町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)

八王子市生まれ、震災の前年より釜石へ。プライマリ・ケア認定薬剤師。ケアカフェ釜石支配人…

町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)

八王子市生まれ、震災の前年より釜石へ。プライマリ・ケア認定薬剤師。ケアカフェ釜石支配人。『荒木博行のbook cafe』コメント職人の部室員。音声配信:『本を読んでは独り言ラジオ』(stand.fm & Spotyfyで配信中)積読系弱小Podcaster

マガジン

最近の記事

『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の四

41年間生きてきて 生きやすくなってきたと 感じることがある 自分の内に生まれる あれやこれやといった 感情にも向き合いつつ 社会の中で生きる上で うまく生きられるように なっているなぁと感じるのだ 自分自身も周囲の他者も 大切に出来ている感覚とでも言おうか 学生時代を振り返ってみると 自分の気持ちや感情のみを優先した結果 周囲のことは考えずに行動し後悔したことがある そのときと今とで 一体何が違うのだろうか ひとつ思い浮かぶのは自分の内なる声と 向き合うことが

    • 絵本『PIHOTEK』を読んでは独り言

      薬局で働いていると 仕事場の配置の問題もあるのだろうが 待合室のTV画面が目に付く いつだったか 何の話題だったか 記憶が定かではないが… 確か年金問題だったかな… こんな感じの街の声が紹介されていた 「なんでみんなで支えなきゃならないんですか?」 いや年金問題じゃなかったか? 自分の記憶を疑うが 要するにこういうことだ 自分は関係ないことに なぜ協力しなければならないのか? そんな疑問が表れた 街の声だったと 私はTVを見て認識した ・・・・・・ 日頃保険

      • 『記憶と感情のエスノグラフィー』を読んでは独り言・其の二

        娘は絵を描くのが好きなようだ 日に日に上手くなっていると思う 日に日に変化していると言っても いいのかもしれない 上手さは ある意味で 価値判断でもあると 思っているからだ 見る人が変われば 上手さの評価は変わる 日々娘の絵の変化を見ている親からすれば その変化は『上手くなっている』過程として認識され 初めて娘の絵を見た人が 上手いと思うかどうかは別の話だ 見ている世界が違う そうも言えるのかもしれない ・・・・・・ 先日 そんな娘が 空に浮かぶ雲を描いた

        • 絵本『おばあちゃんのにわ』を読んでは独り言

          医療とは何なのだろう そんなことを 考えさせられる 私自身しがない医療従事者の1人として 薬局の現場に立つ中で この問いを何回も突きつけられた そして 息子の障害によって 患者家族の立場になり また医療について考えさせられる 親として 息子の将来や未来を考える際に どうやったらより良く生きられるのか 考えない日はない どうすれば 今よりも体が動くようになるのか どうすれば 少しでも言葉が話せるようになるのか どうすれば… そんなことを考えながら ふと振り返

        『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の四

        マガジン

        • 本を読んでは独り言note
          162本
        • Podcastから得た学びと気付き
          7本
        • Voicyから得た学びと気付き
          7本
        • 過去記事振り返り
          4本
        • 薬剤師について語ります
          8本
        • flierから得た学びと気付き
          8本

        記事

          『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十三

          「この国はおかしくなっているよ」 そう仰る患者さんと お話していた その方が帰り 会話を振り返っていた その方はどちらかと言えば細かい方で 他の人が疑問に思わないようなことに対して 「なんでそうなっているの?」 とストレートに訊いてくる その質問をする際の 表情や声色や声の抑揚から 何となく気難しい人といった印象を抱かせる そんな方が 「この国はおかしくなっている」 と言っている 若干の呆れや怒りを包含しているように 感じたこともあり その場であれこれ質問すること

          『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十三

          絵本『オークとなかまたち』を読んでは独り言

          私の能力とは何なのか 以前読んだ 『私たちはどう学んでいるのか』を 読んでからというもの 私が『できている』と認識しているものは 環境に依存していると感じるようになった そう思うようになってから 今いる環境に感謝の念が湧いている 日々支えてくれている家族 共に働く従業員 私の所属する会社 隣の病院の皆さん 地域の他職種の皆さん 当薬局を利用される患者さん 釜石という地域の方々 そうした人々がいるからこそ 何気ない日常を過ごせている そう感じるのだ 人だけではなく

          絵本『オークとなかまたち』を読んでは独り言

          『手の倫理』を読んでは独り言・其の四

          先日 私が所属する 日本プライマリ・ケア連合学会の 研修会があり参加した テーマは 患者協働 不勉強な私は 初めて知る概念に 心踊りながら 楽しいひと時を過ごすことができた 研修を受け 患者協働の具体的な内容は割愛するが 相手の主体性に着目し 医療について考えてもらうためには どのような働きかけをすれば良いのか ということを考えさせられたのだった 研修の中では 患者の立場から 医師の立場から 薬剤師の立場から 研究の立場から あらゆる場面での 患者協働につ

          『手の倫理』を読んでは独り言・其の四

          絵本『ぼくはだれだろう』を読んでは独り言

          私は誰なのだろうか 以前にも noteで書いたことがある 『私は何者なのか』という問いに 通じるものがある 何者かになりたい そんな根源的な欲求は 誰もが一度は持つものかもしれない 「なりたい」という欲求よりも そもそも「何者なのか」という問いは 私自身の存在を根源的に問うものでもある 未来に開かれているというよりは 過去に目を向ける試みと言えようか 今この瞬間も過去になっていることを考えると 既に何者かになっていることを考える営みは 過去に目を向けることでしか到

