町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)

八王子市生まれ、震災の前年より釜石へ。プライマリ・ケア認定薬剤師。ケアカフェ釜石支配人…

町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)

八王子市生まれ、震災の前年より釜石へ。プライマリ・ケア認定薬剤師。ケアカフェ釜石支配人。『荒木博行のbook cafe』コメント職人の部室員。音声配信:『本を読んでは独り言ラジオ』(stand.fm & Spotyfyで配信中)積読系弱小Podcaster

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記事一覧

『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十四

二十代後半で 釜石にやってきた そこから かれこれ十四年ほど 釜石で暮らす中で あれやこれやと考えてきた 生まれも育ちも 八王子市の私は 釜石の魅力を感じていたが こ…

絵本『おうしのアダムがおこりだすと』を読んでは独り言

「わたしがブッとばしてやる!」 何やら物騒な言葉だが もうすぐ6歳になる娘が よく言う言葉なのだ どういった場面で こんな言葉を使うかというと… 例えば 好きな動物…

『世界は贈与でできている』を読んでは独り言

先日友人との会話の中で 『世界は贈与でできている』 という本が話題となった その友人が 現在読んでいる本とのことである それを聴き 私は本棚を探した 本書が発行され…

絵本『ツバメのたび』を読んでは独り言

チュビチュビチュビ〜 燕の鳴く声が聞こえる 空を見上げると 燕が追いかけっこをしている 燕が飛ぶ姿を見ていると その速さに驚くことがある 燕の形を見ると 風の抵抗…

『目の前の神様』を読んでは独り言・其の四

薬剤師として 学ぶ機会には事欠かない 所属する学会の研修会や 書籍などたくさんある しかし そこで学んだことを 実際の現場で活かすとなると 話は変わってくる 教科書…

絵本『木を植えた男』を読んでは独り言

環境について考える 環境と言っても 地球環境ではなく 生活環境のことだ 日頃 薬局で働く中で たくさんの方とお話しする機会がある 中には 一見すると偏屈そうな人や …

『手の倫理』を読んでは独り言・其の五

私は服薬指導という言葉に 何とも言い難い違和感を覚えている と言いつつも 日頃薬局で働くしがない薬剤師の1人として この言葉を使うことはある されど この言葉を使う…

絵本『ゆりかごになりたい、とヤナギは言った』を読んでは独り言

まだ幼き頃 将来は何になりたいか? というお決まりの言葉に 胸をときめかせながら あれやこれや妄想していた やがて大人になることが 現実味を帯びてくると その言葉は…

『絶滅できない動物たち』を読んでは独り言

医療とは何だろうか 以前のnote記事にも書いた気もするが 過去の駄文を読み返すこともなく もはや150個を超えていることもあり また同じようなことを書いている気もする …

絵本『かあさんはどこ?』を読んでは独り言

「図書館に行くけど一緒に行かない?」 「いい、いかない」 もうすぐ6歳になる娘は最近 図書館についてきてくれなくなった 娘なりに 今この瞬間に やりたいことがあるの…

『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の四

41年間生きてきて 生きやすくなってきたと 感じることがある 自分の内に生まれる あれやこれやといった 感情にも向き合いつつ 社会の中で生きる上で うまく生きられるよ…

絵本『PIHOTEK』を読んでは独り言

薬局で働いていると 仕事場の配置の問題もあるのだろうが 待合室のTV画面が目に付く いつだったか 何の話題だったか 記憶が定かではないが… 確か年金問題だったかな… …

『記憶と感情のエスノグラフィー』を読んでは独り言・其の二

娘は絵を描くのが好きなようだ 日に日に上手くなっていると思う 日に日に変化していると言っても いいのかもしれない 上手さは ある意味で 価値判断でもあると 思ってい…

絵本『おばあちゃんのにわ』を読んでは独り言

医療とは何なのだろう そんなことを 考えさせられる 私自身しがない医療従事者の1人として 薬局の現場に立つ中で この問いを何回も突きつけられた そして 息子の障害に…

『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十三

「この国はおかしくなっているよ」 そう仰る患者さんと お話していた その方が帰り 会話を振り返っていた その方はどちらかと言えば細かい方で 他の人が疑問に思わない…

絵本『オークとなかまたち』を読んでは独り言

私の能力とは何なのか 以前読んだ 『私たちはどう学んでいるのか』を 読んでからというもの 私が『できている』と認識しているものは 環境に依存していると感じるように…

