物語の中で問題を提起する方法
問題提起とは
先週、ショートショートを毎日投稿していたのですが、僕がショートショートを投稿するにあたって意識していたのが「問題提起」でした。
テーマ、お話、登場人物、葛藤、悩みなどを物語の中に散りばめて、読んでくれた人が何かを考えるきっかけになったり、共感したりしてくれればいいなと。
問題提起とは、問題・悩みなどをぶつけて、相手に考えてもらう、共感してもらう、同じ目線で観察してもらう、意見をぶつけてもらうという相互作用ではないかと思っています。
ビジネス書や自己啓発本が「問題解決」なのだとすれば、文学や物語こそ「問題提起」なのだと思っていて、せっかく物語を描く時間を作るのなら、問題提起を意識していこうと思ったわけです。
今日は、そんな僕がこの1週間を通して分かった、問題提起を相手に分かりやすくぶつける方法を2つご紹介します。
この2つを踏襲すると、問題提起、すなわち印象に残る作品が作れるのではないかと思います。よければ参考にしてみてください。
タイトルと本文の距離を気を付ける
タイトル。
それは物語を想起してもらう上でとても大切な、いわば名刺のようなものです。
先週の僕が意識したのは「タイトルを抽象的なものにする」ことでした。
話に沿ったタイトル。キーワードを抜き取ってつけたタイトルの方が、分かりやすいし、そもそもつけるのが簡単だったりします。
でも、本文から少し遠い距離感でつけられたタイトルの方が、なぜこのタイトルを付けたのか?という疑問を持ってもらいやすい気がします。そこから生まれる連想ゲームは、相手の考察意欲に火をつけてくれることでしょう。
作品によっては、そのままの近しい距離感のタイトルが求められるものもあるのでしょうが、問題提起をメインに据えるのであれば、本文・お話の筋からは気持ち遠い距離感のタイトルを付けた方が有効でしょう。
本文との距離が適度に離れている。この距離こそが読み手の考える余白になるです。
気持ちを描写で表す
〇〇は悲しかった。
○○は遠くの濁った空をただただ茫然と眺めていた。
前者は悲しいことが明確に分かります。後者はもしかしたら悲しいのかもしれないし、もしかしたら懐かしんでいるのかもしれません。
登場人物の気持ちをストレートに表す場合と登場人物の気持ちを描写で表す場合では、相手に与える印象は大きく変わります。
そして、問題提起をメインとする場合は、描写で表す方が断然いいです。
問題提起とは、問題を見つけて→考えて→自分なりの結論を出すこと。
そうなると、考える余白・感じる余白がすごく重要になってきます。
気持ちをストレートに表すよりも、気持ちが情景や表情で表されている方が、読み手の汲み取り意識は確実に高くなるわけです。
この描写は、実際にショートショートを投稿している時、僕が一番苦戦した部分で、やってみるとめちゃくちゃ奥が深いことが分かりました。
ということは、トレーニングでなんとでもなる部分であるともいえます。
今、直接的な表現を避けた方がいいみたいな書き方をしていますが、描写が出来るようになると、直接的な表現に重みが増します。要はバランスなんです。
毎回直接的な表現をするよりも、適度に描写を散りばめた方が、深い印象を与えることが出来ると思います。
描写表現をうまくして、印象に残る物語・文章を提示できれば、それだけでも読んだ価値が上がると思うのです。
まとめ
今回は、タイトルを抽象的かつ本文との距離を適切にすること、そして、気持ちは描写で表すことが問題提起に繋がると書きました。
問題提起を行う、文学的な物語りを描く方法は他にも沢山あります。
ただ、この2つは前提条件なんじゃないかと思うくらい大切です。その為、2つにまとめてみました。
細かい気づき、細かい技術などは、また改めて書きたいなと思っています。
この2つを抑えて、素敵な問題提起作品が生まれることを願います。
それでは、今回はこの辺りで!
また明日の記事お会いしましょう!
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