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デザインの余白 N

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細部に神が宿ると信じる、少し天の邪鬼なデザイナーのブログ「デザインの余白」のnote版です。主にデザインという視点からものを見て、感じたことや思ったことを綴りますが、ときには全く…
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#デザイン

印刷とコストについてのちょっとした話

印刷とコストについてのちょっとした話

どんなデータでも印刷してくれるネット印刷

最近ではWEBから入稿できる印刷、所謂ネット印刷を利用することが増えた。その理由は、クライアントから「印刷は◯◯◯でお願いします」と言われることがあるのと、実際にお手軽でコストパフォーマンスが高い気がする。昔に比べて紙の種類も増えたし、印刷の質もそれほど悪くないし、対応もきちんとしている。中には気持ち良いくらいの会社もあるくらい。
印刷(紙質や様々な加工

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僕の昭和、平成。令和に変わる前に少しおさらいしておく。 春だから。

僕の昭和、平成。令和に変わる前に少しおさらいしておく。 春だから。

[歌謡曲って感じの昭和]

高校生になるまで家には風呂がなかったので、近所の銭湯に通っていた。まだ昭和の40年代から50年代、当時は風呂のない家も多かった。そしてトイレもくみ取り式で、月曜日になるとバキュームカーがやってきては町内の各家を廻っていて、そのグネグネと動く太いパイプを避けながら、小学校へ集団登校していた。そんな時代。

高校生に入って父親が事故で亡くしたことで、それまで住んでいた家を引

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デザイン的な技術のほとんどは、誰でも訓練でできてしまう。想像力と決断力を磨くことができれば尚よし。そして、経験や知識を自ら求め、好奇心を維持し、自分なりに理解・納得する方法を持ち、それらを伝える技術を身につければ怖いものはない。

よく一心不乱とか脇目も振らず何かをすると言うけれど、デザインの事だけを考えてデザインをしていたら、そんなデザインはきっと詰まらない。デザインじゃないことをたくさん見聞きして、経験してそれらをそのデザイナーの個性というフィルターを通してアウトプットする。それこそがデザインだと思う。

才能のつくり方

才能のつくり方

例えば、仕事の速さや正確さでも良いし、売上でも良いし、プレゼンの勝率でも良い。何かひとつだけで良いから、ずば抜けたものを身につければ周りが認め、会社も認め、自由を手にすることができる。自分のやり方を認めさせ、仕事の仕方や組織まで変えることができるし、給料の交渉もできる。

そこまで行けば、他社からも引き抜きが来るし、独立もできるだろう。ただそのずば抜けるための努力をせずに、自分の置かれた不利な立場

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答えはひとつではない

デザインについて、たまに正解かどうかを聞かれることがある。特に、いくつか提案した際にどのデザインが正解なのか分からないということを、そのデザインを提案した本人に聞かれる。答えはどれも正しい(と信じる)となる。

「デザインされたもの」は、あらゆる情報、状況、条件を検討し、デザインをしなければならない理由から、そのデザインを成した結果の効果までを熟慮して、様々な可能性のなかから「今ある何らかの問題」

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とよすとつきじ

昨日から「豊洲市場」が開場ということで、ニュースやワイドショーなんかで報じられているのをボケ〜ッと見てて思ったこと。

なんで「新築地市場」とか「第二築地市場」という名前にしなかったんだろうかと。このどっちかだったら、絶対にイメージ変わってっただろうなと。移転する前のこの2年間で味噌付きまくったんだけど、結局元のプランのまま開場したってことは、2年前にオープンしてても問題なかったってこと。ま、その

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本が好きなのもあるけど、本を買わないといけないように思い込んでる節があるし、何かの癖か病気かも知れない(笑)

本が好きなのもあるけど、本を買わないといけないように思い込んでる節があるし、何かの癖か病気かも知れない(笑)

もはや事務所の本棚に、書籍を入れるスペースがなくなり、そこかしこに平積みとなってる。先々月、デザイン関連の年鑑など50~60冊を処分したところなのに。

で、また今月も数冊の本を買ってしまった。読まずに積んであるものも、早く消化せねばならないのに……

本はパラパラっと見て、だいたいの内容をうっすらと覚えておくんだけど、何かの時に「なんかあったなぁ」と手繰り寄せて、「おお!これこれ!」となったりし

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働くことは生きることで大切なことなんだけど、18や22で一生を決めるなんて難しいよね

働くことは生きることで大切なことなんだけど、18や22で一生を決めるなんて難しいよね

先日クライアントと打ち合わせの途中、その会社の社長が僕にこのような話をされました。

ある社外のイベント(レクリエーションに近い)に参加する人には、会社から交通費と費用の一部負担するとして全社員に募ったところ、参加を希望した社員が5名だったと。そのイベントは会社とも取引関係のある企業が主催していて、社長ご自身も参加する予定とのことでした。社長は「そんなに会社関係の行事に参加したくないものなのだろう

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守破離

守破離

若いときは如何に自分のデザインを認めてもらうか、如何に新しいことができるか、他人と違うことができるかなんかばかりを考えていて、そしてバブルって事もあって、正に生き馬の目を抜くような広告業界で兎に角技術と名声の向上だけに腐心してきたと思う。結果、まったく有名にもならなかったけど(笑)
クライアントのことも、エンドユーザーのこともただのお題目で、ただ自分のためだけにデザインを振り回していた2

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ちゃんと見てる

ちゃんと見てる

独立して17年、デザイナーになって29年。グラフィックデザイナーの場合は資格なんてものはないので、自分がプロと名乗ればその日からプロなんだけど、僕の場合はデザイン事務所に入って給料を正式にいただいた日から29年。。未だにプロとして一流の仕事ができているかどうか、一人悶々とすることもあるんだけど、一流の仕事って何なのかをいつも考えたりします。

できればメジャーで大きな仕事をしたいと、それこそ20代

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デザインのコツはパクること

すべては模倣から始まると言っても良いくらい。
真似たり、悪く言うとパクろうとするということは、そのオリジナルの価値が判るということで、その価値に気づかないよりもずっと良いことだと思います。

そして、模倣するなら徹底的にやる。中途半端はただのパクリでしかない。リスペクトした上で、なぜそうなっているのか、どこがそのモノを決定づけるポイントなのかを考える。

次に、想像する。

そのデザインの背景や理

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「ありがとう」と言うことについて

「ありがとう」

僕はこの言葉をよく口にします。コンビニやスーパーで買物をして、レジで支払いをして商品を受け取る時にも必ず「ありがとう」と言います。飲食店で食べるときも店を出る時に「おおきに、ありがとう」と言うし、タクシーに乗って降りるときには「ありがとう」と言います。僕よりも若い人だったら「ありがとう」だし、僕よりも年配の方だったら「ありがとうございました」だし、もう小さい頃からそれが普通になっ

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