- 運営しているクリエイター
2018年11月の記事一覧
いなくなった人 ─ 歩き屋さんとあやまり役がいた時代
© CEL(大阪くらしの今昔館)
あやまり役がいた。
江戸時代、子どもたち(5歳~15歳)は寺子屋で勉強していた。一人の子どもが悪いことをした。寺子屋の師匠がその子を怒りそうになった。その気配を感じ、別の子どもが師匠の前に進んで、あやまる。実はあやまり役の子はあらかじめ決められていた。師匠は本当に悪いことをした子どもではなく、あやまり役の子どもを叱る。悪いことをした子どもはあやまり役の影で
なぜ物語を求める人と求めない人がいるのか
千野帽子さんの有名な本『人はなぜ物語を求めるのか』を読んだ。
私は以前から存在を知っていましたのだが、テラケイさん(別名 御田寺圭さん・白饅頭さん)が強く勧めてくれたため、やっと読むに至った。
非常におもしろく、私が以前から抱いていた問題意識を整理でき、さらに新たな問題を設定することができた。
おもしろい理由、良かった点については、既に多数の方がネットに書いているので、私が書かなくてもよいと
全体性(ホールネス)のある暮らし――『ティール組織』著者フレデリック・ラルーさんを訪ねて①
『ティール組織』著者のフレデリック・ラルー氏は、ほとんど講演や取材を行わない。そのため、世界中でムーブメントが広がる中、本人がどのような暮らしをしているのか、どんな活動を行っているのかについては、ほとんど情報がなかった。
本連載の著者らも、これまでの取り組みの中であえてラルー氏に会うことはせず、海外と日本のコミュニティで独自の探求を続けていた。しかし2018年5月、ついに両者の邂逅が実現する。
若者「こそ」挑戦しにくいよねと思う理由
「若者は挑戦せよ!」というメッセージは最近のネットでもよく流れてきます。若い頃は失うものがないし、だからこそ自分のやりたいことに全力で挑戦せよ、と。
ただ、私自身の話をすると、若い頃「こそ」挑戦できなかったですね。だってあらゆることに経験値がないし、結果がどうなるか全く予想がつかないから、不安でしかたがない。挑戦しろと言われても無理ですよ、という感じでした。
もちろんそうでない人がいます。若く
クリエイティブにとっての最大の敵。
先日、会社の田中さんから妙な感心のされかたで言われた。
「古賀さんは〇〇〇の原稿をやっていたときも、毎日 note を書いてたんですよね」。これだけ聞くと、どんなに忙しくとも実直に更新を続けるまじめなひとのように映るかもしれないけれど、感心のポイントはやや異なる。彼女が言わんとしていたことを年長者への礼を排したことばに置き換えると、「お前はあの原稿が大幅に遅れ、あの最恐におそろしい編集者さんから