された核心性【主旨】小説だけじゃなく経済も現代美術も、詩歌の比喩があるからこそ小説であり経済であり現代美術なのに、いずれも詩歌から受けている恩恵を忘れちゃっているよ。公園もときどき忘れられちゃうよね。 まず、詩歌の根幹である修辞や比喩は、小説など散文が言語芸術であるための核

      • 彡柳句集『彡柳百句』

        彡柳句集『彡柳百句』のZINEを発行した。プスプス市春の陣2024へ委託販売する。 彡柳とはなにか彡柳は川柳っぽい。十七拍だ。でも絶対に十七拍だ。たとえば彡柳にはこんな句がある。 これは川柳だ、と思う人もいるだろう。正解だ。でも私は彡柳と主張する。 とされる川柳とは違い、五七五から外れても彡柳には十七拍を死守する謎の縛りがある。その縛りが今後、謎の洗練を生むかもしれない。ちなみに撥音・促音・長音は一拍、拗音は〇拍として数える。外国語は仮名に転字して拍を数える。 川柳と

        • 詩へのコメント

          mastodon.socialで、私の詩が公開されたよ、という報告をした。いつものように英語で書いた、urlに詩のうちの2行「ヒトが戦争を考えなくなったとき/同時に詩歌も地上から消え失せる」の英訳を添えて。 するとこれに返信があった。英語ではなく国際補助語エスペラントで。 意訳すると「変だよ。逆でしょ?人が戦争について考えなくなったら地上は詩でいっぱいになる。おそらく、詩は人の恐怖の代償であると君は言いたいのかな(以下略)」それに私はこう応えた。 「コメントありがとう。

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        記事

          本町ビル写真集

          浜松市中央区(旧南区)卸本町の卸商団地に建つ本町ビルの写真集です。

          本町ビル写真集

          詩歌イベントのための3冊

          この記事は、静岡県浜松市で2月24日にポエデイを副代表として主催し、8月24日に詩丼を開催しようとしている人が詩歌イベントを打つにあたって参考にした3冊の本を紹介する記事だ。 鈴木健『なめらかな社会とその敵』ちくま学芸文庫本書は自由意志や責任のありかた、膜や核について触れながらこれからの時代の貨幣システムや投票システムなどを提案する。  引用はこの記事を書いた実情である。冗談はさておき、いまの社会は自由意志や何らかの理由によって人々の言動が為されているという幻想を互いに信

          詩歌イベントのための3冊

          西遠叙景◇写真集

          西遠叙景◇写真集

          地方文芸メディアをつくる

          何か足りないと思っていた。2月24日(土)に浜松市で遠州における詩の祭典ポエデイを開催する。 そして3月8日(金)〆切でみそのの詩歌賞の各部門を募集し、3月31日(日)に公開選考会を催す。 祭と賞を企画した。でもパズルのピースがひとつだけ足りないように、civ5で自国の領土からウランが産出しないように、何かが足りないと思っていた。 ポエデイは、イベントバンクや地元のタウン誌やフリーペーパーなどメディアに宣伝を協力してもらった。みそのの詩歌賞は、コンペナビや公募ナビなど公

          地方文芸メディアをつくる

          詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門応募のすすめ

           これは、第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門への応募をすすめる約2100文字の記事です。 三詩型鼎立部門 2023年5月21日に赤羽で行われた第9回詩歌トライアスロン公開選考会で、私は第二部門である三詩型鼎立部門を受賞した。  三詩型鼎立部門とは短歌10首・俳句10句・自由詩1篇で競う詩歌の三種競技である。次回は第10回だ。ちなみに、第一部門の三詩型融合部門については、私は語る資格も技量もない。なので、第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門への応募を私はおすすめす

          詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門応募のすすめ

          地方文芸賞をつくる

           これは、みそのの詩歌賞という地方文芸賞をつくるに至った思いと流れを書いた約1700文字の記事です。 みそののお花見 2023年春に美薗中央公園(静岡県浜松市旧浜北区西美薗)の花見広場において、旧浜北区の建築事務所E4さんと建材会社主催で「みそののお花見」というイベントが開催された。そのイベントへ私は「短歌□つくる」という企画で参加した。「短歌か俳句で何かやれないか」とイベント前月に主催から誘われてはじめた企画だったため、結果として準備不足は否めなかった。だから、2024年