          絵本『ぼくはだれだろう』を読んでは独り言

          『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の三

          対話の大切さが 語られるようになっている そんな気がしているのは 私だけだろうか 対話の重要さは 殊更ここで言うまでもないことだが ではいざ自分自身に 「対話しているか?」 と問いかけてみると 何とも心もとない気持ちになる 果たして私は対話できているのだろうか? 誰と?いつ?どんな対話を? 頭の中で問い達が追いかけっこをしている そんな状態である ・・・・・・ 日頃 自分の中に生まれる 心のモヤモヤに対して 洞察してみると 自分の中には こんなにもくだらな

          『生きることとしてのダイアローグ』を読んでは独り言・其の三

          絵本『これがぼくらにぴったり!』を読んでは独り言

          探し物をしているとき 探し物と言っても 失くした物を探す訳ではなく 例えば 新しい洋服 新しい車 新しい家 新しい仕事 といった具合に これから自分の人生に迎え入れる 探し物を見つけようとしているときのことだ そんなとき 自分に合う物はどれか? と考えるのではないだろうか 自分に合っている洋服 自分に合っている車 自分に合っている家 自分に合っている仕事 考える内に その対象に対する期待は どんどんどんどん膨らんでいく まだ手にしてもいないのに そして実

          絵本『これがぼくらにぴったり!』を読んでは独り言

          『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十二

          私は『嫌い』という言葉を好まない 全く使わない訳ではないが 使いたくないのだ それは『嫌い』という言葉を使ってしまうと その『嫌い』を表現するために 思い描いている対象の一部分が 無意識の内に全体に侵食し いつしか対象全体が『嫌い』に なってしまうことを恐れているからである 別に対象全体を『嫌い』になっても いいのだと思う自分がいたりもする しかし 私の中の何人かの内の 別の自分が拒否するのだ そんなこんなで なるべく『嫌い』という言葉は 使わない代わりに『苦手』

          『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十二

          絵本『ふまんばかりのメシュカおばさん』を読んでは独り言

          薬局の現場で マイナンバーカードを利用し オンライン資格確認をする機会がある 患者さんに声かけをしていると そもそもマイナンバーカードを作っていない方や そもそもマイナンバーカードに否定的な方など さまざまである 私の個人的な印象としては マイナンバカードの提示を拒む人は 今のところ少ない印象である 中には マイナンバーカードだけでなく 政府に対する不満や 国がおかしいといった不平不満を 薬局の現場で吐き出していく方もいる その方達が 何を持って そうした発言をす

          絵本『ふまんばかりのメシュカおばさん』を読んでは独り言

          『疑う力』を読んでは独り言・其の二

          立場上 薬局長として 働かせていただいている 周りくどい表現をするのは 自分には薬局長として できていないことがあるという 自覚があるからだ 自分のリーダーシップのあり方に 言いようのない居心地の悪さを感じる 一応は 背中を見せているつもりだけれど その背中は自分で言うのも何だが 頼りなさで溢れている 自信のなさを表面に纏っている そんな感じだろうか 考えれば考えるほど 落ち込んでいくことになるので 考えすぎないようにしていた とにかく目の前の患者さんの為に

          『疑う力』を読んでは独り言・其の二

          絵本『さいこうのいちにち』を読んでは独り言

          私は仕事ができない そう思っている できないと言っても ひとつひとつの仕事が 全くできないわけではない 言うなれば マルチタスクができない という感じだろうか いや マルチタスクに憧れて あれやこれや 思考の赴くままに 手を出しては 中途半端な仕事が 山積みになっていく そんな感じだろうか ・・・・・・ 私は仕事ができない いや できなかったとでも言おうか と言っても 今もそれほど 仕事ができるわけでもない 過去の自分を振り返り どうすると良いか考

          絵本『さいこうのいちにち』を読んでは独り言

          『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十一

          先日 ある試験に落ちた その試験について 相談していた友人に 結果を伝えると 「ショックだと思います。  今はどうかご自愛くださいね。」 という趣旨の文言が 返ってきた ありがたい そう思う一方で そこまでショックを受けていない自分がいた 相談していた頃には 試験に纏わる不安を口にしていたにも関わらず それほどショックを受けていなかったのである なぜだろうか 結果が出る前には あれやこれや不安になっていたのに なぜだろうか 自分の心の海に潜ってみると 何

          『世界への信頼と希望、そして愛』を読んでは独り言・其の十一

          絵本『ガウディさんとドラゴンの街』を読んでは独り言

          大学を卒業し 働き始めて数年後 私の自己顕示欲は いきりたっていた 自分が何者であるか 周囲に認めてもらおうと ある意味で必死だったのだと思う その根源にあるのは 幼少期や公教育の時代に 私が感じていた疎外感だ 疎外感というと いささか物騒な言葉かもしれない 言い換えるなら 認めてもらえていない感覚とでも言おうか 誰にでも備わっている承認欲求が 満たされていない感覚とでも言おうか そんな感覚が 自分が何者であるか それをどんな形で表現すればいいか 悩みや

          絵本『ガウディさんとドラゴンの街』を読んでは独り言