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「嗤う声は傷の跡。」(詩)

何処かで聞こえる嗤い声。


真実を知らぬまま

聞こえる幻聴。


その声は誰かを傷つけるから。


嗤い声の通った跡には

気づけば傷が出来ている。


繊細で傷付きやすい誰かは。


いつも何かに怯えている。


多分、

人の悪意と大きな音が怖いのだろう。


それでも。


人と話していると周りが見えなくなる。


騒ぎ立ててしまうのは。


楽しいのは。


他人も、自分も変わらない。


ほんのすこし。


人から離れると

見えてくる。


目を凝らすと

見えてくる。


思い違いでも。


故意の犯行でも。


気づいてないだけでも。


誰かの行動一つで。


自分の行動一つで。


誰かが不安そうにしている。


迷惑そうにしている。


困っている様子が目に入る。


その時、私は何が出来るだろうか。


ただ、じっと見ているだけ。


自分が嗤われていても。


他人が嗤われても。


いつも少しだけ傷付いて。


頬杖をついて。


つまんなさそうに

あくびを一つ。


まだ。


何処かで聞こえる嗤い声。


真実を知らぬまま

聞こえる幻聴。


誰かの笑い声は。


嗤い声は。


誰かを喜ばせる。


けれど、同時に。


誰かを傷つけるから。


傷付けてしまっているから。


嗤い声の通った跡には

気づけば傷が出来ている。


きっと、出来ている。

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