          地方文芸賞をつくる

          地方文芸の可能性

          選者の流派と選の関係とある市民文芸の表彰式に参加した。詩部門で第一位だったためだ。市民文化会館の会場で、短歌部門の選者(県歌人協会所属)が「選者の流派による違いは選に全く影響しない」と発言した。私は、それは欺瞞だ、と思った。 詩歌は飛ばすその選者は、ご自身の流派はアララギで、お手本は万葉集だと言う。そして、現代は俵万智をはじめとしてライトヴァースやニューウェーブと呼ばれる短歌を作る人が多いという短歌史観を持っている。選後評にも と書いている。また二回前の市役所における表

          地方文芸の可能性

          カバディみたくポエデイと言って

          便利な仕組み 遠州や浜松市で俳句・短歌・詩など詩歌を扱う人が「なにかしたいなぁ」と思いついたときに便利な仕組みを設けよう、と私は思った。そして、その仕組みは、固定された組織ではなく、流動的なイベントの方が時流の変化に即応しやすいと考えた。イベントのときだけ集まり、終われば解消され、何かあればまた知識を足して集まるようなものを。 ポエトリー・リーディング浜松 はじめ、ポエトリー・リーディング浜松を企画し、浜松市文化振興財団の助成金をとろうとしたけれど失敗した。指摘された難点

          カバディみたくポエデイと言って

          息を止めて走る

           小学4年生がもうすぐ終わる3月のある日。朝礼、私は先生に促され教室の大黒板の前に立つ。 「今から甲太郎くんがお父さまの話をしてくれます。よく聞くように」  不思議な感情に襲われる。自分自身が経験していないことを、どうやって級友たちへ伝えればいいのだろう。井上靖の『しろばんば』を思い出し、小学校の昔、明治時代ごろの校名を思い出す。なんか、こういうところが田舎の学校だよなぁ、と思う。  その前日、学校から帰ると母がテレビでワイドショーを観ている。上空からヘリコプターで撮った映

          息を止めて走る

          地方短歌大会を楽しむ

          金沢駅10時 ぎりぎりである。しらさぎ51号の金沢駅到着が10時5分、通知されていた会場への送迎バスの発車が10時15分。新幹線開通後はじめて降り立った見知らぬ駅を、早朝から4時間弱も鉄道に揺られかたまった身体で、オレンジ色の服を着た案内人の指示ボードに従って早足で歩く。小雨の降るなか数台の観光バスのなかから「いしかわ百万石文化祭歌人大会」と掲げられた観光バスを見つけ、乗車する。歌人大会? バスは10時17分に発車した。  11月19日(日)、いしかわ百万石文化祭2023短

          地方短歌大会を楽しむ

          言語芸術家

          ※ 2024年4月20日に言語芸術家を廃業しました。 前歴 小学4年生だった。吉行淳之介の「子供の領分」冒頭部だけを提示され、その続きを書くという塾内の小説コンテストがあった。発表日にあらかじめ告げられていた正規の賞の受賞者たちが呼ばれ、受賞作を阿部先生が読み上げた。50人くらいいた級友たちはみんな静かに受賞作の読み上げを聴いた。あるいは自分の名が呼ばれず落胆していたのかもしれない。私も呼ばれなかった。最後に、阿部先生は新しく賞を設けたと告げた。ユーモア賞だったか先生の名を

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          多行形式句集『龠』

          多行形式/多行俳句  多行。それには多行形式、多行俳句、多行形式俳句などさまざまな呼び方があるけれどここでは単に多行と呼ぶ。多行とは二行以上で書かれた句だ。詩かもしれない。高柳重信や林桂や上田玄などの多行作者がいる。  多行は、一行の文字数制限に達したからなど紙面や印刷上の都合により二行で書かれるのではなく、二行以上を志して書かれた句だ。季語は入っているかもしれないし入っていないかもしれない。拍数は約十七音だろうか。特に決められた改行法はない。切れは切れ字や意味の切れかも

          多行形式句集『龠』