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ボルドリッジに学ぶ

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2020年10月の記事一覧

組織プロフィールから始めよう 組織環境(3)

組織プロフィールから始めよう 組織環境(3)

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは「組織のパフォーマンスを改善するための重要な質問」集です。
 組織プロフィールは、ボルドリッジの自己評価の最も適切な出発点です。組織プロフィールの質問に回答すること、それ自身が、組織の最初の自己評価として使用できます。

 組織プロフィールの前半:組織環境についての質問の3番目は、組織に働く人々、働き手の特徴を尋ねます。(原文では、この「特徴」も「プロフィー

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組織プロフィールから始めよう 組織環境(2)

組織プロフィールから始めよう 組織環境(2)

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは「組織のパフォーマンスを改善するための重要な質問」集です。
 質問は、組織プロフィール、プロセス(カテゴリー1~6)、結果(カテゴリー7)に分かれています。組織プロフィールは、ボルドリッジの自己評価の最も適切な出発点です。組織プロフィールの質問に回答すること、それ自身が、組織の最初の自己評価として使用できます。

 組織プロフィールの前半:組織環境についての

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リーダーシップの役割

リーダーシップの役割

 リーダーシップは統率力とか指導力と訳されます。

 従業員エンゲージメント調査のひとつ、ギャラップ社のQ12は、上司である職場のリーダーが関係する質問がいくつかあり、そこからはリーダーシップが従業員エンゲージメントに大きく影響していることが理解できます。
 これには続きがあって、ほかにもう3つ、主に組織のリーダー、経営幹部のリーダーシップと従業員エンゲージメントとの関わりを示す質問があります。

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高いパフォーマンスを生み出す組織

高いパフォーマンスを生み出す組織

 パフォーマンス(PERFORMANCE)は、プロセス、製品、および顧客から得られた出力(Output)とその成果(Outcome)です。それにより、組織の結果を評価し、将来の見込み値、標準値、過去の結果、到達目標、および他の組織の結果と比較することを可能にします。(ボリドリッジ主要用語集より。翻訳筆者)

 パフォーマンスが高い、高いパフォーマンスとは、どのような状態を言うのでしょうか。ボルドリ

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経営における35の主要なアプローチ

経営における35の主要なアプローチ

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上させるための最も重要な質問集です。その要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーには101の質問があります。

ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問構成
    組織プロフィールの質問(13)
    プロセスの質問(70)
    結果の質問(18)

 101は特別な数字のひとつで、ワンオーワンと呼び、基礎、基本

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ボルドリッジとPDCA

ボルドリッジとPDCA

 PDCAサイクル、すなわち、
計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)の繰り返し
は、継続的改善手法の一つです。
 統計的品質管理を日本にもたらしたデミング博士が提唱したものと言われています。

 ボルドリッジは継続的改善を組織に組み込む仕組みですが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(冊子)には、業務運用の切り口(カテゴリー6 オペレーション)で、リーン

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2つのチェーンが進化しました

2つのチェーンが進化しました

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは実証された経営実践を示しています。実践であって、理論ではありません。だから、ポーターの戦略論もコトラーのマーケティング論も出てきません。(それらは実践の中に埋め込まれています。)
 その代わりに、まだ理論化されていない、新しい概念が登場したりしています。

 DX(デジタル・トランスフォーメーション)、オープンイノベーションなど、新聞にもよく登場する言

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組織プロフィールの質問に答えてみる 組織環境(1)

組織プロフィールの質問に答えてみる 組織環境(1)

 ボルドリッジは「組織のパフォーマンスを改善するための重要な質問」集です。
 質問は、組織プロフィール、プロセス(カテゴリー1~6)、結果(カテゴリー7)に分かれています。

 最初は、組織プロフィールに関する質問です。

 そこにあるのは、答えられるかどうかを答える、「簡単な洞察(easyInsight)」にあった質問と同じです。

 実際にはどのように答えるのか、ボルドリッジ・エクセレンス・ビ

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答えられるかどうかを答える

答えられるかどうかを答える

 質問に答えるのでなく、その質問に簡単に答えられるかどうかを答える。そうすることで、組織の課題を導く。

 そういうちょっと変わった形の質問集が、ボルドリッジにあります。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを改善するための重要な質問集です。質問に回答し、その回答を自己評価し、伸ばす強みと改善ポイントを見出します。

 その質問に回答する前に、ざっと組織の課題を見

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生産性

生産性

 組織の業績評価の中で、生産性は重要な評価指標の一つです。

 新聞などでは就業者 1 人当たり労働生産性の国際比較が話題になります。これは公益財団法人 日本生産性本部が毎年公表しているもので、GDP を 就業者数または就業者数×労働時間 で割ったものを、OECD諸国で比較した結果を示しています。
 最近の結果では、日本はOECD加盟36か国中21位。主要先進7か国では7位、最下位です。(日

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1000点は無限大

 100点満点に捉われていると弱みの克服に目が行くが、ビジネスの世界では満点主義を離れて、強みを強化するほうがより大切ではないか、という話をしましたが、ボルドリッジにも満点があります。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの評点システムでは、7つのカテゴリーそれぞれに点数が割り振られ、その合計が1000点。各カテゴリーごとにその組織の「成熟度」が判定され、それがパーセントで示されます。

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11の大切なことを理解する

11の大切なことを理解する

 ボルドリッジ・エくセレンス・フレームワークは、質問集です。質問に答て、その回答を評価することで、強みと改善の機会を特定します。強みを活かして改善に取り組むことで、組織は競争力を高めることができます。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの根底にあるのが「核となる価値観と概念」です。これらはこのまま、組織運営の指導原理、行動規範となります。
 これらが、審査基準(質問集)に反映され、評点シ

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結果を利用する

結果を利用する

 主要な利害関係者に価値を提供し、そのバランスを取ることにより、組織はロイヤルティを構築し、経済の成長に貢献し、社会に貢献します。

 顧客、働き手、株主、サプライヤー、パートナー、協働者、協力者などの主要な利害関係者、公共、および地域社会に提供する価値のバランスを取るために、結果を利用します。提供する価値とそのバランスを調整するために、結果を選択し、分析します。

 短期的な利益を確保するために

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価値をバランスする

価値をバランスする

 組織が提供する「価値」は、顧客価値がまず挙げられますが、顧客に加えて、働き手、株主、サプライヤー、パートナー、協力者(collaborators)などが主要な利害関係者であり、それらに対しても価値を提供することが求められています。社会全体(public)や地域社会(community)もその対象に含まれます。
 顧客価値は「顧客から見た価値」であるように、その他の利害関係者に提供する価値も、それ

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