『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十四

『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十四

二十代後半で
釜石にやってきた

そこから
かれこれ十四年ほど
釜石で暮らす中で
あれやこれやと考えてきた

生まれも育ちも
八王子市の私は
釜石の魅力を感じていたが

ここに住み続ける人からは
現状や将来への悲観的な声が聞こえ
私の考えて語る釜石の魅力は
全くと言って良い程
通じなかった

そんな話を
いつだったか
どこかの誰かに
話してみると

次のような言葉を教えてもらった

余所者・若者・

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絵本『おうしのアダムがおこりだすと』を読んでは独り言

絵本『おうしのアダムがおこりだすと』を読んでは独り言

「わたしがブッとばしてやる!」

何やら物騒な言葉だが
もうすぐ6歳になる娘が
よく言う言葉なのだ

どういった場面で
こんな言葉を使うかというと…

例えば

好きな動物が蛇に狙われているときや
絵本の中でいじめられている子がいるときや
お話の中で理不尽な状況にいる子がいるときなど

狙っている蛇や
いじめている子や
理不尽な状況に対して

怒りを表現しているのか
冒頭の言葉を吐き出すのだ

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『世界は贈与でできている』を読んでは独り言

『世界は贈与でできている』を読んでは独り言

先日友人との会話の中で
『世界は贈与でできている』
という本が話題となった

その友人が
現在読んでいる本とのことである

それを聴き
私は本棚を探した

本書が発行された2020年に
購入し一度読み終えているからだ

久しぶりに再読してみよう

そんな衝動に駆られた

しかし

本棚を見ても
どこにもない

本棚といっても
本を積んでいたり
本の奥に本があったり

狭いスペースを
最大限に利用し

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絵本『ツバメのたび』を読んでは独り言

絵本『ツバメのたび』を読んでは独り言

チュビチュビチュビ〜

燕の鳴く声が聞こえる

空を見上げると
燕が追いかけっこをしている

燕が飛ぶ姿を見ていると
その速さに驚くことがある

燕の形を見ると
風の抵抗を極力にまで排したような
滑らかな曲線を持つ体の美しさに
見惚れてしまう

生命の進化を思い描き
思考は悠久の時に思いを馳せる

頭の中の映像は
恐竜から鳥へ進化する過程を
早送りして見せてくれる

妄想の力は凄い

・・・・・・

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『目の前の神様』を読んでは独り言・其の四

『目の前の神様』を読んでは独り言・其の四

薬剤師として
学ぶ機会には事欠かない

所属する学会の研修会や
書籍などたくさんある

しかし

そこで学んだことを
実際の現場で活かすとなると
話は変わってくる

教科書的に得た知識が
実際の現場で思い出されるかどうか

あるいは

教科書的に得た知識が
相手との対話の中で
どのような立ち位置を占めるのか

はかりかねることがある

それは相手との関係性の中で
決まっていくものだと思っているから

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絵本『木を植えた男』を読んでは独り言

絵本『木を植えた男』を読んでは独り言

環境について考える

環境と言っても
地球環境ではなく
生活環境のことだ

日頃

薬局で働く中で
たくさんの方とお話しする機会がある

中には

一見すると偏屈そうな人や
無愛想な方もいたり

一人一人の個性や人柄に思いを寄せ
その方達の生活環境に想いを馳せる

どんな生活をしているのだろうか

どんな毎日を過ごされているのだろうかと

ゆるりゆるりと
本を読み続ける中で
人は環境によって
こう

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『手の倫理』を読んでは独り言・其の五

『手の倫理』を読んでは独り言・其の五

私は服薬指導という言葉に
何とも言い難い違和感を覚えている

と言いつつも
日頃薬局で働くしがない薬剤師の1人として
この言葉を使うことはある

されど

この言葉を使う度に
前と後ろを反対にしてTシャツを着た時のような
居心地の悪さを感じるのである

そもそも服薬指導とは何だろうか

服薬指導の定義は
薬剤師法の第25条の2にあるとされている

法規の文言は仕方ないものなのかもしれないが
おそら

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絵本『ゆりかごになりたい、とヤナギは言った』を読んでは独り言

絵本『ゆりかごになりたい、とヤナギは言った』を読んでは独り言

まだ幼き頃

将来は何になりたいか?
というお決まりの言葉に
胸をときめかせながら

あれやこれや妄想していた

やがて大人になることが
現実味を帯びてくると
その言葉は呪いのように
付き纏っていった

将来は何になりたいのか?

