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【通信講座】 小説「アリス、アリス、アリスノフシギ」 講評

スピード感ある文章に
46,000字、不覚にも最後まで一気に読んでしまった。
「スピード感」が描写の正確さを損なっていない点もすばらしい。
作者の創意にむくいるために
辞退されなければ
第4回川光俊哉賞佳作をさしあげたい。

おしむらくは
「不思議の国のアリス」をモチーフにする意味がほとんどなく
かえってオリジナリティーを損なっているのではないかと思われる(大槻ケンヂにも似ている)。

シンプルな構造のなかで
作者の想像力が十二分に発揮されているが
しいて言えば
「ウサギ」を助ける動機、恋に落ちる(?)モーメントが漠然としている。
「チアキ」が不要。
「アリス」が自分で別世界へ行く方法を見つけても物語の本質は変わらない。
どう考えても「チアキ」が「フシギノクニ」でもなんらかの活躍をすると期待する。



(作者より)前回諸々ご指摘いただきましたが、中でも、

「書きたいこと」「書くべきでないこと」の分別ができていない。

という指摘について、今回は特に留意しました。
基本的に書くべきでないことを書かないように、冗長にならないように、気をつけました。

冗長さはまったく感じない。
先の展開が気になって、読ませる。


また前回「不要なキャラ」への指摘もいただきましたが、今回はストーリー上意味のあるキャラのみ登場させるようにしました。


「チアキ」がおしかった。



一番見ていただきたいのは、やはり文章(文体)です。
今回は簡潔な短文を目指して書きました。書かなくても伝わると思われるところは、極力省きました。
前回「効果がない」「リアリティーがない」とご指摘いただいた「比喩」については、なるべく控えるようにしました。
「自然体でありつつも芸術的」が今の理想であり、目標です。

芸術的かつエンターテインメント的に
非常に効果を発揮している文体だと思う。
しいて言えば
あまり文章のリズムが変わらないので
退屈だと感じないでもない。
(はげしいヘビーメタルも単調だと眠くなる)


構成についてはインサイティングインシデントから第一、第二、第三プロットポイントまで設定しました。
構成上の問題点、改善すべき点などありましたら、ご教示ください。

主人公の目的(動機)が物語途中で変化しますが、これは映画「第三の男」に倣ったものです。

この作品に政治風刺の意図はありません。
その他気づいた点、おかしいと思う点、細かいツッコミ等、いろいろ指摘していただけると幸いです。

川光さんの100点満点はあまりにハードルが高いため、70点くらいを目指しました。いかがでしょうか。


70点くらいを目指すと
43点くらいしかとれないので
常に100点満点を目指してほしい。

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