オードリー・タンさんの話 その2
先日に引き続き、感銘を受けたオードリーさんのお話です。
新たなアイデアをどんどん広げるために「3つのFの要素」が必要だと話されていました。
Fast(速さ) - 人々は素早くその周りに集まり、新しい突然の変化やバリエーションを示唆することができます。
Fair(公平さ) - 共通の利益を達成していることを意味し、価値を引き出す代わりに価値を増幅していきます。
Fun(楽しさ) - 興味のあるハッシュタグやムーブメントに参加したりリミックスしたりで満足すること。参加すること、受け取ること、シェアすること。
興味深かったのが台湾における施策と、オードリーさん個人の生活習慣について。
まず、台湾では「ブロードバンドは人権」と考えられ、誰もが10メガまでのネット環境を無料で使用できるとのこと。
情報へのアクセスがオープンになっていることで、誰もが学習や情報収集の機会を得られるようになっているようです。
また学習と言えば教育についても。
教師は共同の学習者であり、何を学ぶかは自分で決める文化。育成のための「キュレーション活動」と言われていました。
「キュレーション」とは、情報を選んで集めて整理すること。収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業を意味します。
教育制度は、競争ではなく相互サポートのためということですよね。
また、ご自身の習慣としては、「毎日必ず8時間の睡眠をとる」ということ。1時間でも欠けるようであればどこかで調整すると言われていました。
向き合う人へのシンパシー(同情)よりもエンパシー(共感)が求められ、それは元気でないと自分が保てなくなると話されていました。
元気でないと相手の答えに引きずられてしまいます。
課題の理解や課題の設定をするためにも、「常に相手に共感すること」を意識されているとのことでした。
その場で答えを出さなくても、自分の意見を持ちながらも相手に自らを重ねて傾聴していくことで、「寝て起きた時などに求めていた答えが浮かんでいる」というのは天才と呼ばれる所以でしょうね。
共感については、「Ubuntu(ウブントゥ)」というアフリカのズールー語も引用されていました。
有力なオープンソースのオペレーティングシステム(OS)のLinux(リナックス)の配布・導入パッケージのことでもあり、「他者への思いやり」や「皆があっての私」という意味があるそうです。
オードリーさんご自身がネット環境の住人であったからこそ、Linux同様のボーダレスな発想となるのでしょうね。
また、とても謙虚な方で、ご自身は「程良い(good enough)祖先」になれればいいと仰っていました。「まあ、いいんじゃない」という程度の先駆者であればいいということです。
完璧なものを自分の代で築き上げることが重要なのではなく、オープン・イノベーション・プロセス、つまり価値創造のプロセスを透明化することが重要であり、未来の選択肢を奪うのではなく、未来に選択肢が残せるような社会を築くことを目的とされていました。
ネット世界でのコミュニケーション同様に、その相手の性別や年齢など関係なく、高い思想や価値観をもって現実社会を変えようと実際に行動されている姿は、ただただ尊敬に値します。
そして、強く思ったのは、オードリー・タンさんやホセ・ムヒカさんなど、こういった高いレベルの思想・価値観を持つ人材に日本で政治家になっていて欲しいということと、同じような想いや考え方を抱く政治家は果たして今の日本にいるのだろうかという隔絶感でした。
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