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作品の物語

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製作した作品の解説です。 ひとつひとつに物語があります。
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#日本画

【作品の物語】思考する神マヤー

【作品の物語】思考する神マヤー

琉球の神猫マヤーは、
満月の夜に現れ、
知恵を授けてくれます。
どんな知恵が良いか?
深く思考している様子です。
決して…寝てはいません。

【作者コメント】
こちらは、作家仲間のお家のかわいい猫さんをモデルに描きました。
白くてふわふわの神マヤーにピッタリです。
キュッと目をつぶった写真がとても愛らしかったので作品にしました。
小籠包のような白い手もたまりません。
背景は、琉球紅型に使用される吉

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【作品の物語】金目の弾き語り

【作品の物語】金目の弾き語り

誰よりもいい耳で覚えた唄を、
喉をゴロゴロ鳴らしながら
三味線で弾きます。
月が出ても、その猫の猫目時計は
昼を指す。
どうやら普通の猫では無いらしい。

【作者コメント】
猫又か、はたまた化け猫か?
どちらにしても普通の猫では無い弾き語りです。
江戸時代の浮世絵をイメージし、描きました。

実は、額の底に…

2024年5月の展示に出品予定です。

【作品の物語】長い夜には猫又の歌を

【作品の物語】長い夜には猫又の歌を

日が落ち、月が浮かぶ頃
猫又の演奏会が始まります。

演奏の途中には
軽快なお喋りの時間もあり、
ゴロゴロと喉を鳴らしながら
お客さんを楽しませてくれます。

今宵も耳を澄ませてみてください。

【作者コメント】

猫又が三味線を演奏する浮世絵がありますが、個人的には「猫又はずっと演奏せず、小話をはさんだりしながら楽しい演奏会をするのではないか?」と思い制作しました。
その為、茶目っ気のある表情を

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【作品の物語】玻璃の龍

【作品の物語】玻璃の龍

水晶で出来た身体を持つ龍。
ひんやりと冷たい鱗は、
太陽の光を反射し、その輝きで周りを浄化していく。

【作品の物語】化かし夜行

【作品の物語】化かし夜行

「化かすぞー!」
と自信満々に拳を突き上げる狸は
早速頭に葉っぱをのせています。
そんな狸を往なす狐。

三毛猫又は、どう踊るか
白猫又に相談中ですが、赤殿中
(赤いちゃんちゃんこの狸)
におんぶをせがまれ、それどころではありません。

ドタバタしながらも
楽しく化かす相談をしていきます。

かなり小さめの作品です。
狸たちが、楽しそうにしているのを描きたく制作したのですが…
狸のみだとどうしても

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【作品の物語】不思議な管の管狐。

【作品の物語】不思議な管の管狐。

管狐が普段過ごしている竹筒の中は
様々な季節の花が咲き乱れ
不思議な形の蝶が舞っている。

呼び起こされる
その時まで
不思議な管の中で
過ごすのである。

【作者コメント】
普段竹筒で過ごしているのであれば、
ちょっと運動不足になったりするのではないか?
素朴な疑問から、少しもちもちに描かれています。
きっと心地いい空間に違いないと明るいイメージの作品にしました。

現在、額を選んでいます。

【作品の物語】日輪の八咫烏

【作品の物語】日輪の八咫烏

大きな羽を広げて飛んでいるのは
八咫烏。
導きの為、鳴き声を響かせる。

作者コメント

こちらは、八咫鏡からインスピレーションを受け八咫烏と鏡を組み合わせました。

中央の丸が縁の無い神鏡、
周りの模様は漢鏡をイメージしています。

烏の絵は、実際のカラスでは無く
神話的な雰囲気を出す為目を特徴的に描きました。

さまざまな悩みについてもちろん外的要因もありますが自分の中に解決策があるものは、そ

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【作品の物語】花嵐の舞

【作品の物語】花嵐の舞

花と共に舞い上がる3匹の鎌鼬。

1匹が棒で人を転ばせ
1匹が鎌で切り裂く。
1匹が塗り薬を塗るが…

塗り薬担当は、
薬壺を何処かに置き忘れ
花嵐に紛れた扇子と戯れている。

一番鎌鼬に出会っては
いけない状況である。

「花嵐の舞」
金潜紙×アクリルガッシュ
寸松庵サイズ(136×120mm)

【作者のコメント】
扇流しをイメージし、風の中鎌鼬と舞い上がる扇を入れたのがお気に入りポイントです

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【作品の物語】月影の龍

【作品の物語】月影の龍

月の影に住む龍がいる。

月が出ている時にのみ
月の影から顔を出す。

影の色をした体は月の光を受け
あやしく光る。

月がない夜は
一体どこにいるのだろうか。

それは誰も知らない。

【解説】

2種類の雲を描き分け、
龍の住む月の影の世界と人の世界の狭間から、少し龍が顔を覗かせるというイメージで描きました。
闇に紛れるような、濃紺の龍です。
渋い和額で額装しました。

持ち主を月の影から見守

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【作品の物語】潮鳴りの龍

【作品の物語】潮鳴りの龍



「潮鳴りの龍」
色紙・アクリルガッシュ
額11.7×7.7㎝
絵8.5×4.5
【個人蔵】

人には見えぬ、黒い龍。

珊瑚のような枝分かれをした角を持ち、寄せては返す波の音が聞こえる間はそこにいる。

静かに海を見守る。

【作品の物語】黒招き猫又(豆)

【作品の物語】黒招き猫又(豆)



「黒招き猫又」
色紙・アクリルガッシュ
10.5×10.5センチ(額込み)
【個人蔵】

全国の看板猫が大事にしている、
黒い尾が二本の招き猫。

その尻尾は少し曲がっていて、
お客さんを引っ掛けてくれる。
黒字の黒招き猫なのである。

末広の扇と共に描きました。

招き猫の大きさは親指サイズです。

【作品の物語】猫又小旅行

【作品の物語】猫又小旅行



作品名:猫又小旅行
45×70㎜
色紙・アクリルガッシュ・雲母
(個人蔵)

作品について

この作品に描かれた猫又は、
猫又になってからしばらく経ち、
二足歩行や踊りも慣れてきた猫たちです。

ベテランの猫又の様に、
人の知らない様々な世界の行き来き慣れていないためみんなで小旅行に行って見る事にしました。

初めての別世界に、猫目はキラキラと輝きます。

金雲の間には花が咲き誇る青空。
どこ

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【作品の物語】波の使い

【作品の物語】波の使い

シリーズで龍を描いていまして、
こちらが3作目です。

今回は腐食と再生を司る波の龍です。

なぜこの2つを司っているか

海の波飛沫が人工物や自然物を腐食させるというのと、観世水の模様は絶えず続く水の流れは再生を表すというところからインスピレーションを受けオリジナルの設定をつけました。

美しい波飛沫と共に姿を表すところを描きました。

今のところ、7月のイベントに展示予定です。

⬇︎製作工程

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【作品の物語】猫又夜行

【作品の物語】猫又夜行

7月のイベント用に製作した新作の紹介です。

「猫又夜行」
9×9㎝(額込13×13㎝)
色紙・アクリルガッシュ
(個人蔵)

満月の夜、踊りながら歩く猫又たちです。

月が出ているのに、猫又たちの猫目時計は
昼を指しています。

蝶が舞い、梅が咲き、夜空には小波の煌めきが美しいこの場所は現世と常世の狭間です。

ここからどこへ向かうのか?

それは、猫又たちが知っています。

今回、モチーフ

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