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ボルドリッジとPDCA

 PDCAサイクル、すなわち、
計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)の繰り返し
は、継続的改善手法の一つです。
 統計的品質管理を日本にもたらしたデミング博士が提唱したものと言われています。

 ボルドリッジは継続的改善を組織に組み込む仕組みですが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(冊子)には、業務運用の切り口(カテゴリー6 オペレーション)で、リーン経営システム、シックスシグマ、ISO品質システム標準などとともにプロセス改善ツールの一つとして挙げられているだけで、それ以外に特別な記述は見当たりません。

 しかし、ボルドリッジは、日本のデミング賞などを参考にして作られたフレームワークであり、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークにおいては、それとは明記されていませんが、中心的な役割を担っています。PDCAサイクルは、ボルドリッジ・フレームワークの「心臓」とも言えるものです。

 PDCAサイクルは、計画(Plan)から始まります。
 計画(Plan)フェーズでは、顧客の期待にピッタリあうようにプロセスを定義します。この時に重要なのは、プロセス(実行手順)とともに、その成果を測定する評価指標・尺度も定義することです。
 実行(Do)フェーズでは、プロセスを実行し、測定データを収集します。
 評価(Check)フェーズでは、その結果を評価して、プロセスが実際に顧客の期待に合致しているかどうかを確認します。
 そして改善(Act)フェーズで、その作業を改善(improve)します。

 PDCAサイクルは一般的な概念ですあ、プロセスを「顧客の期待に合致」するように設計し、結果を確認して、それが実際に「顧客の期待に合致」していることを確認する、というのがボルドリッジにおけるポイントです。
 さらに付け加えれば、ここではわかりやすく「顧客の期待に合致」としていますが、ボルドリッジでは実際には、顧客、働き手、サプライヤーやパートナー、株主、地域社会など利害関係者すべての期待を考慮することが求められています。

 事実に基づくマネジメント(Manegment by fact)は、ボルドリッジの核となる価値案と概念の一つであり、プロセスについても何らかの形でその成果を測定し、その結果(事実)に基づいて改善を進めることを求めています。

 改善は、弱いところ悪いところを直すのではなく、より良くすることであり、それには終わりはありません。

 ボルドリッジは、このようにPDCAサイクルによって継続的改善を組織に埋め込みます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。

 

  



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