地方文芸メディアをつくる
何か足りないと思っていた。2月24日(土)に浜松市で遠州における詩の祭典ポエデイを開催する。
そして3月8日(金)〆切でみそのの詩歌賞の各部門を募集し、3月31日(日)に公開選考会を催す。
祭と賞を企画した。でもパズルのピースがひとつだけ足りないように、civ5で自国の領土からウランが産出しないように、何かが足りないと思っていた。
ポエデイは、イベントバンクや地元のタウン誌やフリーペーパーなどメディアに宣伝を協力してもらった。みそのの詩歌賞は、コンペナビや公募ナビなど公募メディアに宣伝を依頼した。メディアはおおむね好意的に協力してもらったが、何の返答もなく却下されることもあった。歯痒かった。
そんななか、アクト・アート・ストリートで〈まるけ〉さんがアート情報やギャラリーをLINEなどで地道に紹介する活動をしていることを知った。〈まるけ〉さんの活動の真摯さにふれて私は気づいた。歯痒く思っていたのが誤りで、そもそも私は順番を間違えていたのだ。つまり祭や賞をやる前に、メディアをつくるべきだった、それもローカルな詩歌メディアを。それで祭や賞を広めればよかったのだ。それにローカルな詩歌メディアがあればローカルな詩歌人の活動を支援することができる。
なのでつくることにした、地方文芸メディアを、というか地方詩歌メディアを。詩歌人はプロとアマがくっきり分かれているという神話を信じていない人間による、今日短歌・俳句をはじめたという人から載せられる地方詩歌メディアを、今日詩人を名乗りはじめた人から利用できる地方詩歌メディアを。
まずは名前だ。遠州など静岡県西部の郵便番号は43からはじまる。浜松西郵便局を地域区分局とするこの静岡県西部は、ゆえに43地域と呼ばれる。なので、その遠州地域の詩歌情報を掲載するメディアを「43詩歌(よんさんしいか)」と名付けた。
もちろん、私ひとりで人口130万に及ぶ地域の詩歌情報を取材できない。そこで、詩歌情報をお持ちの方から、見知らぬ人に広めたい詩歌情報をお持ちの方から、自分をもっと他の人に知ってほしい方から情報提供をお待ちしている。
機が熟せば詩歌作品を載せようとも考えている。たとえばみそのの詩歌賞の受賞者たちに執筆をお願いするとか。詩歌メディアがあれば活動の範囲が広まる。
43詩歌で遠州の詩歌人を支援したい。そして遠州の詩歌人からの期待に応えられるような器に育てていきたい。