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noteに投稿した詩をまとめました。 (pixivでは、過去作や詩集等も投稿されてます。よければそちらもよろしくです!→https://www.pixiv.net/users/6…
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2023年10月の記事一覧

「失墜」(詩)

「失墜」(詩)

言葉を聞いて、息を吸う。

認めたくはなかった。

信頼している人から出た言葉。

目を瞑って、息を吸う。

他ならぬ貴方の言葉だと理解して。

咀嚼して、心底失望する。

腐れた言葉の数々。

ただ、私は好きになれなかったから。

どう考えても納得できなかったから。

信用は失墜する。

小さく罵声を吐いた。

貴方は

私とは違う人間で。

それを知っていても。

関わることが嫌になっていく。

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「流れ星。」(詩)

「流れ星。」(詩)

夜道、自転車を走らせる。

国道を通り抜け、風を浴びる。

橋の下から、景色を覗いて。

誰かのキャンプを見る。

小さな炎の周りで

一つの思い出が灯っていく。

信号待ちの間

ずっと見つめていた車。

国道を駆けていく様子。

そこでは子供が 

窓から顔を出して笑っていた。

切り替わる信号。

その姿に思いを馳せて

帰路へと進む。

空を見上げて

ただ、まっすぐに。

その先で。

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「自分のこと。」(詩)

「自分のこと。」(詩)

自分のこと。

それは、

自分が一番知った気になっていること。

他人が知った気になっていること。

何度分析しても。

何度詠っても。

100%にはならない

自分の形。

みんな持っている

誰かの偶像。

知ったかぶって。

調子に乗って。

また、失敗する。

人間は正解を選べない。

理性に従って動いても。

感情に従って動いても。

自分のためを思って動いても。

そして。

貴方

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「他人事にしている。」(詩)

「他人事にしている。」(詩)

どっかで起きた出来事。

つまんないニュース。

他人事にしている。

目の前で人が倒れても。

恋をすることも。

他人事にしている。

私はきっと変わっている。

他人や近くで起きることに

関心が抱けないことも。

好きだと思うことでしか

自分のことのように思えないことも。

言葉にすれば分かる。

伝わらなくて、

他人に理解されないこともある。

けれど。

私は特別ではない。

他の

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「言葉の欠片。」(詩)

「言葉の欠片。」(詩)

死したフレーズ

言葉を忘れ。

散らばった欠片は綺麗だ。

浮かばないタイトル。

思い付かない物語。

何かを書きたい感情だけが

自分を動かしている。

決断の時が来る。

足掻いて、足掻いて、足掻いた先で。

私に残されたものはなんだ。

間違って、怯えて、傷付いて。

それでも未来は残されていた。

バラバラにされた心のピース。

言葉の欠片。

それは星のように

綺麗で、儚くて。

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「白鳩」(詩)

「白鳩」(詩)

高架下をくぐって

見上げた青空。

光の見えた、暗がりの先。

その先で飛び立った白鳩。

群れに混ざって飛ぶ姿。

一際目立つ白色は

誰よりも輝いているように見えて。

私はその姿に憧れる。

あの鳩も楽ではないだろう。

他人と違うこと。

それは、

常に不安の中を生きること。

理解者をすぐには得られないこと。

蔑み、疎まれて。

あることないこと

イメージがつく。

ただの個性が

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「Heading north.」(詩)

「Heading north.」(詩)

一つの物語を終えて。 

また、

一つの物語が始まる。

失敗、後悔、苦痛の味。

それら全てを飲み込んで。

私は

今、生きている。

一つの物語を終える。

間違いならたくさん犯した。

それでも。

私は

今、生きている。

生きているなら、次がある。

まだ、終わっていないから。

また、立ち上がる。

自分の限界は自分で決める。

少し休んで、また明日。

夢へと進む心。

辛く苦

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「枯れた花と出会う。」(詩)

「枯れた花と出会う。」(詩)

道端で、ふらり。

枯れた花と出会う。

似ていたから。

あの日見た花を思い出す。

積み重なった思い出。

過ごした日々。

もう戻れないように。

水を抜いて、丁寧に。

それを枯らしてしまった私。

そよ風をあてて

出来たドライフラワー。

切り取った記憶ごと、

ハコに閉じ込めたら。

美しい思い出になった気がした。

道端で、ふらり。

枯れた花と出会う。

いつの日か。

ハコにし

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「嗤う声は傷の跡。」(詩)

「嗤う声は傷の跡。」(詩)

何処かで聞こえる嗤い声。

真実を知らぬまま

聞こえる幻聴。

その声は誰かを傷つけるから。

嗤い声の通った跡には

気づけば傷が出来ている。

繊細で傷付きやすい誰かは。

いつも何かに怯えている。

多分、

人の悪意と大きな音が怖いのだろう。

それでも。

人と話していると周りが見えなくなる。

騒ぎ立ててしまうのは。

楽しいのは。

他人も、自分も変わらない。

ほんのすこし。

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