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「流れ星。」(詩)

夜道、自転車を走らせる。


国道を通り抜け、風を浴びる。


橋の下から、景色を覗いて。


誰かのキャンプを見る。


小さな炎の周りで

一つの思い出が灯っていく。


信号待ちの間

ずっと見つめていた車。


国道を駆けていく様子。


そこでは子供が 

窓から顔を出して笑っていた。


切り替わる信号。


その姿に思いを馳せて

帰路へと進む。


空を見上げて

ただ、まっすぐに。


その先で。


夜空を縫った

青い光。


流れ星が

眼前を過ぎていく。


それは、

あまりにも一瞬で。


気づいた時には

その星は消えていた。


願うことも、ままならなかったけど。


何故だか

凄く嬉しくなって。


力強く

自転車は進む。


それはきっと。


明日もまた

生きるために。


目指すべき場所へと

還っていく。


とても大きな太陽系の宇宙で。


息をした

ほんの小さな炎。


その心に宿った炎が、

燃え尽きて消えてしまう前に……


もっと、

思い出を作っていこう。


感じた思いを

心に秘めて。


帰路に着く夜道、

自転車を走らせた。

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