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絵本『PIHOTEK』を読んでは独り言

薬局で働いていると
仕事場の配置の問題もあるのだろうが
待合室のTV画面が目に付く

いつだったか

何の話題だったか

記憶が定かではないが…
確か年金問題だったかな…
こんな感じの街の声が紹介されていた

「なんでみんなで支えなきゃならないんですか?」

いや年金問題じゃなかったか?
自分の記憶を疑うが
要するにこういうことだ

自分は関係ないことに
なぜ協力しなければならないのか?

そんな疑問が表れた
街の声だったと
私はTVを見て認識した

・・・・・・

日頃保険調剤に携わっていると
患者さんから同じような問いを
ぶつけられることがある

確かに面白くない気持ちは
何となく想像できる

しかしそこで

ルールはルールだからと
思考停止してしまうような
言葉をかけそうになる自分がいたりする

自分もわかっていないのだなぁ

客観的な視点で見れば
そう感じることがあるのだ

私自身
国民皆保険を理解できているのか

私自身
医療や福祉を理解できているのか

日々の何気ない出来事は全て
自分を振り返るきっかけとなっている

そんなことを感じながら

今日もまた

読んだんだか読んでいないんだか
積んだんだか積んでいないんだか
といった本達の中から一冊紹介し
心の琴線に触れた一節を取り上げ
ゆるりと書き記していきたい

今回はこちらの本を読んでは独り言

大槌町立図書館にて
借りてきた絵本

ちょうど

日本絵本賞受賞作品が
企画コーナーにて
展示されていた

普段は

海外の絵本から
自分にない視点を学ぶため
翻訳された絵本を手に取る私

今回は

企画コーナーに並んだ
絵本を眺めながら
第28回日本絵本大賞を受賞した作品に
直感的に心惹かれて手に取ってみた

読み終え

この絵本を購入し
何度も折に触れて
読み返したいなぁ

そんな欲求が生まれてくる

さてさて

いつものように
引用する必要があるんだかないんだか
引用の定義に照らし合わせては
自己ツッコミを入れながら
noteの引用機能を用いて
引用させていただきたい

その土地で生きるということは、その土地から命を得ることだ。私も北極で長い間生活し、食料も水も土地の物を食べていると、自分の体を構成している物質がこの土地自体であると考えることがある。その意味では、地球に生きる我々すべてが、地球自体であるということだ。地球全体の物質の総量は、長年にわたってほとんど変化がない。地球という、宇宙に対して閉じられた空間内部で、常に生まれ変わり死に変わりしながら、誰かを構成していた物質が次の誰かを構成する物質となる。いま私の体を作っているアミノ酸やカルシウムは、過去のいつかにおいてはホッキョクグマだったかもしれないし、ミミズだったかもしれないし、人間だったかもしれない。いまの私はいまの私単体として存在しているのではない。すべての命も存在も関係性の中に生まれ、死んでいき、また生を形づくる。
環境問題が叫ばれて久しいが、環境問題とは数字の問題ではない。命の問題だ。自分の命はもちろん、隣にいる大切な人の命であり、会ったこともない遠い土地の誰かの命であり、時代も異なる動物の命のことだ。命と切断して物事を考える思考こそが、最大の問題である。
北極を冒険することは、生きることだ。そして、死を感じることだ。その死とは、誰かの命であり、いつの日か自分の体も分解されて、空に舞い、風に吹かれて誰かの命にたどり着く。
北極に吹く風の中には、きっと誰かの命が舞っている。

荻田泰永 井上奈奈. PIHOTEK ピヒュッティ 北極を風と歩く. 講談社, 2022, 31p

作者あとがきにあたる文章から
随分と長く引用させていただいた

私の記憶に残すためという
何とも自分勝手な理由で
いつもいつも引用させていただいている

引用箇所は
地球という大きな視点の話だし
生き死にの話とも言えるが
『繋がり』という言葉で考えると
冒頭私の頭に浮かんだ話とも
繋がってくるのではないかと思う

自分という個人で考えすぎると
何事も苦しくなるのではなかろうか

それは自分という殻に
何もかも押し込めようとする思考に
他ならないからだ

もっと大きく

もっと広く

自分の存在を
広い広い空間に
位置付けてみると

苦しみは減っていくのではないか

もちろん
目の前のことも大切だし
喫緊の状況もあるのだろう

しかし

そんなときこそ
歴史や文化など広い視点で
悠久の時を駆け巡ってみると
やがて心は軽くなっていく

私自身の経験ではあるが

そんなことを感じたりするのだ

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