組織プロフィールから始めよう 組織環境(3)
ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは「組織のパフォーマンスを改善するための重要な質問」集です。
組織プロフィールは、ボルドリッジの自己評価の最も適切な出発点です。組織プロフィールの質問に回答すること、それ自身が、組織の最初の自己評価として使用できます。
組織プロフィールの前半:組織環境についての質問の3番目は、組織に働く人々、働き手の特徴を尋ねます。(原文では、この「特徴」も「プロフィール(Profile)」となっています。)
質問(3)働き手の特徴(Workforce Profile)
これもいくつかの小問に分かれています。
・働き手の特徴は何ですか?
・働き手の構成または働き手に関するニーズで最近どのような変化を経験しましたか?
・以下は何ですか?
・働き手または社員のグループとセグメント(区分)
・さまざまな社員グループおよびセグメント(区分)の教育要件
・彼らのエンゲージメントに寄与する主要なドライバー(促進要素)
・組織化された交渉単位(組合代表)(ある場合)
・特別な健康と安全の要件(ある場合)
(ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】より引用・分解)
まず「働き手(workforce)」とは何か、社員や職員とは何が違うのか。
これは当初は「被雇用者(employee)」とあったものが、意味や範囲が広がるにしたがって、呼び方も変わってきたものです。
「主要用語集」で確認すると、働き手は、組織によって積極的に監督され、組織の業務の遂行に従事するすべての人々のことを指しています。
正社員、非常勤社員、臨時社員、現場勤務および遠隔勤務の社員、組織が監督する契約社員など、有給のメンバはもちろんのこと、必要に応じてボランティアも含みます。
色々な業種にわたることも、このような呼び方になっている理由です。ボルドリッジの用語ですので、自己評価では、自組織に合わせて、社員といったり、職員と言ったりすることで問題ありません。
ただ、正社員に絞ったりするのでなく、範囲を広くとって検討することが望まれます。
働き手の構成は、働き手の様々な属性で分けて示すことができます。年齢、性別、学歴、国籍、職種、特別な技能など、組織の事業運営や戦略にとって意味のある、あるいは、特徴のある構成について答えます。
働き手のグループやセグメント(区分)は、組織の事業運営において通常使われている区分けです。マネージャーと一般社員などは、通常みられる区分けです。技術者と事務職員では、求められる能力や技能、資格などが異なるため、次の「教育要件」はそれぞれれのグループについて検討します。
エンゲージメントに寄与する主要なドライバーというのは、少し難しい表現ですが、働き手が、組織のミッションやビジョンの達成に取り組むことへの動機づけ、あるいは、自ら熱意をもって取り組んでくれるようにする(なる)ための要因です。
すぐに答えられない、現時点では答えがない質問もあると思います。それはそれで置いておきましょう。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの理解それ自体が、自己評価を行い改善を進めることで、進化(深化)します。
筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
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