創作教室

【通信講座】 小説「コップ座のデネブ」 講評

うまい。
おもしろい。

平易なことばで書かれているが
類型的文学表現におちいることなく
真の芸術的抒情が随所でかがやく。

乾いて赤くひび割れた唇から白い息が漏れた。

ミヅキくんがアルゴ船について語るのに、口もはさまず耳を傾けていた。夜の帳を縫い合わせた帆を、自慢げに張って。闇に溶け込む星色の船体は、夜風に吹かれてしゃらしゃらと流れ星のように空を揺蕩うんだ、と。

 ミヅキくんは望遠鏡を直さな

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【通信講座】 小説「音のない懺悔」「孑孑と石楠花」 講評

『【通信講座】 小説「拝み屋雲水の事件簿 拝み屋雲水③ 花鬼」 講評』で

読書体験がこんな苦行であっていいだろうか。
14/131 までしか読めなかった。
耽美的文体を志向しているのは分かるが、あまりにもぎこちない。

と書いた。

それぞれ3/13、2/14 までしか読めなかった。

作者は日本近現代文学を
「むずかしい」「分かりにくい」「つまらない」
という先入観で読み
そのように書こうとし

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【通信講座】 小説「何尭」 講評

カフカ風の短編。
『家父の気がかり』を彷彿とさせる。
きわめて練達した手腕を感じる。
特に言うべきことはない。
以下の講評はすべて「しいて言えば」。

(作者より)
気になる点は、この作品は読者を強烈に惹きつけるものか、
あるいは幻想的な作風になっているかということです。
構想としては、「ぼく」が何尭を育てる話です。
意図としては、何尭が天井を突き破るほど生長した=不条理なことが条理通り起こる、と

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【通信講座】 小説「ボウキョウ 第8話」 講評

(作者より)
廃墟となった実家との対面・主人公の動揺もコンフリクトにはなりえないと言われるかもしれませんが、この話の一部分だけでも小説の主題として活かしようがないか、知りたいです。

「コンフリクトにはなりえない」というより
作者がそのように書いていない。
「小説の主題」として活きていないが
もちろん「活かしよう」はある。

『【通信講座】 小説「美ら海に漂う愛」講評』で

最近の小説に顕著な

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【通信講座】 小説「ボウキョウ」 質疑応答

①凡庸な作品で恐縮ではありますが、あともう少し、8話だけ読んでいただけませんか。廃墟となった実家との対面・主人公の動揺もコンフリクトにはなりえないと言われるかもしれませんが、この話の一部分だけでも小説の主題として活かしようがないか、知りたいです。

これはのちほど。
そこまで言われたら
読んで、講評する。

②表現の古さを打破する、印象に残る表現をするためにはどうしたらいいでしょうか。自分ではたく

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「『ボウキョウ』講評」を読んだ反省note

先日、プロの脚本家である川光俊哉先生に小説を講評してもらいました。アマチュア素人作品が一刀両断された感じです。

なかなか悔しいですが、かなり的確なコメントなので、お願いして良かったです。

ちなみに、もしこれからお願いしようか検討している方がいたら、川光先生のマガジンを一通り読んでからでも良いかもしれません。

他に「脚本の書き方」「詩の書き方」もあります。
私は講評をいただいた後に読んだのです

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アリガトウゴザイマス
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【通信講座】 小説「拝み屋雲水の事件簿 拝み屋雲水③ 花鬼」 講評

『【通信講座】 小説「ボウキョウ」 講評』で

13万字の長編。
冗長すぎる。
20枚で書ける。

と書いた。
9万字の長編。
冗長すぎる。
10枚で書ける。

読書体験がこんな苦行であっていいだろうか。
14/131 までしか読めなかった。
耽美的文体を志向しているのは分かるが、あまりにもぎこちない。

 狐の首に抱き付き、椛が弱音を漏らす。狐は椛の冷たく冷えた頬を舐め、頬擦りして来た。椛はキャ

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【通信講座】 小説「ボウキョウ」 講評

13万字の長編。
冗長すぎる。
20枚で書ける。

未熟な作者の通弊、「物語の時間と言説の時間の一致」
「見聞きし考えたことをすべて書く」をやっている。

性表現のある映画がポルノか芸術かを判断する方法があるという。

(性行為の描写も含んだ)映画のなかで、登場人物が車やエレベーターに乗り込むとき、言説の時間が物語の時間と一致するかどうか確かめるのです。フローベールはフレデリックが長い旅行をしたと

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【通信講座】 小説「更新する性」 講評

ダダめいた散文詩。

『【通信講座】 小説「メビウス・コンプレックス」 講評』で

実存主義小説、精神分析小説を志向することにどんな意味を見いだしたのだろうか。

と書いた。
この作者は
実験小説、前衛小説を志向することにどんな意味を見いだしたのだろう。

しかしながら
いまだにアングラを実験的、前衛的と信じている
寺山修司のエピゴーネンなどとはひと味ちがうらしい。

2020年の日本で
こんな作

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【通信講座】 小説「屠所の羊」 講評

『【通信講座】 小説「美ら海に漂う愛」 講評』で

最近の小説に顕著な
「Twitterマンガ」化がとてもよく分かる。
設定、人物、状況はあるが
ストーリーがない。
関係性そのもの、雰囲気そのものを書こうとしている。
なにも起こらない。
この時間を切りとった理由が分からない。

と書いた。
ほとんど同じことをこの作品にも言いたいが
なんらかのストーリーを想定しているのは分かる。
それがなんなのかは

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