1000点は無限大
100点満点に捉われていると弱みの克服に目が行くが、ビジネスの世界では満点主義を離れて、強みを強化するほうがより大切ではないか、という話をしましたが、ボルドリッジにも満点があります。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの評点システムでは、7つのカテゴリーそれぞれに点数が割り振られ、その合計が1000点。各カテゴリーごとにその組織の「成熟度」が判定され、それがパーセントで示されます。
各カテゴリーごとの点数が
そのカテゴリーに割り振られた点数*成熟度のパーセント
となり、7つのカテゴリーの点数の合計点がその組織の総合的な点数になります。それが1000点満点です。
要約版であるボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの方は、点数の考え方はなく、成熟度の4つの段階、
場当たり的 → 初期的 → 成熟した → 模範的
のどの段階であるかを評価します。
感覚的に見てもらえばよいのですが、例えば、場当たり的は、組織の目標があいまいで、メンバのそれぞれの活動の方向性もバラバラ、というような感じです。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、成熟度が6つの段階になっており、それぞれにパーセントの幅が決まっています。
図の4つの段階に当てはめると、
場当たり的 0-25%
初期的 30-45%
成熟した 50-65%
模範的 70-100%
となっています。
マルコム・ボルドリッジ国家品質賞を受賞する組織は「模範的」組織ですから、1000点満点では700点以上となります。
しかしボルドリッジでは、受賞組織には模範的組織として、更なる継続的改善(向上)が求められます。(というよりは、継続的改善が組織に根付いていることが模範的である一つの条件です。)
700点以上と評価されても、ボルドリッジでは、必ず強みと改善の機会を提示しますから、改善の機会(改善すべきところ)は必ずある、すなわち、ボルドリッジではどんなに優れた組織も1000点には到達することはないということです。
ボルドリッジの1000点は実は無限大です。そうした常により良い組織を目指す取り組みを、ボルドリッジでは「ジャーニー(旅、journey)」と呼んでいます。
TOEICの点数も最高点は990点、1000点の人はいません。全く関係はないのですが、似ているなと思いました。
筆者らが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
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