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2つのチェーンが進化しました

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは実証された経営実践を示しています。実践であって、理論ではありません。だから、ポーターの戦略論もコトラーのマーケティング論も出てきません。(それらは実践の中に埋め込まれています。)
 その代わりに、まだ理論化されていない、新しい概念が登場したりしています。

 DX(デジタル・トランスフォーメーション)、オープンイノベーションなど、新聞にもよく登場する言葉です。ボルドリッジ・エくセレンス・フレームワークには、その概念は含まれていますが、直接登場はしません。
 ボルドリッジ・フレームワークは、証明された経営実践を示していますから、新しい言葉は使わないのかといえば、そうでもないようです。

 経営の世界でよく登場する2つのチェーン、バリューチェーンとサプライチェーンは、すでに新しい言葉に置き換わっています。

 「バリューウェブ(Value web)」は、バリューチェーンのビジネスエコシステムへの拡張です。これは、2019-2020年版のボリドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(2019-2020 Baldrige Excellence Framework)から登場した新しい概念です。
 ビジネスエコシステムは、パートナー、サプライヤー、協力者、競合他社、顧客、地域社会、および、所属する業種や業界の内外の関連組織を含めた組織のネットワークです。自組織はビジネスエコシステム内にその一部として存在します。

 「サプライネットワーク」は、「サプライチェーン」のビジネスエコシステムへの拡張です。製品とサービスを生産して顧客に提供する組織の手段は、サプライヤーから、サプライヤーへ、組織へという単純なチェーンのような構成ではなくなりました。線形関係でなく相互依存関係で組織が活動して、お客様に価値を提供しています。組織の製品・サービスの生産と顧客への提供に関与する統合体です。

 ネットは「網」、ウェブは「くもの巣」ですから、複雑になったと言っても、その複雑さの度合に違いがあるということでしょうか。

 バリューチェーンは「価値連鎖」と訳されることもありますが、ウエブはカタカナ表記が定着しており、ここでは、バリューウェブとカタカナ表記として進めます。
 サプライチェーンは、カタカナで使われることが多いので、サプライネットワークも「供給網」とせず、カタカナ表記として進めます。


 



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