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【通信講座】 小説「ハッピー・メリー・ナイト」 講評

掌編。
内容はなく、文体のみがある。
その文体も村上春樹のへたなパスティーシュでしかない。




 僕は彼女が良く眠っているのを確かめてから、サンタ・クロースを縛っているロープを切った。ロープを丁寧にほどいてやると、サンタ・クロースは少し驚いた顔をしたけれど、すぐに窓を開けて飛び出していった。 窓の外から小さな鈴の音が聞こえた気がするけれど、そんなことは僕にはどうでもよいことだった。


「僕」と「彼女」の村上春樹的やりとりにあきれたように
「サンタ・クロース」(サンタクロースではない)が退場するのは印象的だ。


「せっかくのメルシャン・ワインなのに、ツマミもなしかい?」
 僕が聞くと、彼女が答える。
「ええ、せっかくのメルシャン・ワインなのに、ツマミもなしなの」
「そいつは悲しいね」


あるいは
文学的作文に似ている。
これだけ書ける作者には
村上春樹的要素など必要ではない。
しつこくくりかえすが
自分だけのことばで書いてほしい。

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