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仕事を覚えられる人なのかどうか

前回のコラムでは、私たちは外国人スタッフに対しては寛容な向き合い方が出来ているのに、仕事の覚えがゆっくりだったり、意思疎通がなかなか上手くいかなかったりする同国人に対してはその寛容さを発揮していないという話をしました。

また、ひょっとしたらそうした人の中には発達障害の方もいらっしゃるのではないかという推測もしています。

前回も触れましたが、発達障害とは「発達に凸凹があること」ですから、特定の能力が著しく高いこともあれば、低いこともあり、仕事の相性によってはその能力が低いことも高過ぎることも、職場や周囲の理解がなければご本人の生きづらさに繋がっているのだと考えています。

ただ、似て非なるものとして、こうした知能や言語能力に遅れがあるわけではない発達障害の方に対して、軽度の知的障害の方もいらっしゃいます。

今回は自分のメモ書き代わりに、発達障害と軽度知的障害の違いについて学んだことをまとめてみたいと思います。個人的な大雑把なまとめとなりますので、専門知識のある方からのつっこみはご容赦いただきたいところです。

知能指数(IQ)というのは、一般に85から115が平均的とされています。

そして、この知能指数が70未満で、尚且つ日常生活に支障をきたすような社会的な生きづらさといった両方の条件を満たした場合をもって、初めて障害認定されます。

ですから、問題となるのは、知能指数が70以上あって平均値である85未満のグレーゾーンに該当している方の扱いです。

このいわゆる「境界知能」に該当する方というのは、1クラスに14パーセントの割合で存在するということです。

つまり7人に1人の割合です。

発達障害の方の割合が1クラスに6.5パーセント、つまり15人に1人の割合ですから、その倍の確率で存在するということです。

障害者手帳が交付される対象にはなりませんから、企業としては障害者枠での雇用も出来ませんし、外国人同様に曖昧な表現を避けて1から10まで丁寧に説明すれば、時間をかけて仕事を習得することができるかというとその限りでもありません。

グレーゾーンという境界領域ですから、当然個人によっての能力の幅はあるでしょうが、私の付け焼刃的な知識で説明しますと、脳のレベルでは考えたり問題解決することが困難であったり、また言葉の理解や会話のやり取りが困難であり、結果人間関係の構築が困難であるという傾向があるようです。

ですから、就学しても勉強についていきにくい、就業しても仕事についていきにくいなどで日常生活にも支障が出る場合もあるようです。

学校であれば今は特別支援学級もありますし、グレーゾーンの子への対応も昔よりは慣れてきているでしょうが、こと一般的な職場においてはここを分けて対応しているところはまだまだ少ないのが実情です。

結果として、周囲には理解されないままの状況が続き、ストレスへ晒された反応として落ち込んだり不安になったりいらいらして衝動的に何かをしてしまったりという問題が発生します。なかにはうつ状態になられる方もいらっしゃることでしょう。

そして、皮肉なことに精神疾患と診断された時に、初めて福祉的なサポートを受けることが可能となるのが今の制度の実情です。

難しすぎない相性の良い仕事をいかに職場の中で見つけていくかということが課題になるかと思いますが、雇用する側からしますと、まずはご本人が仕事を覚えられるのかどうか、時間をかければ出来るのか、それとも時間をかけてもなかなか理解をしていただけないのか、この違いを認識するところから向き合い方が決まってくるのだと思っています。

事業が拡大して、従業員が増えれば増えるほど、こうした人への対応も不可欠となってきています。

書き綴りながら今も、着地点が見出せていませんが、なかなかに難しい課題ですよね。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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