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生産性

 組織の業績評価の中で、生産性は重要な評価指標の一つです。

 新聞などでは就業者 1 人当たり労働生産性の国際比較が話題になります。これは公益財団法人 日本生産性本部が毎年公表しているもので、GDP  を  就業者数または就業者数×労働時間  で割ったものを、OECD諸国で比較した結果を示しています。
 最近の結果では、日本はOECD加盟36か国中21位。主要先進7か国では7位、最下位です。(日本生産性本部「労働生産性の国際比較」ページより)

 生産性は、基本的には、産出(Output)/投入(Input)ですから、業務プロセスの至る所で、産出、投入それぞれに目的に応じた適切な要素を定義して、様々な評価指標として評価することができます。

 ボルドリッジでは、次のように定義しています。

生産性(PRODUCTIVITY)
 経営資源の活用の効率性の評価尺度。この用語は、働き手(労働生産性)、機械、原材料、エネルギー、資本などの単一の要素に適用されますが、生産性の概念は出力の生成に使用される経営資源の総量にも適用されます。総合生産性といった全体的な評価尺度を用いると、プロセスの中での全体的な変化の正味の効果(それは時には経営資源のトレードオフを含むことがある)が有益であるかどうかを判断することができます。
(2019-2020 Baldrige Excellence Framework より引用。翻訳筆者)

 こちらも、組織にとって目的に応じて、分子、分母に様々なものを置いて生産性を導くことができます。
 
 ただこうした評価尺度を(したがって結果を)定義する際に、ボルドリッジでは、4つのことを重要視しています。

  レベル・・・・現在のパフォーマンスは?
  傾向 ・・・・結果は改善されているか?
  比較 ・・・・他の組織や競合、ベンチマークから見てどうか?
  統合 ・・・・目的に沿った重要な結果か?

 分子、分母を様々に変えて生産性を定義できるとしても、組織の一部だけで通用するような評価尺度であったり、その時々で変更したりしていては、比較傾向などの点で、要件を満たすことはできません。

 評価尺度を適切に設定することで、組織の活動の成果を測定し、業界値(ベンチマーク)やベストプラクティスと比較して、現在の自組織の実力を確認します。また測定を継続することで、傾向から自組織の改善が進んでいるかを確認します。


 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。




 


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