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マネーの哲学:「お金」と清く正しく美しく向き合う知性

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全ての物質は時間と共にやがて朽ちる。しかし、増減こそすれど価値まで失わない「お金」は、「複利」と並ぶ人類史上最大の発明品といわれる。 20世紀初頭に「自由貨幣」を提唱したドイツの… もっと読む
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2024年4月の記事一覧

構造的な問題は個人の努力では解決しない

富の偏在を問題視すると、「まずお前が自己の資産を貧困層に配ってからにしろ」と、個人問題に論理をそらす人が必ず出てくる。しかし構造の問題を個人の問題にそらすのは狡猾な論理展開と言える。なぜなら、たとえ個人が努力したとしても「私はしないけどね」と逃げを打って終わりになるから。

人間の動きは水のようなものだと考えている。水は必ず低きに流れようとする。流れようとする水を手のひらで抑えたり殴ったり蹴ったり

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賢明な富裕層

日本経済新聞はよく、先のことを何も考えていないポピュリズムが政治の主導権を握る危うさを指摘するけども、ポピュリズムの生みの親は貧富の格差であることをごまかす傾向がある。富裕層を読者に持つからあまり敵対的な記事を書きたくないからだろうけど。

ポピュリズムも、共産主義も、ナチズムも、貧富の格差、富の集中が生みの親。それがなければ生まれようがない。しかし新自由主義が貧富の格差を拡大し、上位10%が所得

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富の集中

所得の多い上位10%への富の集中度は、米国46%、日本44%、中国43%、欧州36%(2021年)。ロシアで共産主義が発生する前は48%(1905年)。
日本は驚くほど富の集中が起きている。
日本経済新聞230108

修正資本主義の修正

2000年代に入ってからの日本の様子は、第二次大戦が起きる前の先進国での社会状況と似通っている。戦前、先進国では自由主義がはびこっていた。多くの労働者は低賃金にあえぎ、生活するのがやっと。その様子はチャップリン「モダン・タイムス」でも描かれている。

他方、経営者や資本家は大金持ちになった。貧富の格差が拡大し、貧しいものは貧しいまま、お金持ちはさらにお金持ちに。貧困に苦しむ人が裕福になる道はほとん

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賞与と手当、どう違う?

賞与と手当、どう違う?

社会保険の領域では同じ「報酬」に該当しますが、どう違うのでしょうか?

両者を比較しながら違いを見ていきたいと思います。

賞与は「臨時に支払われる労働の対価」、手当は「労働や労災などに報いる対価」
厳密にはそう言い切れない箇所もありますが、賞与は「臨時に支払われる労働の対価」、手当は「労働や労災などに報いる対価」と言えるのではないでしょうか*1 2。

もう少し具体的なシーンをもとに、違いを見て

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江戸時代に学ぶお金 その27:お金に対して利発な人は強い

江戸時代に学ぶお金 その27:お金に対して利発な人は強い

巻6② 見立てて養子が利発

300年たってもお金については何ら変わっていない。

本日の学び
・儲けなしとアピールすると確かに売れる。
・タンス貯金していても、一円も増えない。
・お金に対して頭が切れる人は強い