【実践編3:データはうそをつく~相関関係と因果関係を考える~】
製造現場でもその他業務でもデータ分析や調査は、いつでも付きまとってきます。データ分析といえば、何らかの数値を調査・蓄積してトレンドを見る。その中で各事象の関係性をとらえていくということですね。しかし、単純に数字やデータだけを追いかけてしまっては大きな落とし穴に嵌ってしまうことがあります。
今日は先日、会社の後輩とリモートで会話した場面を再現しながら、その落とし穴と対策について投稿したいと思います。
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◆2つの事象の関係性
👱;(ある会話の流れから)データ分析ってやっぱり大事ですよね。製造現場の蓄積データから相関関係を見つけると、“お”って思いますもん。
👨;そうだよな。でもさ、相関関係だけに言及していると大きな勘違いをしてしまう場合があるんだ。データはうそをつくよ。
👱;データはうそをつく?相関関係を示すデータが嘘ということですか?
👨;嘘ではない場合もあるよ。例えば、下記なんて正しいといえる可能性が高いし、きっとうまく活用もできるだろう。(出典:データ分析ナビ)
👱;はい。活用としては、小さな商店であったら、自分の店の気温と売り上げデータを取っておいて、週間の天気予報を確認して、大まかな販売数量予測して仕入れのコントロールをすることができます。
あと、これだけが例ではなくて、私たちも製造現場でも加熱温度と時間によってワークの出力温度が決まり、その相関を確認して品種ごとの条件を決めますよね。一つ事象が起こればもう一つの事象に影響することを数字で表している。相関関係が嘘をつくというイメージがよくわからないのですが。
◆相関関係の罠~相関関係と因果関係~
👨;一つの事象が起これば、もう一つの事象に影響するか。じゃあ、こんなデータあるけどこれは相関があるといえるかな?「中日優勝 災害 政変」と調べる下記のようにでてくる。優勝した年に下記が起こっているというんだ。
・1954年 日本一時の造船疑獄 による吉田内閣退陣
・1974年 優勝時の金脈問題による田中内閣退陣
・1988年 優勝時のリクルート事件(翌年竹下内閣退陣)
・1999年 茨城県東海村原発臨界事故
・2004年 新潟県中越地震
👱;確かに優勝した年に、災害もしくは、政変が起きていますが、こんなのタダのこじつけというか、あり得ないですよ(笑)繋がりが全くないじゃないですか。中日ファンにぶっ殺されますよ。
👨;そう、こんな話はばからしい。ここにはデータだけで言えば相関はあるように見えるが、因果関係がそこにはないんだ。だから関係ない。これが大きい。上の話は当然大げさだけどさ、日常の製造業務でさ、複数のパラメーターを分析したときに相関が取れていただけで、“おお、これは使えるなんて”思ったりしていない?
👱;どき。確かに関係性も考えないで数字で相関があるだけで、その関係式を使おうと思うことありましたというか、、使ったこともあります。
👨;だろ数字やデータを見ただけで鵜呑みにしてしまうのは本当に怖い。もちろんトライアンドエラーでの進め方もよいのだけど、因果関係、つまり、その二つの事象の関係性・構造を理解するだ大事なんだよ。だから、常に”相関関係はわかったけど、因果関係は考えたのか”って自分で自問自答しないといけない。でないと、データに踊らされてしまうんだ。
👱;なるほど。
👨;特に不良原因を探るときって、加工業だと、夏になってよく気温が上がったから品質が変わったとかで、原因をあやふやにしてしまうことがある。そういう時は因果関係、つまり、どういう構造で気温が上がると品質が変わるのかということの理解を試みないといけない。その上で、その相関関係が使えるものなのかどうかを判断、仮説建てをしなければならないんだ。そこから検証に入っていくんだ。
👱;帰納的に考えかつ演繹的に物事をみろってことですね。
◆問題の構造をとらえる
👨;難しいこと言うな。まあ、でもその通りだ。特に相関がありそうな事象やデータを見たときは、そのものの構造を考えることが重要になってくると思うんだ。何と何が関係して、どういう結果になるのか、その全体の関係性を見える化することを心掛けているんだ。それは、自然科学的な課題(パラメーター設定や技術的改善)を解くときも社会科学的問題(組織の問題であったり、戦略の問題)解くときも共通して使える。そのうえで、その構造仮説があっているのか各種変数を動かしてみて挙動を見てみるんだよ。
👱;難しい・・。構成する要素をすべて書き出して、関係性を考えてみろってことですかね。
👨;ああ、そこまででいい。すべての問題にそんなことをする必要はないんだけど、課題を抱えて解決しなければならない場合は使ってみるといいよ。
時間を作って下記の本を読んでみてほしい。詳しくこのポイントが書いてあるよ。
👱;なるほど。参考にしてみます!
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◆最後に;
先日。会話をしたのでnoteに投稿しようと思い記載させてもらいました。実際、結構適当な相関だけ取って関係性があるって謳っているデータってそこら中にありますよね。特にワイドショーとかでよくあるので気を付けた方がいですよね。“そこに因果関係があるのか。”この言葉はポイントです。ワイドショー等で統計データが出てきたらちょこっと疑ってみるといいかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は”リーダーシップが必要な時とフォロワーシップが必要な時”について投稿したいと思います。
なお、下記noteリンクに、ものづくりに携わる人であれば、必要であろう内容を対話形式でまとめています。もしご興味あれば、覗いていただければ幸いです。スキ・フォローいただければ嬉しいです。
1,5Sの基本ステップ(トヨタ流 最強の5Sに沿って)
https://note.com/go_nakajima/m/m79498fd10844
2,トヨタ生産方式とTOC理論
https://note.com/go_nakajima/m/m42a373704009
3,マネジメント基本知識(ドラッガーの“マネジメント”と“もしドラ”)
https://note.com/go_nakajima/m/m0156b3990410
4,会計の基礎知識(“餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるのか?”)
https://note.com/go_nakajima/m/m69b232fea139
5,ビジョナリーカンパニー解説
https://note.com/go_nakajima/m/mef0e98284fcb
6,両利きの組織をつくる解説
https://note.com/go_nakajima/m/m815340ebf984
7,アドラー心理学(もしもアドラーが上司だったらに沿って)
https://note.com/go_nakajima/m/mf97d52aa0e88
8,心理的安全性の理解
https://note.com/go_nakajima/m/madc85f111bf3
9,IT全般知識、情報リテラシー、要件定義
https://note.com/go_nakajima/m/m8d3d5281b6e3
10,ザ・会社改造
https://note.com/go_nakajima/m/m676e200dfe1f
11,自工程完結
https://note.com/go_nakajima/m/m79498fd10844
12,見える化
https://note.com/go_nakajima/m/m9f1d1ce130c7
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