介護における「不適切なケア」とは
特にニュースで注目されやすいのが児童虐待事案。
児童福祉法に定められた虐待防止等に関する法律には、
とあります。
高齢者や障害者の虐待防止法においても同様に、虐待の疑いのある対象者を発見した場合は通告の義務が生じます。
身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト、経済的虐待など様々な形での虐待がありますが、虐待の定義を知っておかないとその行為者自身が虐待を行っていると自覚していない場合も多くあり得ます。
特にご家族に認識されていない行為者がいらした場合、身内として「ご本人の安全のために」考えた結果として、身体を拘束したり、部屋の扉や門扉を施錠してしまったりといった虐待行為につながっているということが多いです。
こういったケースを発見した際には、まずはご家族に認識を持っていただく必要がありますが、いきなり「虐待」という単語を使用すると刺激が強すぎるため、「不適切なケア」という表現をとらせていただくことがあります。
実は今日のテーマは虐待ではなくて、この「不適切なケア」という表現について。
この文言は、虐待といった狭い領域に限った話ではなく、もっと多くの要素を含んだ言葉なのだと認識しています。
まず「ケア(care)」とは何か。
ウィキペディアには、
とあります。
社会学者である上野千鶴子氏の定義としては、
とあります。
つまりは、「向き合う相手に寄り添い、潜在的な要求を満たすための関係性」と言い換えることができます。
私たちの役割は、目の前にいる「お客様を元気にすること」。
虐待とまでは言いませんが、関わるお客様の状態が回復せず、また残存機能の維持ができていないのであれば、それは向き合う相手の要求を満たせていないことになり、つまりはそれこそが「不適切なケア」なのではと勝手に考えています。
施設内などでくだらない人間関係のいざこざや、お互いのことを批判しあっている暇があったら、まずはすぐ近くにいらっしゃるお客様がどのように変化しているかをもっとよく見て、今の自分たちの在り方を見つめ直した方がいいのだと思います。
これは取引先の皆様へ向けた想いではなく、自戒の意味を込めて述べさせていただいております。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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