そもそも何になりたいのか…
何になるといいんだっけ…
あの人はあぁなっているけど自分は…

あれやこれや考えては
心が蝕まれていった…

希望よりも
期待よりも
不安が

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『絶滅できない動物たち』を読んでは独り言

『絶滅できない動物たち』を読んでは独り言

医療とは何だろうか

以前のnote記事にも書いた気もするが
過去の駄文を読み返すこともなく
もはや150個を超えていることもあり
また同じようなことを書いている気もする

それだけ

私にとっては
根源的かつ本質的な問いであり
何度も考えさせられては
知識不足なのか単に思考力がないのか
堂々巡りになって終わる

この問いに向き合うため

医療に関する本を購入しては
積みまくっている

まだ読まれ

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絵本『かあさんはどこ?』を読んでは独り言

絵本『かあさんはどこ?』を読んでは独り言

「図書館に行くけど一緒に行かない?」

「いい、いかない」

もうすぐ6歳になる娘は最近
図書館についてきてくれなくなった

娘なりに
今この瞬間に
やりたいことがあるのだろう

中断するのが嫌なのだと思う

図書館に限らず
食事やお風呂や歯磨きや睡眠など
ありとあらゆる場面で
中断しない感じだからだ

娘の気持ちを尊重してあげたい
そう思うと同時に
それでいいのかという疑問も浮かぶ

日々葛藤し

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『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の四

『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の四

41年間生きてきて
生きやすくなってきたと
感じることがある

自分の内に生まれる
あれやこれやといった
感情にも向き合いつつ

社会の中で生きる上で
うまく生きられるように
なっているなぁと感じるのだ

自分自身も周囲の他者も
大切に出来ている感覚とでも言おうか

学生時代を振り返ってみると

自分の気持ちや感情のみを優先した結果
周囲のことは考えずに行動し後悔したことがある

そのときと今とで

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絵本『PIHOTEK』を読んでは独り言

絵本『PIHOTEK』を読んでは独り言

薬局で働いていると
仕事場の配置の問題もあるのだろうが
待合室のTV画面が目に付く

いつだったか

何の話題だったか

記憶が定かではないが…
確か年金問題だったかな…
こんな感じの街の声が紹介されていた

「なんでみんなで支えなきゃならないんですか?」

いや年金問題じゃなかったか?
自分の記憶を疑うが
要するにこういうことだ

自分は関係ないことに
なぜ協力しなければならないのか?

そんな

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『記憶と感情のエスノグラフィー』を読んでは独り言・其の二

『記憶と感情のエスノグラフィー』を読んでは独り言・其の二

娘は絵を描くのが好きなようだ

日に日に上手くなっていると思う

日に日に変化していると言っても
いいのかもしれない

上手さは
ある意味で
価値判断でもあると
思っているからだ

見る人が変われば
上手さの評価は変わる

日々娘の絵の変化を見ている親からすれば
その変化は『上手くなっている』過程として認識され

初めて娘の絵を見た人が
上手いと思うかどうかは別の話だ

見ている世界が違う
そうも

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絵本『おばあちゃんのにわ』を読んでは独り言

絵本『おばあちゃんのにわ』を読んでは独り言

医療とは何なのだろう

そんなことを
考えさせられる

私自身しがない医療従事者の1人として
薬局の現場に立つ中で
この問いを何回も突きつけられた

そして

息子の障害によって
患者家族の立場になり
また医療について考えさせられる

親として

息子の将来や未来を考える際に
どうやったらより良く生きられるのか
考えない日はない

どうすれば
今よりも体が動くようになるのか

どうすれば
少しでも

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『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十三

『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十三

「この国はおかしくなっているよ」

そう仰る患者さんと
お話していた

その方が帰り
会話を振り返っていた

その方はどちらかと言えば細かい方で
他の人が疑問に思わないようなことに対して
「なんでそうなっているの?」
とストレートに訊いてくる

その質問をする際の
表情や声色や声の抑揚から
何となく気難しい人といった印象を抱かせる

そんな方が
「この国はおかしくなっている」
と言っている

若干

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絵本『オークとなかまたち』を読んでは独り言

絵本『オークとなかまたち』を読んでは独り言

私の能力とは何なのか

以前読んだ
『私たちはどう学んでいるのか』を
読んでからというもの

私が『できている』と認識しているものは
環境に依存していると感じるようになった

そう思うようになってから
今いる環境に感謝の念が湧いている

日々支えてくれている家族
共に働く従業員
私の所属する会社
隣の病院の皆さん
地域の他職種の皆さん
当薬局を利用される患者さん
釜石という地域の方々

そうした人

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