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【通信講座】 小説「反戦歌」 講評

抑制がきいた
きわめて淡い、水彩の小品。
語り手のあやうい潔癖さ、離人症めいた
冷酷なまでに即物的な描写が一種の個性になっている。
マチエールの存在感とキャンバスの平面性があからさまな静物画のようで
ひとつひとつの事物、行動はなんらかの象徴であるのか
理解しようとするたびに突き放され、語り手と同じ孤独を味わわされる。
ねらって書けたのか
偶然の産物か
よく分からない。
タイトルは石川淳『マルスの歌』に似ている。
尾崎翠、内田百閒のようでもある。
語法のミスは散見されるが
独特の雰囲気は伝わる。

序盤が冗長であることに目をつむれば
この文体を称揚するにやぶさかではない。



(作者より)
アドバイスの頂きたい点は、
小説として成り立っているのか
面白く読めたか、面白くないと感じられた場合、どこを直すべきなのか

おもしろく読めた。
次はもっと長いものに挑戦して
偶然の産物ではないことを証明してほしい。

ご健筆を。


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