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2022年7月の記事一覧

漫画アリスにお願い 岩館真理子

漫画アリスにお願い 岩館真理子

kindleで漫画本を検索していたら、懐かしい漫画が目に止まりました。

岩館真理子さんの「アリスにお願い」です。

たしか高校生の時、友人の家に遊びに行ったら岩館真理子さんの漫画があって、何点か借りて読んでみたんですね。で、その独特な世界観に一気に引き込まれたことを思い出しました。

そんで思わず、kindleの電子書籍をポチッとしてしまいました……。

岩館真理子さんの作品は「大人の少女漫画」

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読者感想 酒村ゆっけ、 酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす

読者感想 酒村ゆっけ、 酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす

大人気YouTuber酒村ゆっけさんの短編小説集です。ゆっけさん、すっごい美人さんですよね。その美人さんが、ジャンクフードをつまみにひたすらお酒を飲んでるのです。清々しいほどの飲みっぷりと食べっぷりなのです。見るとお腹がすきます。お腹が空いている時は決して見てはいけないチャンネルです。笑

彼女の処女小説「酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす」がkindleUnlimitedにあったので、読ん

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読書感想 芥川龍之介 歯車③

読書感想 芥川龍之介 歯車③

 歯車の感想の続きです。
 前回書いた通り、歯車はゾッとするエピソードばかりです。静かに、自然に、当たり前のことのように、怪奇現象が書かれています。その冷静さが一層恐怖感を引き立てている印象です。

 この作品は私小説というのでしょうか、やっぱりストーリーらしいストーリーもないのですね。相当な苦しみのなか書かれたものだと思います。そんな中でも、他人を貶めたり、侮蔑するようなことはほとんど書かれてい

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読書感想 芥川龍之介 歯車②

読書感想 芥川龍之介 歯車②

この作品は、事実と創作と芥川龍之介の幻覚(のようなもの)が混在している印象を受けます。全部創作だったならば、本当に素晴らしい作品だと思います。逆に全部芥川龍之介の中の真実だったとするならば……。
考えさせられますね。

 私が気になるのは、作品の中に出てくる様々な不気味なエピソードです。

芥川龍之介の姉の夫は、自宅の放火の容疑をかけられ執行猶予中のまま轢死(列車にひかれて自殺)しています。自宅に

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読書感想 芥川龍之介 歯車①

読書感想 芥川龍之介 歯車①

私が芥川龍之介にハマるきっかけとなった作品です。

この作品の半分は遺稿です。遺稿とは、故人が残した未発表の原稿です。
この作品がいまだご健在の作家さんのフィクションホラー小説だったならば、面白い!!と無責任に言えると思うのです。

ですが、こちらはおそらく芥川龍之介が自死する直前の精神的苦悩をそのまま書いたものなんじゃないかなと思います。そう考えて読むと、ただでさえゾクゾクする内容がより一層身近

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読書感想 死ぬくらいなら会社辞めればが出来ない理由

読書感想 死ぬくらいなら会社辞めればが出来ない理由

「死ぬくらいなら会社辞めればが出来ない理由」を読みました。

過労死などのニュースが流れるたびに、死ぬくらいならなんで会社を辞めないのだろう、と思っていたのですが、その理由についてとてもわかりやすく書かれていました。
長時間労働は思考力の低下を招き、視野をせまくさせ、正常な判断を下せなくさせるんですね。本来、ブラック会社勤め以外にも様々な選択肢があるはずなのですが、
真面目なひとほど
「みんな頑張

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コミックエッセイ 僕が僕であるためのパラダイムシフト

コミックエッセイ 僕が僕であるためのパラダイムシフト

EMIさんのコミックエッセイ「僕が僕であるためのパラダイムシフト」を読みました。架空の人物の、生い立ちからうつ病の発症、そしてそれが完治するまでの物語です。作者のEMIさんご自身の体験に基づく物語なのですが、とてもわかりやすかったです。

著書の前書きには、「うつの正体のようなものを知ったのですが、それを誰かに伝えたいと思ったときに、言葉や文章だけだとなかなか難しく、漫画で架空の物語にするのが良い

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